「"新鮮さ"は人間の若返り薬」というのは原題では「Newness,The Rejuvenator of The Mind」となっています。
Newness というのは「新しさ」「新鮮さ」という意味の名詞です。Newというのは「新しい」という意味の形容詞ですが、Newness となりますと名詞になります。The Rejuvenatorというのは、「若返り薬」という意味ですが、「回春剤」というような意味もあります。例えば沖縄にある、ハブをつけた酒というのも回春剤のうちに入るでしょう。それからof The Mindは「心の」という意味です、が、Mindは「人間」という意味もあらわしますからこの湯合は「入閣の若返り築」と訳したわけです。
したがって全体では「"新鮮さ“は人間の若返り薬」となります。
新鮮さは奉仕
確かに古臭い概念あるいは古臭い考え方ばかりにとらわれていると、たちまち本人の体は衰えてきて、体も古臭くなってきます。反対に若々しい気持ちを持っていれば休もいつまでも若々しくて健康です。このことは現在、精神身体医学でもよく言われるようになってきまして、人間の肉体は心と全く関係な・く自動的に動いている機械のようなものだと言う人は少なくなってきていますね。
さて73ページの「勇気ある少数の人々」という小見出しのところを見ますと「古臭い主義のもとに生きることをいさぎよしとせず、常に何か新鮮な物を探し求めているごく少数の人々がこの世にいることにわれわれは感謝してよいでしょう」とあります。次に「激しい勢いで」となっていますが、ここは間違いで、正しくは「激しい勢いでなく」となります。ですから「激しい勢いでなく、理解力を持って、一層よき生活の方向へ大衆をアジりながら引きずり続けているのはそのクラスの人々です」となります。
これはUFO問題ばかりではなく、政界や科学界でも、常に新しいものを求めて良い意味で大衆をアジつている少数の人がいますね。政界ではアメリカのリンカーンが良い例です。奴隷解放をやって、大変な革命をもたらした偉大な人ですが、ああいうような若々しい懸念を持った人が大改革をやったおかげで、奴隷状態にあったアメリカの黒人たちが助かったわけですね。これは大変なことです。それから発明のほうでは何といってもトーマス・エジソンでしょうね。この人が常に新しいものを求めて、たくさんの素晴らしい発明をしたおかげで世の中もずいぶん変わってきたわけです。彼は全部で800ぐらいの発明をしたということですが、全身が好奇心のかたまりというような状態だったのでしょう。しかもこの2人とも全然学校へ行ったことがないというのですから、これは大変なものです。これはべンジャミン・フランクリンにしてもそうだったのですが、学歴のない人が偉大なことをどんどんやっているわけです。ああいう点ではアメリカは実にいい国ですね。今はどうか知りませんがね。
それはともかく「大衆はきわめてゆっくりと動いて」(p73、8行目〉いるわけです。ですからもしもこの大衆に新しい局面のことを聞かせる「このクラスの人々がいなかったならば、大衆はずっと昔絶滅していたかもしれません」というわけです。ここでまたちょっと抜けていますが、このあとに「単調さの法則によって朽ち果てていたでしょう」という文章を補って下さい。「単調さの方則」というのがありまして、単調な、退屈な生活を送っていると人間はダメになります。そういう部分が抜けているのですが、この文久書林の『生命の科学』にはこれ以外にも抜けているところがあります。ただしほんのちょっとしたところだけで、全体的な内容は別に変わりませんので今お持ちの『生命の科学』で十分に理解できるはずです。しかしいつか全面的に訳し直して、完ペきな訳文をニューズレターに連載するかあるいは一冊の本にして出したいと考えています。
想念の大きな影響力
それから次の段に「新鮮さは進歩であるばかりでなく若さでもあります。また今日新鮮さが社会に及ばしている影響について多少の証拠があります。昔と違って、今日は年を取らない人が多数増加しているのを見ることができますが、これは科学的発見の行われる今日、ほとんど毎日のように何かの新しい物が人目を引いているから」だとあります。その次に非常に重要なことが書いてあります。「人間とは活動する想念以外の何物でもありません。ゆえに何かの新しい思想、特に宇宙的性質を帯びた思想は人間の肉体に影響を及ほすのです」。すなわち人間の肉体は想念次第でどうにでもなるのだということで、これはいろいろな例からもはっきりわかることです。
例えば冒腸が悪いという人を見ますと必ずと言ってよいほど額にしわ寄せて、いつも物悲しいような顔をした人が多いんです。非常にハキハキした明朗な人で冒が悪いという人はほとんどいません。あるいは高血圧は心配性の人に多いとかいうように、想念の状態がほとんど全て肉体に影響を及ばしていますね。ですから健康体を保とうと思えば何といってもまず明るく楽しい想念を持つことが大切です。
ところがこの想念の重要さということを普通は学校で教えませんので一般ではこういうことはあまり言われていません。だから私たちはこういう、いわば非常に特殊な機会にそういう宇宙的な哲学を学び取って日常生活で応用しないことには次元の低い想念波動に巻き込まれて、そのうちつまらない病気になって若死にしたりするかもしれませんね。明るい懸念、宇宙的な想念を持っていますと、肉体的にばかりでなく、自分の運命も悪くはなりません。私はGAPの会員の方々と20年以上付き合っていますが、この宇宙哲学を熱心にやってこられた方の中で、非常に運命が悪くなったという人はいないですね。あんまり良くもならないという人はあるかもしれませんが、悪くならなければそれでいいわけです。もちろんなかには非常によくなったという方もいらっしやいますよ。素晴らしいお嫁さんを見つけていい家庭を持ったという方もありますし、ほかにもいろいろな例があります。
明るい想念で若さを
それから74ページの5行目のところに「それで、何を行おうとしてもガイドとして一つの想念を持つ必要があります。そしてこうした想念は過去の体験の蓄積、他人との交際、または宇宙的印象としてやって来ます」とありますように、想念というのは記憶からも来るわけです。ですから過去の悲しい記憶やつまらない記憶がよみがえってきて、そういう想念が増幅したりすることもありますから、それに振り回されないようにする必要があります。
その次には「怒りの念が心に入って来ると、顔付きは怒りを表現」するとありますが、これは当然ですね。ですから怒りっぼい人はいつも怒ったような顔をしています。そういうふうに顔がつくられてしまうわけです。そしてそういう怒りっぽい顔をした人のそばへはあまり人が近寄って来ませんし、あまりよい目でも見られませんから孤立してしまい、結局何をやってもうまくいかないということになるわけです。ですから常に明るい菜しい想念を持つようにすることが大切です。
それから「若々しく健康な、よく均整のとれた肉体を望む知的実体たるわれわれは、常にそうした想念を持たねばなりません。そのパターン(鋳型)に従って肉体を形作るからです」とありますが、これは絶対間違いないことです。
これは何度も引き合いに出している話ですが、昔イギリスのある若い女性が失恋しました。そのショックが大変大きくて、本人は気が狂ってしまい、何十年もの間、恋人がやって来ると信じて自分の家の悪から毎日外を見ていたというのです。そして自分の年齢さえも忘れてしまったものですから年を取らなくなってしまい、80数歳まで生きながらも19歳か20歳ぐらいの姿にしか見えなかったということです。普通はだれしも自分が年を取っていくことを意識していますからそれなりの顔つきになってきますが、この女性の場合は年を取るのを完全に忘れてしまったために肉体がその想念に支配されな<なり、その結果いつまでも若々しかったということでしょうね。でもいくら若いといっても気違いになってはちょっと具合が悪いですね。(一同笑)
しかし、そうならないようにしてしかも年を忘れるというのは、地球ではちょっと難しいですね。いろんなところで生年月日がどうの、年齢がどうのとか言われますので、その度にどうしても思い出しますから−。しかし年のことはなるべく考えないようにするはうがよいでしょう。
ついでながら、私は来月(7月)4日で満58歳になりますが、同じ年齢の人を見ますとずいぶん老けて見えますね。「どこのじじいだ?」と思ってしまうほど(一同笑)非常に年取って見えます。それは私の気持ちが若いからでもあるのでしょうが、実際、想念の持ち方が顔つきや体つきにも現れているのだと思います。私はこの頭さえ見なければ年齢よりもかなり若く見えるそうですから、これでアデランスでもかぶったらもっと若く見えるでしょうね。(一同笑)でも、あれはかなり高くてなかなか買えませんがー。
As A ManThinketh So Is He
このように、思念というものがいかに重要なものであるかということが最初から書いてあります。75ページの「人間は想念どおりになる」という小見出しのところでは「各時代のいろいろな大師たちは一つの宇宙の原型を教えました。『人間は自分で考えるとおりの者になる』という原理です」とありますが、これはひとつの宇宙の法則です。原文では「AsA ManThinketh So Is He」と書いてあります。
これはちょっと古めかしい英語ですね。特にここでThinketh とありますが、これは古い形です。現代英語ならば、三人称単数現在ですからThinkのあとにsをつけてthinksとなりますが、古い英語ではthをつけてthinkethとなり、べろの先をかんで発音します。「So Is He」というのは「そのように彼はなる」という意味です。どのようになるのかといいますと、「AsA ManThinketh」ーすなわち、「人間が考えるように」なるというわけです。最材のAsは「〜ように」の意味です。これは重要な言葉ですから何かに書きつけたりして覚えておかれるといいでしょう。
その次に「金星の人類は長く有益な生涯をすごします。なぜならこの人類は常に新鮮さという見地で思考しているからです。地球の年齢に換算して500歳になる金星人が若々しく見え、元気盛りであるのです。しかるに地球人は40歳にもなれば700歳になる金星人よりも老けて見えます」とありますが、これは比較にもなりませんね。この500歳とか700歳という年齢がとても考えられないというのでアダムスキーの体験記がいろいろ批判されていますが、しかしこの世の中はどうなっているのか、宇宙ではいったい何が行われているのか全くわかりませんので、地球の狭い穀の中でものを考えたり何らかの基準を作ったりしてもうまくゆかないでしょう。
そういうわけで素晴らしく進化した惑星ではどんなことが行われているかわかりませんから、金星人が500歳も700歳も生きるということも、私は事実だと思います。
地球人でも100歳以上生きる人は かなりいらっしやいまして、新聞にも時々出ますね。この間も百十何歳のおばあさんが亡くなられたことが報じられていて、死ぬまで唯一の楽しみは毎晩しょうちゅうを1杯ずつ飲むことだったというような、大変素晴らしいことが書いてありましたがね(一同笑〉。あの場合は「これが飲めるんだ」というので非常に活力がみなぎってきて、それがひとつの長生きの源泉になっていたと思います。ですからそれはそれで非常にいいことでしょうね。
それから75ページのしまいの段ですが「この講座の姶めの部分で、肉体と関係があって、心から命令を受ける細胞群について述べました。90パーセントに及ぶこれ以外の細胞は意識から命令を受けます。しかし肉体の細胞のすべてを意識から来る命令に従わせるように仕向けることはできるのです」。ここが一番大事なところです。「これこそ自分を長生きさせようとする場合に、やらねばならないこと」なのだとありますね。
細胞と想念の世界
そして76ページの「細胞の活動」というところでは肉体細胞に関して説明がしてあります。「肉体は燃料を必要としますので、心は過去の習慣に従って食物を摂取するのに抜目がありません。しかし前にも述べましたように、食物が肉体内に入って来るとき、心はそれをどのように扱うべきかを知りません」ということですが、確かにそうです。「自分は今おいしい物を食べているのだ」と思うのは口の中に食べ物を含んでいる間だけですね。のどから奥へ落とし込んでしまったらもうあとは全然意識しません。「だがこの処理法を心得ている一団の細胞がいて、心が何か他の事で浮かれ騒いでいてもこの一団は仕事を遂行します」。したがって、心は何も知らなくても、体の中で全く独自に活動している細胞集団があり、それによって作られている器官があるわけです。これはずいぶんたくさんありまして、例えば消化器系を見ますと「まず第1のグループは発酵作用を起こし」「第2のグループは摘出される化学物質の完全な混和を行い」「第3のグループは発酵中に作られるガスを排除し」「第4すなわち掃除グループは残された老廃物質を捨て」るという作用をしています。「グループ」というのは細胞グループです。そして「この過程が自然に行われるならば、あなたは決して病気を知らないでしょう」とあります。
「しかし心に関連している細胞群が、心が怒気を帯びることによって正常な作業を遂行している細胞の各グループに干渉するならば、どのような不快な結果が起こるかはみな知Iっているとおりです」つまり人間がものすごく腹を立てると急に胃が痛んできたり、あるいは心臓が悪くなったりするのです。ですから、腹を立てると血圧が上がるとよく言われますが、これも事実です。
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