心は迷っている
次の70ページに行きますと、心というものが大変な怠け者だということが書いてあります。確かに人間の心というものは実に頼りないものであって、ここでも「多くの場合に怠惰であり、最も抵抗のない楽な道を求めようとするからです。こうして心は生涯に多くの裂け目を作り出します。そしてこうした心を持つ大衆は真の幸福、平和、満足を決して知りません。その証拠は彼らが生活態度を誤っていることに表れています。すぐにイライラしたり、不平を起こしたり、絶えず文句ばかりいい、きわめて貧弱なスポーツマンシップを示したりします。そしていつも自分と同じような性質の浮わついた新しい友人を求めます」とあります。ここで「同じような性質の・‥・・・友人を求める」とありますが、人間は類をもって集まるという法則がありまして、どうしても性質の似たような人と結束したがります。ですから暴力団は暴力団同士で集まりますね。GAPの会合に○○組というような人が来ることはめったにないですね。来ても退屈になってすぐ帰ってしまうでしょう。
そして「心というジャングル」というところでは「こうした人たちはうっそうと茂った森林の中で道に迷った人に似ています」とあります。心自身が自分の行くべき道を完全に暗黒にしてしまっていて、まるでジャングルの中で迷ったような状態になっているというわけです。しかし「自分が深し求めている物は実は自分の"半身"なのであって、"自身の個人的意見"という暗黒の中では発見できないということを本人はほとんど知1っていません。なぜなら、これは本人が全然享楽したことのない意識という光の中で発見されるからです」(p71、8行目)。この"半身"というのは自分の内部に宿る宇宙の意識・Cosmic Powerです。
そして次に奥さんのことが書いてあります。「以上のことで死んだ妻のメリーが体験した一事件を私は思い出します。ある夜メリーはわずか半エイカーばかりの土地に高く生い茂っているライラックのジャングルの中で道に迷ったのです。彼女は恐れて大声で助けを求めました。家から500ヤードしか離れていない場所なのに−」。これが「宇宙の目的に反する"自我の意見"というジャングル中で人間というものがいかに迷いやすいかという例」であるということです。この「ライラックのジャングル」というのはパロマー・ガーデンズ(今はキャンプグラウンドになっています)からもう少し上のほうへ行ったあたりにあったと思います。
さらに「人類の99パーセントがこの種の"心というジャングル"の中で生きているというのは不幸なことです」(p72、5〜6行目〉とありますが、99パーセントどころじゃないでしょうね。99.999・・・・というような、ほとんど100に近い数字だと思います。
迷いのない生活を送るには
「この人たちが意識を楽しむことができるならば、それは(意識は)人間が必要とするあらゆる物を持つていることがわかるでしょう。心がつながれている恐怖をのがれて生活を菜しむことができるからです」。そして決定的な線として「気高い友星人にかわって私がここでいえることが一つあります。それは、彼ら友星人の心は宇宙の意識に従っているということです」とあります。「意識に従う」といっても非常に抽象的なものですからどういうことなのかよ<わからないかもしれませんが、要するに内部のCosmic Powerともいうペき実体から与えられる指令に従うということでしょうね。
例えば通勤用にどうしても自動車が1台欲しいとします。しかしひと口に自動車といいましてもずいぶんいろんな種類がありますし、値段もまちまちです。従って迷いばかり起きてさっばり見当がつかないということもあるわけですが、それは目で見て決めようとするからダメなんです。そのような場合には、ジーツと心を澄まして意識に従うような状態にすれば、自分が本当に求めている車の影像が1台だけパッと心の中にう浮かんだり、あるいはその車の名前がパツと浮かんできたりするはずです。しかし焦ってはいけません。印象がわき起こってくるまで忍耐強くジーッと心を澄まして待つようにしないとダメです。忍耐カが必要だということはアダムスキーも言ってましたね。
マインドと意識とを一体化させるといいましても抽象的な表現でピンとこないと思われる方も多いと思いますので、ここで私が書からやっている方法をご紹介しましょう。
まず、、朝でも夜でも、静かなときに自分の部屋で正座します。あぐらをかいてはいけません。正座をして背筋をちゃんと伸ばして、そうして腹式呼吸を用います。腹をふくらませながらずうっと息を吸い込んで、少しの間息を止めているわけですが、そのときに全身に息が吸い込まれたようなフィーリングを起こします。そして同時に強烈な想念を起こします。つまり、自分は今大宇宙の創造主の無限のカ・無限の生命・無限の英知・無限の愛に満たされているのだというふうに心の中で唱えるわけです。息を止めておりますから唱えようとしてもくちびるの先がパクパクと軽く動く程度ですがそれでも構いません。それから息をゆっくりと吐きながら「ありがとうございます」「ありがとうございます」と、今度は感謝の言葉を唱えます。1分間に1回ぐらいのペースで20分〜30分ぐらい続けますと、そのうち自分はこの大宇宙の中に溶け込んでしまって完全円満な人間であり、無限の健康体であり、そしてまた自分は無限の力と生命と愛と英知に満ちた、本当に宇宙の子と言えるような状態なのだというフィーリングがわき起こってきます。
腹式呼吸をすること自体は健康を保つためにそんなに大きな作用をなすとは思えませんが、大宇宙のいろいろな要素で自分は満たされているのだというようなフィーリングを起こすためには非常に有効な手段ですね。こういう呼吸法についてはいろいろな宗教団体でもやっているようですが、私の方法は宗教とは全く関係ありませんから両手を合わせて礼拝したりする必要もありません。第一そんなことを何十分もやったら手が疲れておかしくなってしまいますから、手は普通に指を組んで腹の上に当てておくぐらいでいいでしょう。
さきほど正座をすると言いましたがこれはイスに腰かけてやってもよろしいのです。慣れてきますと道を歩きながらでもできますし、仕事をしながらでもできます。そして朝晩だけでなく、なるべく数多く実施するほうがいいですね。そうしていますと、何か自分の体にまず健康というような意味で大きな変化が起こるのがハツキリわかりますし、自分の運命もまっすぐ正しい方向に進んで行っているなというような感じがしてきます。
本当に必要なもの
一昨日の夜、私がわずかな酒でもひどくこたえたというのも、そういうことをやっているから、酒がもう私の体に合わなくなったというようなことを知らせる一種の啓示だったのかもしれません。もちろん「酒など絶対飲んではいけないのだ」というふうにこだわってもいけませんが、少なくとも私はもうそういうことはやらないほうがよいということなのでしょう。バック・ネルソンが金星人から伝えられたという宇宙の法則の中には、本当に人体を維持するために必要なものだけを食ペ、そして飲みなさいというような部分があったと思いますが、そういうことを何者かによって教えられたような気がします。
この食べ物や飲み物というのは、肉体の健康を維持するためばかりでなく、宇宙的な思想を保つ上でもかなり重要な要素を帯びていると思います。めちやくちゃに酒を飲んだりすることはもちろん体にもよくないのですが、想念も荒れますね。
ちなみに世界で最もめちゃくちゃな酒の飲み方をするのは日本人と中世マヤ人ですね。中世マヤ人はリュウゼツランで作ったテキーラという強い酒をめちゃくちゃに飲んで大騒ぎしたそうです。日本人に非常によく似ていますが、祖先が同じだったのかもしれませんね。アメリカあたりのバーで日本式に知らないお客さん方の前で大声で歌を歌ったら、いっへんにつまみ出されますよ。日本ではカラオケとかいって、大声で歌を歌いますが(それも聞いていられないようなヘタな歌を)おかしな民族ですね、日本人というのは。みなさん方は違いますがね。
とにかくそういう健康に関連して、次の第6課では「"新鮮さや"人間の若返り薬」という素晴らしい説明がありますが、これは来月解説いたします。
いたって大ざっばな説明で大変恐縮ですが、時間の都合できょうはこれで置くことにいたします。どうもありがとうございました。
く1982年5月1日 東哀文化会館にて)
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