まず重力を克服すること
最近、月に宇宙船を送る、あるいは、宇宙ステーションを建設する、といった計画がひんばんに話題になっています。しかし私たちには、その前にまず克服しなくてはならないことが一つあります。私たちがそれらの計画を達成するためには、まず重力を絶対に克服しなくてはならないのです!しかもそれは決して容易なことではないでしょう。私たちを母なる地球に引き付けているその重力という力に関して、私たちはまだあまり多くを知りません。しかし私たちは、鳥たちが自分で身につけたある行動を行うことによってそれを見事に克服している事実を知っています。それは、私たちに、ある作用―ある逆の作用こそが答えであるというヒントを与えています。
これと同じ法則は、その昔、いわゆる心霊術師たちによって知られ用いられました。そしてそれは物体浮揚の法則と名付けられ今に到っています。あのピラミッド群を造る際にも、おそらくこの法則が用いられたのではないでしょうか。
今この地球にやって来ている例の宇宙船群を、私たちは大きな驚きとともに眺めています。そして知性的な人々のほとんどは、それらを地球外の宇宙船であると考えています。私もそう信じる人間の一人です。したがって今日の私の話はその前提に立ったものです。1938年に私は物体浮揚の法則に関する論文を書きました。そして、それ以降、それに関する講演も行なってきました。それから1949年に私は重力は反対方向にも働いているという見解を述べました。
ちょうどその頃、アインシュタインが相対性理論とともに登場しました。そしてその中で彼は重力は一方通行であると述べました。しかしその1年後、50年代に入るや、彼は統一場理論の中に、重力は反対方向にも働いているというアイデアを持ち込んでいます。
もちろん彼はそれを私のように誰にでもわかる簡単な言葉によってではなく、とても科学的な言葉で表現したのですが、いずれにせよ、それに力を得てその後も私はそれに関してあれこれと思いを巡らしました。
そしてやがて異星人たちの宇宙船の1つに乗せられて彼らとともに宇宙旅行をする機会を得たとき、私は論文や講演の中で示した物体浮場の法則に関する自分の理論がさほど真実から離れていなかったことを確信するに至りました。
重力の法則に従った宇宙船
そのとき私が学んだことは次のようなことです。
彼らは、まず彼ら自身の惑星を徹底して研究しました。私たちもそうしなくてはなりません。その研究の結果、彼らは惑星は二通りの動きを持つこと。さらにそれは人工的な推進力、あるいは支える力などに頼ることなく、まるで風船のように宇宙空間に浮かんでいるということを知りました。
それは彼らの惑星に限ったことではありません。この地球に関しても全く同じことが言えるのです。そして、私たちはその中にではなく、その上にいます。しかもそれは、常にとてつもない速度で宇宙空間を移動し続けています。もし人間がそんな速度で移動したならば、とても生きることなど不可能だと誰もが考える速度です。でも私たちは生きています。
ある自然の法則がそれを可能としているのです。重力の法則です。彼らはその法則を学びました。彼らの宇宙船はその法則に従って建造されました。その法則の支配を受けるように造られました。要するに彼らの宇宙船は"人工惑星"なのです。ただし彼らはそれを軌道の法則に縛られることなく、自分たちの思った所に移動させることができます。普通の惑星であれば、その法則に縛られて常に太陽の周りを回っているわけです。しかし彼らはその軌道の法則から宇宙船を解き放つ方法をマスターしたのです。そして、自分たちの意志に従って、それを自由にどこにでも移動させることができるようになりました。
それは基本的には自然の諸法則に従って水に浮かんでいる船とそれほど変わるものではありません。ただしその船は乗っている人間の意志に従って、彼が行きたいと思ういかなる所にも移動できます。
重力の法則を学び利用することで、彼ら(スペース・ピープル)は宇宙船の内外に自分たちの住む惑星が作り出しているのと同じ理想的な環境を作りだすことに成功しました。 私たちは今、時速10万キロメートルを超える速度で太陽の周囲を進行しています。そのようにして1年すなわち365日をかけて、約9億5千万キロメートルもの距離を旅しているのです。
それに加えて、時速1700キロメートルもの速度で、24時間に一度自転をくり返しています。以上の二つの速度を組み合わせたとしたら、いったいどれほどの速度になることでしょう。まさにとてつもない速度です。
もし今の地球の飛行機が時速3000キロメートルで飛行したとしたら、その中で人間はおそらく生存できないでしょう。私たちの飛行機はスペース・ピープルの宇宙船にくらべると実に幼稚な乗物にすぎないのです。乗っている人間はまず生きられません。なぜなら私たちの飛行機は、異星人たちの宇宙船や地球などの惑星が持つような『保護場』を持たないからです。
私たちは今この地球にこうして座っています。その動きを全く感じません。でもこの地球は今とてつもない速度で動いているのです。しかもただ一方向に進行するのみならず、それ自体が回転しながら進行しているのです。でも私たちはそれに全く気づきません。
なぜ母船上を歩くことができたか
かつて私は書物の中で、彼らのスカウト・シップ(いわゆる空飛ぶ円盤)に乗って宇宙空間に浮かんでいた母船と合流したあと、船外に出て母船の上を歩いてハッチに向かい、そこから母船内部に入ったと述べましたところ、それを読んだ人々は大きな疑問をいだきました。
「そのときアダムスキーはなぜ吹き飛ばされなかったのだろう?」と読者は言っていました。
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▲1954年4月25日の早朝、アダムスキーが母船に乗り移ってから左から2番目の丸窓より外をのぞいた光景を、近接した円盤のパイロットが、アダムスキーが持参したポロライドカメラで撮影した写真。円盤から照射したサーチライトが強すぎたために顔が不鮮明に写った。左端の窓の人物は金星人。上端の輪郭は実際にはもっと大きい。左上の湾曲した部分は、撮影したパイロットが乗っていたスカウトシップ(円盤)の一部分。 |
考えてみて下さい。私たちは高速で進行する地球からなぜ吹き飛ばされないのでしょうか? これと同じことなのです。
私たちは今話したようなとてつもない速度で進行中の地球の上を歩いています。そんな速度で移動中の乗物の上に立ったりしたら、あっというまに吹き飛ばされてしまいます。でも私たちは吹き飛ばされないのです!(訳注:アダムスキーの乗った大母船は人工的な重力場を帯びているために頂上を歩くことができた。この母船は船体の周囲に大気の層をも帯びているので、高空の宇宙空間でも宇宙服なしに頂上で呼吸できたのである。アダムスキーの前記の書物にはそこまでの説明がなかったために、発行当時は全のインチキ扱いされてしまった)
この重力の法則は、ある意味ではとても単純なものです。ただしその単純さのゆえに、説明がひどく困難です。まず求心力がその一部になってます。ただしその全体は電磁気です。求心力はそれ自体に向かってあらゆる物を引き寄せます。私たちはそのことをよく知っています。それは惑星全体に及んでいます。
しかしその求心力を生み出しているのは、どちらの力、あるいはどちらの速度なのでしょうか。24時間単位のものなのでしょうか。
それとも365日単位のものなのでしょうか。一方は時速10万キロメートルで365日を周期としているものであり、他方は時速1700キロメートルで24時間を一周期としているものです。それらのうちの一つが求心力にかかわっており、もう1つはそこで発生するある種の揺れを矯正するためのジャイロスコープ的な働きをしています。
第4話へ続く |