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  神々の戦車 エーリッヒ・フォン・デニケン

第4章(2) 神は宇宙飛行人であったか  UFOと宇宙 No.2 より 
 

モーゼの契約の箱は送受信機!?死海写本の秘密と少年ノアの物語。

モーゼの契約の箱は送受信機?

ここでもまた我々はあらゆる種類の疑問に出くわすのである。一体誰がエゼキエルに話しかけたのか?

彼らはいかなる種類の生きものであったのか? 彼らはたしかに伝統的な意味をもつ言葉としての"神々"ではない。さもなければある場所から別な場所へ移動するための乗物を必要としないだろう。こうした運動は全能の神という概念とまったく矛盾するように思われる。

これに関しては旧約聖書に別な技術的な説明があるが、これは公平に調べてみる価値がある。出エジプト記二五・一〇で、モーゼは神々が契約の箱を作るために教えた正確な方法を述べている。それによると板や環のとり付け方やその場所、金属などについて詳細に教えられている。その教えられた方法は、あらゆる物事が"神"が望んだとおりに遂行されることを確実にするように教えられたのである。神はモーゼに対して突放をするなと何度も警告している。

「そしてあなたが山で示された型に従い、注意してこれを造らなければならない」 (出エジプト記二五・四〇)

また神はモーゼに金のフタから話しかけようと語り、誰も契約の箱に近づいてはならないといい、それを運ぶときに着る衣服についても指示を与えている。こうしたあらゆる警告にもかかわらず、誤りがあった。ダビデが箱を運び出して、ウザが牛車を動かすのを手伝った。進行中に牛がつまずいて、ウザがそれをおさえたので、ウザはその場で雷撃にあったかのように撃たれて死んだのである。どうもこの箱は電気を帯びていたらしい!

もし我々がモーゼから伝えられた作り方どおりに箱を作るとすれば、数百ボルトの電気の導体が作られることになる。縁と黄金の環は、黄金の板で形成されるコンデンサーに充電するのに役立つことだろう。加うるに、フタの上にある二つのケルビムの一つが磁石の役割を果たしたとすれば、ラウドスピーカーは---たぶんモーゼと宇宙船のあいだの伝達に用いられた一種のセットかもしれない---完全であった。契約の箱の建造の詳細は聖書中に出ている。出エジプト記にたよらなくても、箱がしばしば光るスパークによってかこまれていたことや、モーゼが援助とアドバイスを必要としたときはこの"送信機"を利用したことなどが考えられるのである。モーゼは主の声を聞いたが、対面したことはなかった。ある機会に姿を見せてくれと頼んだら、神は次のように答えた。

「あなたはわたしの顔を見ることはできない。わたしを見て、なお生きている人はないからである。見よ、わたしのかたわらに一つの場所がある。‥‥そしてわたしが手をのけるとき、あなたはわたしのうしろを見るが、わたしの顔は見ないであろう」 (出エジプト記三三・二〇−二三)

神々(宇宙人)は姿を見せない

古文書類には驚くほどこれとよく似た記録がある。シュメール人のもので、聖書よりもはるかに古いギルガメッシュの叙事詩の第五平板には、事実上同じ文章が出ている。

「なにびとたりとも神々の住む山にくることなし。神々の顔を見る者は死すべきなり」 

▲1947年に発見されたヘブライ語で書かれたイザヤ書の死海写本。

人類の歴史のもろもろの活舞台を伝えてきた他の古文書にもこれとよく似た部分が出てくるのである。なぜ、"神々"は自分の顔を見せようとしなかったのか? なぜマスクをはずさなかったのか? 神々は何を恐れていたのか?

それとも出エジプト記の記録全部はギルガメッシュの叙事詩からきたものだろうか。それもあり得ることである。モーゼはエジプトの王家で育てられたと考えられている。たぶん彼は王室の書庫に近づくことができて、古代の秘密に関する知識を得たのかもしれない。

我々は旧約聖書の年代について調べる必要がある。というのは、ずっとのちのダビデが六本の指と六本の屈指をもつ巨人と戦ったという事実を裏書きするものが多くあるからだ。(サムエル記下二一・一八−二二)

我々はまたあらゆる古代の歴史、伝説、説話などが一カ所に集められて編さんされ、のちにコピーされたりゆがめられた形となって、あちこちの国に散らばった可能性も考えてみる必要がある。

死海写本の秘密とノアという少年

▲死海写本が最初に発見された洞窟。

近年になって死海の付近で出た古写本(クムラン写本)は、聖書の創世記の価値ある驚くべき拡大された内容を示している。この中にも二、三の未知の原文が天空の戦車、天の子たち、輪、飛ぶ物体が放つ煙などについて述べている。モーゼ黙示録(第三三章)にはイブが天空を見上げると火の戦車が空中を飛ぶのが見えた。それは四つの輝くワシに引かれていた。地上の人間がこの壮観な光景を述べることはできないだろうと書いてある。ついにその戦車はアダムのところへきて、輪と輪のあいだから煙が出てきた。ところでこの物語に目新しいことは多く述べてないが、それでも光る戦車、輪、煙などがアダムとイブのころにさかのぼって壮大な出現物として語られている。

あるファンタスティックな出来事がレメク写本の中で解読された。写本が断片的に保存されているので、文章の全文はわからない。しかし現存している物はここにあげる価値があるほどに貴重なものである。

この伝説によれば、ノアの父親であるレメクがある晴れた日に帰宅して、外見から判断してまったくその家族の者でない一少年を見て驚いた。レメクは妻のバトエノシュをなじって、その子は自分の子ではないと主張した。そこでバトエノシュはタネはあなたからもらったもので、兵士や見知らぬ人や"天の子"たちからもらったのではないと心から誓った。ここで疑問がわいてくる。バトエノシュはいかなる種類の"天の子"たちについて話していたのだろう?ともかくこの家族のドラマは大洪水以前に起こったことである。それにもかかわらずレメクは妻の抗議を認めず、激しく怒って、父のメトセラのところヘアドバイスを求めに行った。そこへ行ってから彼は気分を暗くするような家族のトラブルを話した。

メトセラはそれを聞いて反応を示し、みずから賢者のエノクに相談に行った。その家族のカッコー鳥が多くのトラブルを起こしていたので、老人は長い旅の難儀さを認めた。小さな男の子が誰の子であるかをはっきりさせねばならない。そこでメトセラは人間の子というよりもはるかに天の子のように見えたその男の子が息子の家族に出現した様子を述べた。その子の目、髪、皮膚、体全体が家族の誰にも似ていなかったのである。

エノクはその話を聞いて、大審判が地上と人類にくだるであろうこと、あらゆる人類がけがれ果てているために絶滅するであろうという、きわめて憂慮すべきニュ−スを伝えて、老いたメトセラを帰した。しかも家族が疑っていたあの不思議な男の子は、大審判をのがれて生き残るかもしれない人々の祖先として選ばれたのであり、メトセラは息子のレメクにあの子供をノアと呼ぶように伝えよといった。メトセラは旅をして家に帰り、家族全員にふりかかろうとしている事を息子のレメクに伝えた。そこでレメクはその変な子を自分の子として認め、ノアと名づけたのである!

大洪水はあらかじめ計画された?!

この家族の物語に関する驚くべき事は、ノアの両親がきたるべき大洪水について知らされたということ、そして祖父のメトセラさえも、エノクからその恐るべき大変災のことを事前に予告されたということである。エノクはその後まもなく天空の戦車に乗って永久に姿を消してしまった。

このことは、人類は大気圏外からきた未知の人間によって故意に"タネつけ"された結果ではないかという疑問を生じさせるものである。

さもなければ、巨人族や天の子たちによる人類のたえまなくくり返される"タネつけ"の意味はどういうことになるだろう。しかもうまくゆかなかった種族はあとで絶滅するのである。この考え方からみると、例の大洪水は少数の高貴な人々を除いて人類を絶滅させる目的で、未知の人間があらかじめもくろんだ計画ということになってくる。しかしその大洪水が---その経過は歴史的に証明されているが---まったく故意に計画され準備されたとすれば、それはもはや神の審判として受け入れるわけにはゆかない。

今日は知的な人類の"タネつけ″の可能性はもうこのような不合理な説で説明はできない。ティアウアナコの伝説や太陽の門の破風の銘文などがグレート・マザーを地上に降ろして多くの子供たちを生ませた宇宙船について語っているように、昔の宗教的な聖書類も"神″が自分の姿どおりに人間を創造したと述べている。人間が最終的には"神"が望んだとおりにうまくできるまでに何度も試みを必要としたと述べている古文書がある。宇宙空間からの未知の知性休による地球訪問説をとりあげれば、今日我々がこの伝説的な未確認人間に似たような体をしているのだと仮定できるだろう。

地球人は進化しているか遅れているか

この一連の記録において、"神々"が我々の祖先に要求した贈り物のことが奇妙な問題を提起する。神々の要求は決して香料や動物のいけにえに限られていなかった。贈り物の一覧表の中には非常に詳細に記された合金類で作られた硬貨が含まれていることがある。古代東方地方における最大の精錬所がエチオン・ゲーベルで発見された。これは空気トンネル設備のある超モダンな炉、煙管、特殊な目的のための穴などから成っている。

現代の精錬専門家は、この先史時代の設備で銅が精錬された様子について未だに不可解な現象に出くわしている。これはたしかに問題だ。というのは硫酸銅の大量の鉱床がエチオン・ゲーベル付近の洞窟や坑道の中で発見されたからである。この発見物は少なくとも五千年前と推定されているのである! 

もし現代の宇宙飛行士がある日別な惑星で原始人にばったり会うとすれば、飛行士たちは原始人たちにとって"天の子"または"神々"のように見えるだろう。たぶん我々の知能はこの未知の、しかも想像もつかない惑星の住民よりもはるかに進んでいるだろう。だが逆にこの未知の惑星上の時代が進んでいて、地球の宇宙飛行士が"神"として迎えられないで、はるかに時代遅れな生き方をしている人間として笑われたなら、その失望はどんなものだろう!

>>第5章(1)へ続く

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