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  ホワイトサンズUFO搭乗事件 第11話 ダニエル・フライ

UFO Contactee No.144より転載 久保田八郎訳

(前回までのあらすじ) 時は1950年7月4日の夜、ダニエルフライはニューメキシコ州ホワイトサンズのロケット実験場で技師として働いていたが、空調不備のため、あまりの暑さに耐えられず、外の砂漠地帯へ散歩に出かけた。すると突然空中から不思議な物体が眼前に降下して着陸した。驚いている彼の耳に人間の声が響いて、地球の科学の誤りなどを英語で説明し始めた。フライは荘然として聞いている。この物体は別な太陽系から来た一種の宇宙船らしい。そのうち彼はそれに乗るようにと言われて空中へ飛び上がったが、そのうち信じられないような超高速でニューヨークを目ざして無音で飛行し始めたという。

この物語は事実そのものと認められて世界のUFO研究界に一大ショックを与えた。この記事は彼の生前に彼から翻訳権を与えられた訳者による連載の第六回目である。

以下はフライを指導したアランという異星人のメッセージの続きで、地球社会の未来に対する予言と今後の地球人の心構えや対策等に言及している。

生きるべきか死ぬべきか

戦争がいかに激しくて、いかに長続こうと、そして勝利者が誰であろうとも、この戦争を引き起こした問題を解決するための方策はやはり出てこないでしょう。数ヶ月あるいは数年のあいだに、争った者たちは自分の傷から何かを取り戻し、再び戦うための用意をするでしょうね 勝者はいつもそのような戦いから得るものはありませんし、敗者が何かを学ぶとしたら、自分の軍隊の最も悪い間違いを、未来の戦争において、いかにして避けるかということだけでしょう。

両者ともに、もしお互いに相手の言い分を容認したとしても、そのときに降りかかってくる損失や被害よりもはるかに多くの損失と被害に苦しむのです。

地球文明が破壊力の限定された単純な兵器だけを所有していた時代には、文明はそれを許容できたし、また大量暴力による無駄な行為が残存するのをうまく処理してきました。幾百万の無知な人々は、ばからしい不当な死に直面し、忍耐強い数百年にわたる人類の努力が、たった一人の指導者のはかない気まぐれで一掃されるのです。人類と、少なくともその文明の残った部分はふたたび、見たところ終わりのない平和と安全への努力を始めています。

しかし全体破壊につながる兵器が存在するようになるときには、どんな文明も人種も、この地球の人々によって作り出された全滅型の兵器をも残すことはできないので、状況は変わります。 今や地球人とその社会と文明に残された選択肢は一つしかありません。それは「生きるべきか、死ぬべきか」の選択です。選ぽうとするこの二者について地球人が充分に知っているならば、彼らが選ぶものに疑いはほとんどありません。私たちが彼らに明白にしてやるものがあるとすればこの点なのです。

平和を達成するには

私たちが集めた証拠のすべてによれば、一般的な地球市民は、ある周期のあいだ、平和のための用意をしていたことを示しています。愚鈍だと思われるような人が彼らの指導者になっています。政治力または経済力の貧困さが人々を混乱させ、誤った方向に導いているように思えます。彼ら指導者は、いつも自分たちのしている事について、うまく論理のかなった誇張した弁解を行なっています。

▲1996年9月、米カリフォルニア州パシフィックパリセイズ市の海岸地帯でハイカーのスティーブ・トムセンとジョー・クローワーの2人の青年が遭遇したUFO。数枚の写真を撮ったら物体は家の向こうの太平洋上空へ飛び去った。
▲1996年9月、米カリフォルニア州パシフィックパリセイズ市の海岸地帯でハイカーのスティーブ・トムセンとジョー・クローワーの2人の青年が遭遇したUFO。数枚の写真を撮ったら物体は家の向こうの太平洋上空へ飛び去った。

数百世代のあいだ地球人は「平和、平和」と叫んできましたが、平和はありませんでした。彼らの最も知的で教育を受けた男女の多くは、平和のための研究に自分たちの一生をささげてきました。そのことはまったくバカらしいと思われるとしても、数百万の人々が周期的に起こる戦争において「すべての戦争を終わらせるために」戦って死んでゆきました。彼らはどんなに直接的な試みによっても平和は決して達成されないという単純な事実をまだ理解できていないようです。たとえ、どこを探せばよいかを誰かが知っているとしても、平和というものは掘ってゆけば得られるような黄金でもなく、またすぐに手に入る宝物でもありません。

平和は単に人と人、人種と人種、国と国、それにすべての人々のあいだの完全な理解と、神として地球人に知られている宇宙に偏満する『力と英知』の副産物として自動的に得られるものなのです。

そのような理解が存在しているときには、平和を探すとか平和のために働く必要はありません。平和は自動的に存在します。しかしこのことが理解されるまでは、どんな努力も成功しないでしょう。

"完全な理解″は依然として地球人の達しているレベルを超えていますが、一方、理解のいくつかの位相は私たちの達しているレベルをも超えていますので、人が平和を見つけることができるということは、それが理解できるレベルに達しているときだけのことなのです。

一般的理解が人種または人種のグループによって達成される前に、納得されねばならないある特殊な段階があります。物理科学の分野において地球の進んだ人種は、この段階を数世代前に踏み出しました。それが彼らの技術が急速に進んだ理由です。

しかし社会科学の分野では同じ歩みがなされませんでした。重要なものと考えられることさえありませんでした。その結果、私が前に述べたように、彼らはどんな社会科学も持たず、後に続く人々のあいだに惑いと疑惑の念を起こさせるような違った方向に導きがちである指導者たちの信念と態度に頼った本質的な有意義な進歩さえできなかった社会技術だけしか持っていません。

年々、国家の政治的、社会的な問題を処理したり、論争を解決したりする能力を持った国際機構を作る努力がなされました。しかしまだこれらの努力で本当に成功したものはなく、政治的な緊張をいくらかゆるめることがときどき達成されただけでした。

個々の政府はどれ一つとしてその機構に自分たちの権威者や最高の地位にある人を代表として送る気は全くなく、したがって、そのような機構には彼らの結論を履行させる本当の力は何もなく、事実、単なる諮問グループであり、その宣言は、それを命じられた人々に無視される可能性があり、また常に無視されているのです」(異星人アランのメッセージは終わる)

コンタクトする相手の選び方

しばらく消えていたビデオスクリーンが、実験場の自動車置き場として使用されているように見える輸送車の群れに向かって活発に歩いて行く40代前半の普通に見える男を写しだした。同時にこの宇宙船の精神分析家の一人の声が船内通話装置から聞こえてきた。

「この人が私たちの基本的な要求に合致していると思われる人です。しかし安全に公然としたコンタクトを始める前に、まだ沢山の広範囲の分析が必要です。この人がこの実験場を去って近くの町に車に乗って行こうとしているのは私たちにとって問題です。彼が行ってしまうと、他の多くの一般人の群れの中に入ってしまうからです。

そこに行けば知的能力を組み合わせるものが多くあるので、私たちに必要な完全で頼りになるリーディング(テレパシーによる読み取り)は大変困難になるでしょう。

彼が戻って来るのを待つとしたら、彼は相当に疲れて知的エネルギーは衰退しているでしょう。これは私たちの仕事をより困難なものにし、また結果も信頼できないものになってしまうでしょう。

そこで、彼を今夜ここから去らせないようにし、彼の部屋に戻るように仕向けて、彼を一人にし、ゆったりさせて、知的に充分な状態にさせるのがよいと思われます。

もちろん(アメリカの)倫理委員会の規則が、観察される個人の計画や行為を明白に妨害することを禁じていることを私たちは知っていますが、この場合、全人類の幸せと、たぶんその生命が私たちの任務の結果にかかっているかもしれない場合なので、古くて常に無意味な言い訳であった『終わり良ければ、すべて良し』という言葉を私たちが使うのは許されてよいでしょう。

さて、この人は町へ行く最終バスの出発時刻を発着所で聞くために、駐車場に近づいています。もしこのバスに乗れないようにすれば。彼はもはやこの基地を去る方法がないので、彼を容易に自分の場所に帰らせることができます。そうすれば、比較的短時間に私たちの分析を完全なものにすることができます。

もし彼がコンタクトに適当であることが分かれば、私たちは観測と通信装置を載せた小さな試料採取船を基地から離れた安全な場所に着陸させます。同時に彼を不快な暑い部屋から去らせて、冷たい空気の中を歩くように仕向けて、彼をコンタクトがなされる場所に着陸している船体の方へ導きます。

この接近方法にはもう一つの安全対策があります。何らかの理由で、彼の反応に対する私たちの判断が間違っており、彼がすぐにこのコンタクトを誰かに報告しようとするならば、この出来事の物的な証拠は何も残らず、また彼の仲間の誰かが彼の報告に重大な注目をすることは全くなくなるでしょう。」

連絡が終わるとビデオスクリーンは消えて、沈黙した。

「私たちは通信室へ行ったほうがよいでしょう」とベラが言った。「もし地球人とコンタクトが始まれば、話をするのはあなたです」

第12話へ続く

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