ウィルキンズ博士の月・空洞説
|
▲月面の謎!1930年に英国の天文学者パーシバル・ウィルソンによって撮影されたもの。約100kmのクレーター内部にパイプ状の線が縦横に走っている。人工のトンネルか?自然現象か? |
アポロ計画を見つめているうちに私は賛嘆した。この計画により次々と明るみに出た事実が、二人のソ連人科学者の"途方もない異端の説"を実証する証拠をもたらしたように思えたからである。
この信じがたい説を裏付ける何かがあるかもしれないという私の最初の気持は、アストロノーティックス誌(1962年7月号)に出た月の運動に関する10年も古い記事を読んだときに起こった。これは宇宙開発技術と航空の専門誌である。この記事でトップクラス科学者ゴードン・マクドナルド博士は、月の運動を分析してみると、この天体は中空であることがわかると述べていた。
「天文学上のデータを分析すると、月は均質の天体というよりもむしろ内部が空洞であることが判明する」
だがマクドナルド博士は必ずしも月の空洞説を確信しているのではない。 この著名な科学者は、同僚の多数が完全にカラッポな天体または自然に内部が中空になった天体などが宇宙に存在するとは思っていないことを知ってい たのだろうが、彼も存在するとは言っていない。
「このことは月の運動に対する観察の分析結果か、または近来発達した月の学説のいずれかに矛盾が存在することを意味する」と博士は述べている。
こうして研究の基本的結論を認めるよりもむしろマクドナルドは、データか結論のいずれかに誤りがあると信じたのである。
マクドナルドの研究はそれ自体の結論を拒否して終わったが、我々は月の形成に関する別な面の研究があり、それがやはり月は空洞であるという同じ結論に達していることを知ったのである。英国の大天文学者H・P・ウィルキンズ博士はその立派な著者「われらの月」の中で、「月は空洞か?」と題する章において次のように述べている。「あらゆる点で月の表面から20ないし30マイル以内は、多少とも空洞の性質であることを示している。したがって我々の限に見えない所に大きな穴か地下トンネル、クレバスがあるように思われる。これらはあちこちで裂け目、割れ目、噴気孔などで表面とつながっているにちがいない」
更にウィルキンズ博士は、この内部の空洞は1400万立方マイルにも達するだろうとつけ加えている。
こんな大空洞が存在するという証拠があるだろうか? NASAの指導的地位にある地質学者の一人、ファルーク・エル・バス博士によれば、米政府は空洞が存在するのではないかと考えて、そのための月に関する実験を行ったという。バス博士は言う。
「月の地表下には多数の未発見の空洞がある。月へロケットを送って、何度か実験をやってたしかめたのだ」
だがこの結果はまだ公表されていない。それどころか実験そのものが秘密にされた。少なくともファルーク博士がしゃべるまでは不明であった。なぜ極秘裏に行われたのかァ NASAが月の内部に異星人の基地が存在する可能性を考慮したためか?
ユーリー博士も裏づけた!
この点で証拠をもたらしたもう一人の有名な月専門家は、ハロルド・ユーリー博士である。ノ−ベル賞受賞の科学者で、次のような説をとなえた。 「月の内部には希薄な物質か空洞が存在するかもしれない。科学的なデータはこの考え方を裏づけているようだ。 この結論に至る証拠は共同研究者のソグレン博士によって発見された。」
科学記者のジーン・センディーは言う。「 月に地下基地があるとすれは、まさにそこだ。ルナ・オービターから送られたデータに関するソグレン博士の研究が、月の地表下の空洞発見につながるとすれば、そして私の説になる基地がそこで発見されれば、私は正しかった!と言えるだろう。偶然に正しかったのではない」
月が完全に空洞であることを示すもっと荒っぽい研究は、月の密度と重力場の研究から出た。国際的な月研究誌ムーンの「月内部の密度と成分」と題する記事の中で、マサチューセッツ工科大学、地球・惑星科のセアン・C・ソロモン博士も、月の内部が空洞であるという結論に達したのである! 博士は言う。
「ルナ・オービターによる実験は、月の重力場に関する我々の知識を大きく実証した………月が空洞であるかもしれないという驚くべき可能性を示したのである。」
驚くべき事か? そうだ。完全な空洞の世界が自然に存在する筈はないと科学者は確信していたからである。カール・サガン博士による有名な科学論文「宇宙の知的生命」には「自然の衛星は空洞の物体である筈はない」とぶっきらぼうに述べてあるのだ。
月は空洞の大宇宙船! 以上が真実だとすれば、月は空洞の宇宙船だというソ連科学者の説は正しいということになる!つまり月は人工的な空洞なのである! それは人工的にくり抜かれた宇宙船なのだ! 以上の権威ある研究すべては私の心を燃え立たせ、入手し徹る限りの最新の証拠を徹底的に研究しようという好奇心をわき立たせた。そして驚いたことに、ソ連の宇宙船説が正しいという多数の証明を発見したのである。
たとえば、この空洞説を提唱した例の二人のソ連人科学者は、月は巨大な金属のシールドでもって、数マイルに及ぶ岩石や土の下部に補強を施した空洞の世界であるという仮説を立てた。 もしこの衛星の内部がこうした金属性の宇宙船シールドを持つとすれば、そこへ突入したアポロ宇宙船における地震は、たんなる岩石や土から成る通常の世界で予期されるものとは異なる振動や地震となる筈である。胴体が本当に金属であるのなら、撃突による振動は極端に長引き、巨大な鐘のように響かせることだろう。そしてこの振動は遠距離にまで伝わって、おそらく月全体に及ぶだろう。
奇怪な月の"地震" アポロ宇宙飛行士の手で月面に置かれた高感度月震計は、一体いかなる種類の信号を地球へ送信したのか? アポロ12号の月面離陸装置が月へ撃突したとき、月面に置かれた月震計はNASAの科学者団をびっくり仰天させたほどのショック波を記録した。この人工月震は実に55分間も続いたのである!加うるに月震計で記録された信号は科学者の首をひねらせた。その月震はそれまでに分析したいかなるものよりも異なっていた。この信号はあるピークに増大した小さな波動で始まり、次いでそれが信じられぬほど長時間続いたのである。NASAの一科学者は言っている。
「その記録は地球上でみられるいかなる地震波とも全く異なっていた」
ほぼ1時間も続いたこの月震波は、7分後にピークに達する信号でもって始まり、次にゆっくりと振幅が縮小し、55分後にやっと消滅した。科学者団の認めるところでは、この現象は月の内部に"何か"があって、それが振動の異常に効果的な導体となっており、持続して次第に消えてゆくまでに要した驚くべき長時間は、前代未聞で全くの謎であるという。月は巨大な中空の球体のごとく反応したのだ!
アポロ激突の反応の謎
|
▲実験装置を設置しているアラン・ビーン。青い光はバックパックからの水蒸気が氷結したものだというが・・・。アポロ12号。 |
しかしアポロ12号の体験だけがユニークなのではない。アポロ13号の不運なサターンロケットのブースター第3段を月軌道に乗せたとき、それはTNT火薬11トン分の爆発に等しい衝撃を月面に与えた。そしてアポロ12号の宇宙飛行士が月震計を設置した場所から87マイルの位置に衝突したのである。キノコ型のチリの雲が月の上空高く舞い上がった。しかしこれはまさに比較にならぬ大反応を生じさせたのである。月全体が3時間20分以上も振動したのだ!
またも科学者団はこの不思議な長時間の信号に唖然としたのである。だが例のソ連人科学者による月の空洞説と内部に金属のシールドを持つという説が正しいとすれば、この振動は当然期待どおりの結果である!
アポロ14号のブースターS−4Bが月面に撃突したときも、結果は同様であった。これもTNT火薬11トン分の爆発に匹敵する力で撃突した。NASAの刊行物"アポロ14号"には「月は鐘のように鳴り響いた」、と述ベてある。3時間も振動して、この振動は22ないし35マイルの深さに達したという。この長時間の振動は、何がこの現象を引き起こそうとも月の内部にはきわめて良好に音響を伝える極端に固い物の層が存在することを示していると、科学者団は結論をくだした。これが例の二人が言うところの内部シールドなのか。金属の球体が音をよく伝えることはよく知られている。
もちろんNASAの科学者は極端に固い岩石だと考えた。しかし、わが地球も岩石のマントルを持つが、そんなに振動はしない。明らかに地球の内部は熱くて柔らかいが、月の内部は冷たいと考えられている。そのため月震波は消えないか、または地殻の構造のある層と別な層の間の密度の相違によって吸収されないのであろうが、それにもかかわらず月の振動の特徴はきわめて不思議である。
月震波の異常なスピード ところが科学界は月の内部に関してある事実をすでに知っていたということは、更に興味をそそられる問題である。それは音響をかくもよく伝える内部の固い層を通じて振動が伝播するときの謎のスピードである。傑出した宇宙科学の専門家ワーナー・フォン・ブラウンは言っている。
「そのスピードは約15マイルの深さに達するに従って次第に増加するようだ ー そして突然、増加する。この突然の増加は、層がより高密度の物質に変化するからだとしか言いようがない。40マイルの深度になると速度は秒速約6マイルと測定される。月面下わずか40マイルでの予測圧力下の岩石が、秒速6マイルもの高速で振動波を伝えるとは考えられない」
金属ならば音響の振動をはるかに速く伝えるという事実は重要である。いうまでもなく、金属性岩石も同様である。宇宙船"月"号の表層地帯に多量に存在する鉄、クロム、ベリリウム、モリブデン、チタン等の各種金属を伝わる音響のスピードを調査すると、ある驚くべき事実が判明する。鉄と鋼を流れる音速は秒速約1万8千フィートで ニッケルは1万9千、チタンが2万、モリブデンは2万1千、ベリリウムが4万2千フィートである。
地球の普通の金属を伝わるこれらの音速をざっとみると、これは月の謎の内層を伝わる振動速度とほぼ同じであることがわかる。つまり秒速約6マイルないし3万フィートである。これは堅固なために音響をよく伝えると思われる内層を流れる音響の速度と大体に同じなのである。そうなるとこれは内層が実際に何かの金属であるというのか、それとも異星人が作った合金なのだろうか?
なにゆえに"鐘"は鳴る どうみてもここには驚くべき性質を帯びた証拠があるように思われる。研究家のなかには、これこそ確定的なデータだと主張する人もあるだろう −月の内層は二人のソ連の科学者が言うような金属質であると!
NASAの科学者は、月の成分に関してわかった不思議な特徴に適合すると思われる月の模型を多数作っている。科学専門誌サイエンス・ニューズは、このような模型は、空洞のチタンの球体みたいな奇怪な月をあらわすのに役立ったかもしれないと述べている。その模型によれば、月は空洞になった金属の球体の内部機構を持っていることになる。アポロ月探険局々長リー・シュラー大尉は、そんなことはまずあり得ないことだと言うが、すでにわかっているように、この模型はNASAの科学者たちが想像し得る以上に正確であるかもしれないのである。
たしかに、わが月は巨大な鐘のごとくに"鳴り響く"のだ!
ところで、月の内部は"自然の"世界ではないと思われることを示す別な手がかりが数例ある。月が人工的な建造物であるという事実を示す糸口だ。
人間が月へ行くまでは、大抵の科学者はそこが死の世界だと確信していたが、アポロ宇宙飛行士の手で月面に設置された高感度月震計により(これは地球で用いられる地震計よりも百倍も高感度である)人工地震の百万分の一も微小な月震を測定できる装置を置いたことになる。地震測定実験を扱う科学チームとしては第一級の、コロンビア大学ラモント・ダーティー地質観測所のゲイリー・レーサム博士は、サヤエンドウほどの大きさの限石による衝撃を探知できたという。レーサム博士は全く正しかったのである。その超高感度月震計は、月面上を歩く宇宙飛行士の足音までも記録しているのだ。
時計のように正確な現象 しかし彼らは別な現象も記録している。月は地球に比べてかなり静かな世界に見えるけれども、群れをなして発生する月震やその他の活動が、その内部で起こっていることが発見されている。月震で月表面下500ないし600マイル下部に集中して発生したのが探知されたことがある。地球の地震のいかなるものよりもはるかに深い位置である。奇妙なことに大抵の科学者が死の世界を考えた天体で発生したのだ!
加うるに、もっと奇妙な事が月の内部で発生した。つまり時計のように正確な月震現象が起こるのである。すなわち、月が地球に最接近したり最遠距離に行ったりしたときに起こるらしいのだ。それが発生する正確さには全く驚くべきものがある。米航空宇宙局のあるトップクラス科学者は言う。
「この観測によって時計の時刻を合わせられるよ」
この月震が本来"自然のものではない"というシルシがある。この偶然の現象にもかかわらず、地殻または内部の岩石の移動は時計のように規則正しく発生しないのである。月震は宇宙船という人工の構造物の内部でこそ発生するのだ!
謎の月の"悪寒"
|
▲アポロ8号が撮影した温暖地帯と思われる月面。 |
さて、高感度の月震計でキャッチされた多数の奇妙な振動がある。科学者はこの月震群を"ミニ震"と呼んでいる。しかしこの内部活動は、すでに報告されているもう少し大きな"微震"とは別物である。レーサム博士は言っている。
「ミニ震の発生中に、2時間に1回の割で別な現象が起こり、数日間続く。ミニ震の原因は今のところ不明だ」
別な科学者は皮肉な言葉を出した。「月は悪寒をもよおしているんだ」
計測装置は、1分間から9分間に及ぶ高周波の振動を記録している。これは月の外層の表面地帯における地すべりかもしれないという推測はあるが、それにしても科学者たちは頭を悩ましているのである。この振動は次々と続いているので、地すべり説とは考えられない。
数千回にも及ぶこの微震は自然発生だと信じられているが、第一級の地震学者であるレーサムは、ある著しいパタンに気づいた。この振動のはとんどすべては、毎月、月が地球に最接近したときに発生するのだ。当然、彼はこの事実から次のように推論した。すなわち、地球の引力で生じる月面上の引っ張り現象は、月の外殻の移動をひき起こすということである。この"ミニ震"は、月の外殻が地球のもろい外殻よりもはるかに固くて安定していることを示した。
一体何がこの謎の振動を起こすのだろうか? 割れた外層の岩石層がバランスを失って宇宙船"月"号の固い金属シールドの外層でみずから調整しようとするときに起こるのだろうか。月のすぐ内側には音響をよく伝える極端に固い物質があることが判明している。また、それは少なくとも部分的には金属からできているという否定しがたい証拠があることもわかっている。 地球の引力が月の外殻を移動させるようにそれは内部の固い金属のシールドに対してもそうさせるのだろうか。
NASAが月から受信した月震信号があるが、それは謎を超えたものであった!各種のアポロ宇宙飛行士によって設置された数カ所の月震計により月震信号が受信されているが、それらは気味わるいはど一致している。ニューヨーク・タイムズ紙の一記事には次のように述べてある。
「これらの現象(月震)について最近発見された著しい特徴は、どれも月を流れる複合体の、しかも一致した信号の連続であるという点である。交互に上下で発生する多数のこの現象を探知しようとして1個の月震計で記録される振動状態を調べてみれば、それらは、実際上同じなのである!この現象が常に同じであるという事実は月学者によれば異常なことだという」
月こそ異星宇宙船!? そして我々は更に「謎だ!」とつけ加えてよいだろう! どうしてこれが自然現象なのかを理解することは困難であるからだ。一体どうして岩石や土の偶然の移動が、同じ月震信号の一致をひき起こすのか?一方、人工的構造物ならば同じ月震現象の一致を生ぜしめるだろう。これが月のミステリーに対する解答になるだろうか。ソ連の科学者の言う、月は人工的に建造された内部機構を持つ宇宙船だという説を認めるならば、これは科学者が謎の天体の不可解な内部から期待してよいものである。
全体的に私が信じるのは、私が整理した証拠類は、地球を回るこの巨大な衛星は宇宙のこの位置における最大の未確認飛行物体であることを示している、という点である。それは地球人類のみが宇宙で唯一の人類ではなく、すぐ近くにある衛星の世界もまだその正体が正しく確認されていないことを示す最大の異星宇宙船なのだ。異星で創造され、知的に作られた天体!これこそが惑星へ飛来する多数の異星宇宙船に対する解決のカギになるかもしれない。そして人間そのものにまつわる謎に対するカギにもなるだろう!
(完) |