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月世界はUFOの中継基地か? 第1話 ドン・ウィルソン

UFOと宇宙 No.20  1976年より

アポロ計画で判明した驚異的実態  月は異星人が建造した空洞の天体か?

地球をとり巻く空間は不思議な物体に満ちている。この世界のあらゆる国の上空にUFOが目撃されている。それが存在するか否かについて過去30年以上にわたり激烈な議論が展開し、科学者とアマチュア研究家間の白熱した論争が今日まで続いている。


1948年に米空軍がUFOの調査を始めたとき、当時のオハイオ州マクミラン天文台の台長であったアレン・ハイネック博士は疑っていた。

「とんでもない。そんなものはみなデタラメだ!」と博士はUFOの調査を援助してくれと頼みに来た将校たちに語ったことを思い出す。しかし今や、不信論者のハイネックは信者のハイネックになった。彼は未確認飛行体なるものについて考えを変えたのである。

「私はあらゆるUFO報告を合理的な方法で説明してみよといわれればやってみせる。過去多年にわたる私の調査により、経験をもとにした便利なやり方を発見した。UFO報告額の約80パーセントは説明のつくものである。少数の例はいたずらだが、大抵の場合は無知にもとづいている。米国の大衆は空中に見られる物について全く教育を受けていない。人々は金星を見てはUFOだと言ったりする。

しかし5件のうち1件ぐらいは確かなスジから出たもので、合理的な説明にあてはまらないものである」とハイネックは言う。

UFOの中継基地は月?

▲アレン・ハイネック博士 ▲カール・サガン博士

現在、我々につきまとう疑問は、UFOはどこから来るのか? という問題である。大抵の研究者はUFOは大気圏外から来る訪問者であると信じている。

「それは最も容易な解釈だ。我々の科学技術の発達のレベルに相応した考え方だ。だがバカげた報告が多すぎる。処置できないはどに沢山あるのだ」とハイネックは指摘する。

問題は、宇宙空間はあまりに広大なので、遠い惑星から多数の人間が地球へ来るということは科学者に考えられないという点にある。ところが皮肉にも数千年前に大気圏外から来た宇宙船(複数)が地球に着陸したと信じているコーネル大学の天文学者カール・サガン博士は(地球の長い歴史において宇宙船は1万回以上も地球へ来たかもしれないとサガンは述べている)、それにもかかわらず、現代の地球の空に大気圏外から宇宙船が来ているということを否定しているのである。CBSテレビ番組でサガンは次のように述べた。

「UFOの信者が私たちに信じさせようとしているように、多数のUFO報告が宇宙船の来訪のためであるとすれば、我々はきわめて奇妙な状態にあることになる。このことは毎日宇宙空間を超えて数機の宇宙船が来つつあることを意味する。これはちょうど漁網を発明したというので世界中の人類学者がインド洋上のアンダマン諸島の1つに集まるようなものだ」

どうやら数千機の宇宙船が他の太陽系や銀河系から地球へ来るということは信じがたいようだ。UFOは地球の海底下の基地から来るのかもしれないとか、少数の人が考えているように地球内部の人間の住む空洞から来るのかもしれないという説などもある。だがそれよりもかつてUFOの基地として最も想像しやすい場所がある。それは"月"なのだ。 高名なUFO研究家の幾人かはずっと以前に"月基地"説をとなえた。英国のUFOライター、ハロルド・ウィルキンズはその著書の中で、UFOは月から来ると書いている。

「月はいわゆる空飛ぶ円盤すなわち宇宙船の中継基地なのかもしれない。謎の宇宙からの訪問者によって地球を観察するための進歩した基地として使用されているという説を私はすすめてきた」

▲ドナルド・キーホー

別なUFO研究家ドナルド・キーホーは最近出した著書『宇宙から来る異星人』により再度一流のUFO研究家の地位を獲得したが、彼もかつては大気圏外の宇宙旅行者が月から来ると強く信じていた。彼の書『空飛ぶ円盤の陰謀』で次のように主張している。

「あらゆる証拠により、月基地の存在ばかりか、知的な人類による活動がすでに始まっていることが考えられる。

そうだとすれば、その人類とは何者なのか?他の惑星から釆たのか、それとも月世界を起源とするのか?」 オープンマインドを持つ研究者には疑惑はない。未確認飛行体は存在するのである! 宇宙飛行士のエドワード・ミッチェルは言う。

「残るただ1つの疑問は、UFOはどこから来るのかということだ」

しかも驚いたことに、近年の米ソによる宇宙開発の結果、いずれも月世界を指摘しているのである!

アポロ宇宙飛行士はUFOを目撃した!

米国のトップクラス科学者ガーリー・ヘンダーソンは語っている。 「米国の宇宙飛行士のすべてがUFOを見ているけれども、その目撃体験を他言するなと命じられている」そして次のようにも言う。

「NASA(米航空宇宙局)は至近距離で撮影されたUFOの本物の写真類や映画フィルムを保管している」

しかし最も驚くべき事ほ、アポロ宇宙飛行士のほとんどすべてが月面で不思議なUFOを見たり、奇妙な電波信号や音響を聞いたりしているという事実である。以下の記事はアポロ宇宙飛行士たちがUFOに遭遇した事件の少数例である。

▲アームストロング船長

アポロ8号 円盤型物体を目撃。船内の無線装置に耐えられないほどの高音を受信。飛行中にUFOが数度アポロ8号に大接近し、眼がつぶれるほどの強力な光を放った。

アポロ11号 月面に最初に着陸したこの有人宇宙船は、月と宇宙船間の空間で巨大な1機のUFOに遭遇。消防ポンプに似た不気味な音、大きなサイレンのような音響、丸鋸の回転音、列車の気笛のような音などが、地上との通信の合間に入った。地上の管制センタ―は不思議がって問い返した。「ほかにだれかがいるのじゃないだろうね?」。また、月面上にUFO(複数)が着陸しているのを宇宙飛行士が見たという報告もある。

アポロ12号 宇宙飛行中、約13万2千マイル彼方に3個のUFOを目撃したが、またも警笛、消防ポンプの音のような音響が入った。12号が帰還の途中、着水直前のビルマ上空で別なUFOが目撃された。

アポロ15号 宇宙飛行士デービッド・スコットとジェームズ・アークィンが空中を横切る謎の物体を目撃。

●アポロ16号 月を回る軌道上にあった宇宙飛行士トーマス・マティングリーは、月の上空できらめいた1個の光体に驚いた。すると光体は月の地平線の彼方に消えて行った。NASAの科学者ファルーク・エル・バス博士は「こうした光体はUFOの分野に入れられるべきもので、あまりに急速に動くので、明らかに我々が知っている地上のいかなる宇宙船でもない。ソ連や米国の宇宙船は月面上やその付近でそんなに速くは動けない」と主張している。

アポロ16号 ロナルド・エバンズとハリソン・シュミットが2個のUFOを目撃。

以上のように多数のUFOが月の周辺で目撃されたにもかかわらず、米ソいずれも月面に宇宙基地があるとは公表していない。しかし、このような基地を探す秘密行動がとられた証拠はある。ファルーク・エル・バス博士の主張によると、UFOを駐機させるかもしれないような地下の大空洞の探索を含む多くの秘密調査が確実に行われているという。

▲月の岩石

NASAの宇宙飛行士たちは月へ行って何を発見したのか? 彼らが最初に体験した驚異の1つは月の岩石と土のサンプルが初めて検査されたときに発生した。このサンプルは予想以上に古いものだったのである。当時、地球で発見された最古の岩石が30億年昔のものであると算定されたが、これはアフリカのある割れ目から掘り出されたのである。ところが最近、グリーンランドで2、3個の岩石が発見され、これが現在世界最古とみなされている。これは35億年経過したものなのである!

しかしニール・アームストロングが月の"静かの海"に着陸したあと、拾い上げた最初の岩石標本は、36億年以上も古いことが判明したのである! しかもこれはまだ序の口にすぎなかった。月世界で採取された他の岩石は43億年物だった。ロック13と呼ばれる別な石は45億年と判断されたし、アポロ11号が採取した土は46億年物であることがわかったが、これは地球や太陽系自体の年齢と同じであると科学者は考えている。同様にソ連の無人宇宙船が"豊かの海"で岩有を調査した結果、46億年物であることを発見したのである。

しかし有名な天文学専門誌スカイ・アンド・テレスコープによると、NASAの月関係科学者の大半が出席した1974年度「月面会議」で、ある月の岩石ほ53億年ものであることが公表された。現在、年代測定法で最も正確な方法とされるポタシウム・アルゴン法を応用した別な報告によると、月の岩石のなかにほ70億年という途方もない長年月が測定されたものがあるという。

更に別な報告を信じるとなると、アポロ12号が採取した2個の岩石は200億年に達したというのである!信じられないと読者は言うだろうか。そうだろう、これは地球や太陽系の年齢の4倍にもなるからだ。我々の知る限りでは、これは科学上最古の年代測定である。

月は太陽系外から来たか?

▲ハロルド・ユーリー博士。

こうした岩石サンプルの年齢が正確であるとすれば、明らかに月は太陽系外から来たものだということになる。そうなると月は"捕らえられた"物だということにもなる。これほ大半の科学者にとって認めがたい説だ。なぜならアイザック・アシモフは次のように指摘しているからだ。

「捕らえるという機会が生じることと、月が地球の周囲のほぼ円軌道を動き始めることは、あまりにあり得ないことで、かかる偶発性はまず考えられないことである」

奇跡中の奇跡として、月は現在比較的円軌道を措いている。まるで惑星地球の周囲の軌道を"操縦"されているかのようだ。

月の岩石の古さで最もよろこんだ科学者はハロルド・ユーリー博士で、これにより捕捉"説の自信を深めて勇気百倍したという。元来ユーリーは月の岩石を太陽系の起源にさかのぼるかまたはもっと古いものかもしれないと推測していた。それでこのことは月が宇宙の他の場所で形成されたという彼の説に役立ったのである。

科学技術雑誌ケミストリーに載った論文の中で、ユーリー博士は次のように述べている。

「月の岩石は核分裂物質からプルトニウム224に至るキセノン・アイントープを含んでいることが示きれているが、これは地球では見られないことで、これにより月は地球よりもはるかに古いことがわかる。このような証拠があるにもかかわらず、大抵の科学者は"捕捉"説を考えられないことだとしている。

月の岩石に関する別なミステリーは岩石が発見された地域の土が等しく非常に古いことである。科学者たちが驚いたのほ、年齢の異なる石が並んでいたことである。だが年齢の異なる石よりもっと戸惑わせるのは、石があった地域の土や砂の矛盾した年齢である! 岩石13について考えてみよう。これはアポロ12号が地球へ持ち帰ったもので、45億年物と推定された。これについて当時のNASA宇宙船センターの月・地球科学部々長ポール・ガスト博士は次のように述べた。

「この石は1種のマーブルケーキだ。異なる各種の年齢に加えて各種の材料の組み合わせでできている」

ところが石の年齢よりも更に迷わせるのは、石が存在した位置の土の矛盾する年齢である。たとえば、米国の最初の宇宙船が着陸した"静かの海"で採取した岩石のほとんどは約36億年物だが、その部分の土は46億年昔の物と判明した。これは科学者にとって全くの謎となったのである。

これと同じ矛盾した状態をアポロ12号が発見した。その土の標本(44億年)は、あたりに散乱していた岩石よりも10億年ほど古かったのである。 当惑した科学者にとって、これはあり得ないことと思われた。科学者はこの土を岩石の細粉化されたものと考えたからである。これは月の表面が隕石などの直撃によって永劫の時代を通じて砕かれた砂、石などから成る粗石の堆石であるからだ。

こうした年齢の異なる岩石や小石を発見することは全く不思議であるが、岩石よりも10億年も古い土を発見したことは科学者を悩ませたのである。

ところがもっと不思議な発見が行われた。この月の土は岩石からできたものではなく、他の場所から持って来たという事実を化学分析によって科学者が発見したのである! どこから持って来たのか? これについて地球の迷える専門家は推測するより他に方法を持たない。実際、彼らには全然わからないのだ。

とにかく月の岩石と土は多くの矛盾と混乱をもたらしたので、カリフォルニア工科大学のある研究チームは、月の岩石と土に関する研究報告に次のようなサインをして挫折感を表明した。

「ルーナティック・アサイラム(精神病院)」(訳注=ルーナティックには"月の影響を受けた"という意味も含まれている)。

月はどこから来た

月とは一体何なのか? それはどこから来たのか? 6回にわたるアポロ有人探険行と数度に及ぶソ連の探索の結果、我々はただ推測するより他に仕方がない。その正体と、どのようにして地球のそばへやって来たかという謎は、今なお科学者を迷わせ続けている。たしかにこれまでの科学的探求の結果、ますます疑問とミステリーが生じるだけだ。一科学者はぼやいた。

「我々が疑問を起こす前に月はすでにその解答を与えつつある」
▲アイザック・アシモフ

この異境の地へ6回も旅した結果、ぼう大な情報と資料がもたらされた。837ポンドの岩石と土が宇宙飛行士の手で持ち帰られ、3万枚以上の写真と莫大な貴重なデータを含む磁気テープを大量に土産にした。そして世界中の科学者がこれらの研究に没頭してきた。しかし科学者は最も基本的かつ単純な疑問「月とは何なのか?」に対する解答をまだ出していない。

人間が月へ行く前でさえアイザック・アシモフのような科学者は、月は自然界の気まぐれでできた天体だと言っていた。なぜなら、あらゆる宇宙の法則からみて、月が現在やっているように地球周囲の軌道を回るはずがないからである。太陽系のほとんどすべての衛星は所属する惑星の赤道にそって回っている。しかしわが月だけは違う。その軌道は奇妙にも太陽の周囲を回る地球の軌道に似ているのである。科学者たちは首をひねりながらつぶやく。

「なぜ月は赤道にそった軌道をはずれて動くのか?」

彼らにもわからないのだ。もっと興味深い基本的な疑問は「月はどこから来たのか?」そして「その起源は何なのか?」である。

太陽系外から来て捕らえられた!

天文学者は3つの基本的な学説を立てている。  

(1)月は地球の兄弟惑星として地球と同時にできた(これは最も普通に考えられている説である)。

(2)地球が誕生した後の段階で、一種の天体アミーバとして地球が分裂し、息子として月を生み出した。

(3)月は他の場所からやって来た。あるいはこの太陽系以外からかもしれない。そして地球に捕らえられて事実上地球の配偶者になった。

以上の3つの説は、人間が月へ旅して最初の情報を得る以前ですら、非難されていた。月はかつて地球の一部分で、後に不可解な分裂運動によって分離したのだという説は、月探険まで右の3つの説のなかで最も非難されたものである。ハーバード大学の天文学者H・W・ピカリングはこの説を焼き直していた。これはもとジョージ・ダーウィンから出たもので、ジョージは進化論の父といわれたチャールズ・ダーウィンの息子である。ピカリングの考えでは、月は太平洋の部分から分離したもので、その部分が月と同じほどの大きさになるというのである。そして太平洋を形成する縁には火山の環状帯や大断層が存在することがわかった。

しかし月へ行く前でさえ、大半の科学者はこの説に反対していた。天体のメカニックの種々の難点からみて、この説はだめだと考えたのである。

月は地球と同じ時期に形成され、創造の段階で同じガスやダストから分離して、長い時代を通じて凝縮して固体になり、地球の自然の衛星になったのだという説は、第(1)説よりも科学的な支持を受けた。

それにもかかわらず、地球と月には密度において大差があるために、科学者のなかにはこの説の正当性を疑う者があった。月は地球の約半分の密度しかない。しかも宇宙飛行士が月へ着陸してから判明したのは、月の形成物質が地球の兄弟天体としてはあまりに相異することである(訳注=月の岩石の主成分は斜長岩であり、これは地球上でみられない意外な事実である。斜長岩の主成分は斜長石=アルミニウム、ケイ素、カルシウム、ナトリウムの酸化物=でチタン酸を含まないために白っぽい)。

以上の他に残る解釈は、月は太陽系内の他の場所または太陽系以外の宇宙空間のどこかから来て、地球の重力場に捕らえられたという説である。

月は何者かに導かれて来た!?

月は太陽系のこの位置で"異端者"であるように見える。密度と成分が異なる惑星なのだ。近頃多くの科学者が考えるようになったのだが、月は巨大なアステロイド(小惑星)で、地球に接近してその重力場に捕捉されたのかもしれないと考えられる。だがこの説にも重大な欠点がある。NASAのトップ地質学者の1人、ロビン・プレット博士は言う。

「捕捉説は天体メカニックの難点を打ち出すし、統計的にみて全く不可能と思われる」

重力場によるキャッチはまず不可能だということは別として、ただ1個の月だけが巻き込まれたというのは更に考えがたいことである。しかも月がどのようにして宇宙空間で捕らえられたのか、どのようにして直角で地球に接近し、重力場圏内に収まるような適正なスピードを保ち、地球を回る永久動道に乗ったのか、などは理解が困難やある。またこの説を絶望的にする要素が他にもある。月自体の軌道はこのような荒っぽいキャッチを不可能とするのである。というのはその軌道はほぼ円形に近く、地球に対して常に同じ面を向けているからである。重力場で捕らえられたものなら細長い楕円形にならねばならない。たとえ月が偶然に地球の重力場へ飛び込んで、あらゆる条件がそろってうまく捕らえられたにしても、どのようにして現在の軌道になったかを考えるのはむつかしい。キャッチされたものであればもっと異なる軌道を描くはずなのだ。現在の状態を解釈するには、月が"導かれて"地球を回る軌道に乗ったとしか考えられない。

月は空洞の人工建造物?

驚いたことにソ連科学アカデミーのトップクラス科学者2人が、右の説を支持しているのである! 途方もないと読者は思うだろうが、もっと途方もないのは、この2人の科学者は、月は自然の天体ではないと主張している事実である!

ソ連のある政府関係刊行物によると月はそれ自体が宇宙船なのかもしれないという! その2人の科学者ミカイル・バシンとアレクサンダー・シチュルバコフはソ連の雑誌スプートニクに論文を書いて、一見突拍子もない説を打ち出した。

「月が太古の宇宙船であることは十分に考えられる。その内部にはエンジン用の燃料を満たした空洞があった。言い替えれば、この巨大な宇宙船は数十億年も続く宇宙の旅で、知的生物のための一種のノアの箱舟として役立つ必用物資のすべてを運んだのである」

オーソドックスの科学者にとっては全く考えられないこの説の大意は次のとおりである。

月は地球の天然の衛星ではなく、科学技術の高度に進歩した文明人によって作られた空洞の惑星で、これを人工的な宇宙船に仕立て上げて、遠い昔、地球を回る軌道へ導入した!

月は宇宙を旅するノアの箱舟

言い替えれば、権威ある学会の権威ある2人の科学者が確信しているのは月は実際には別な場所で作られた球体で、自参のアステロイドをくり抜いた上、遠い昔、地球を回る軌道に乗せたということである。この巨大な宇宙船は知的生物のいわばノアの箱舟で、数千年、数百万年間、宇宙を航行するために作られたのだという。

「たぶん月は生命の維持が不可能になった元のホーム惑星に住んでいた生物の、文明のホームだったのかもしれない」

彼ら自身の言葉でいえば、みたところ"常識"という伝統的な道を捨ててしまったこのような途方もない説を2人の科学者がとなえた説は、いかなる証拠に基づくのか?一見デタラメかつ無責任な空想論に2人をかり立てたものは何か?

月の内部は空洞か

▲ツォルコフスキー・クレーター

まず第一に、この2人のソ連人科学者によれば月の引力は地球の引力の5分の3しかないために空洞らしいというのである。空洞であるとすれば自然の天体ではない。自然に内部が空洞になるような天体は宇宙に存在しないと天文学者は言っているからだ。こうして2人の説では、 月は内部をくり抜かれた、薄い壁から成る天体だということになった。

「それで、理解できることだが、ただのカラッポではない。内壁面にはあらゆる種類の物資や装置があると思われる。しかし月の質量の最大の部分は内部の中心に集中している。

この天体の核と穀の間の距離は(月の直径は2162マイルある)大体に30マイル程度であろう。この空間部は呼吸や他の目的に必要なガス類で満ちているはずだ。

こうした内部構造により、月は1立方センチメートルあたり3・3グラムの平均重力を持つのであって、5・5グラムという地球のそれとはかなり相違するのである」と述べている。 他にどんな証拠を提示しているか。 2人が指摘するところによると、かつて科学者が説明し得なかった月のある種の特徴は、彼らの説により理解できるという。

「これらの謎は我々の説で解決する」

その謎とは何か。まず第1に月のクレーター群がある。地球の基準からみれはおそろしく巨大であるにもかかわらず、不思議に底が浅いのだ。そのほとんどは深さが2ないし3マイルにすぎない。ところがソ連で行われた科学実験によれば、本来なら数倍も深いはずだという。ソ連の物理学者キリル・スタニューコピッチは1937年以来、ぼう大な論文を書いてきたが、その中で、クレーター群は数百万年にわたる月面の衝突の結果であると説明している。巨大な"ミサイル"が月面に落下したとすれば、その直径の4倍ないし5倍の深度に達しなけれはならぬが、しかるにそれはど深いクレーターはない。なぜか? バシンとシチェルバコフ両名によれば、クレ―ター群が浅い理由は、月面をえぐり取った隕石は、地上に激突した直後に装甲鉄板でおおわれた内部の穀にさえぎられたのである! そしてこのことは次の理由にもなる。多数の大クレーターの床は凸状であって凹状ではないのだ。

不思議な月の"海" 

月に関して説明のつかないもう1つの不思議な現象は、晴れた夜空に輝く月面に見える。月の黒い"海"だ。この部分は例の2人の科学者によると、未知の生物が噴出させた、かつて溶解した岩石や金属の海で、これにより、内部のあちこちをカラッポにするとともに、外部の弱い地帯を補強したのだという。

この月の海は他の部分にくらべて重力が大であることが発見された。内部の岩石を溶かして噴出させるというこの大仕事を行うのに必要な巨大な機械は、まだ"海"の地下に蔵されていてこの重量が重力を大ならしめているのだと2人は信じている。

更に2人は指摘する。米国の宇宙飛行士が月から持ち帰った岩石は、不思議に多量の金属を含んでいる。これはなぜか? 2人が確信するところではこの金属は"海"を作るために用いられたし、また月という大宇宙船の船体にも用いられた。隕石の直撃に充分耐えられるように補強するとともに、長い宇宙の旅にも耐え抜くためである。この金属の多くは、月面に衝突する隕石を爆破して、まばらに敷きつめられた保護コーティングにより細片にされ溶かされたのであるという。

この珍奇な論文を読んだとき、興味をそそられたけれども私は全く信ずる気にはなれなかった。要するに証明は限定されており、どうみても暖味なのである。

(第二話へ続く)

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