鉄血宰相ビスマルクは新帝ヴィルヘルム二世と事毎に対立し、ついに悲憤な人間不信論者におちいった。19世紀ドイツ第二帝国建設の偉大な功労者も、澎湃(ほうはい)たる人間平等思想の勃興に伴う新時代の趨勢(すうせい)が読み取れず、対社会主義勢力政策に失敗、封建の旗印を降ろして敗退した。これによりドイツの外交はヨーロッパの現状維持政策から世界政策へ移行したのである。
時代を読み取るとは人間の想念内容を読み取ることにほかならない。これが不可能であれば不信感が起こり、劣敗の結果を招きかねない。自由経済圏の事業は何にせよ一種のギャンブルだが、管理能力や専門知識だけで経営に成功するとは限らない。大衆のニーズ(求めている物) を的確に見抜く必要がある。つまり大衆の想念をキャッチするわけだが、これには万物から発する波動を感知する能力を要するのである。
世の中にはときたま勘の鋭さ抜群の経営者がいて、市場の動きに敏速に対応しながら新製品を提供して大儲けするが、これは実務能力や技術の次元を超えたテレパシツクな感覚が最有力な武器であることを実証するものだろう。 ある大手家電メーカーの 「ポケットに入れて歩きながら音楽が聴ける機械」を出して大当たりをとった例では、再生専用で録音不可能な機械など売れるはずはないという社内の猛反対を押し切った一幹部の 「必ず売れる」 という強力な直感が功を奏して大成功をもたらしたという。
「歌手のレコードを出す企画は社内の多数決に頼ったらだめで、勘の鋭い一人の専任者にやらせるに限る」と、あるレコード会社の経営者が語ってくれたことがある。10人の鈍感な社員の"休むに似た"考えよりも一人の敏感な人間の脳裏の閃きがものをいうという意味だ。
以上の実例を考えるとテレパシー能力ほど重要なものはない。しかも人間は大なり小なりこの力を無意識に応用しているという。この能力は万人に潜在するので、トレーニング次第で強力に発現するとアダムスキーは説いている。オーラ透視もテレパシツクな感知力の一種である。万物から発する波動をキャッチしているからだ。墜落する運命にある飛行機に引っ張り寄せられずに難を避けるのは本人のマインド(心)が行うのではなく、事前から予知している内奥の実体である。テレパシツク感覚を持つ実体だ。これをアダムスキーは"万物に宿る宇宙の意識"と呼んでいる (『生命の科学』 より)。
テレパシー。万物の波動をキャッチして正確な指針を与える実体!この発見こそは21世紀の最重要な課題となるだろう。すでにニューサイエンスなどにその曙光が見えているし、米ソの科学機関では相当な研究が行われていると聞く。
この能力開発は容易ではないが、まるきり不可能でもない。否、練習次第ではだれでも開発可能であり、GAP会員中で実績を上げている人もある。 たとえば9月上旬に届いたS氏(山梨県)の報告によると、今年5月4日の支部大会で伝えられたオーラ透視練習法を毎日続けた結果、7月頃から突然他人のオーラが見え始め、8月には森や山のオーラがカラーで見えたという。そしてテレパシー能力も少し出てきた。こうして宇宙的能力の世界に足を踏み入れた氏は「練習することによって確実に能力が出てくる」と述べている。
最大の秘訣は、いかに多忙であろうと毎日15分間、絶対に休みなしに開発練習を続けることにある。中断したらだめなのだ。しかも「必ず開発できる!」と信じ込み、開発できたイメージを描きながら練習を続行する。
この毎日練習は外国語の習得にもあてはまる。時折の練習ではだめで、毎日一定量の時間を作って絶対的に続けるのが英会話上達の最後のカギである。しかも一つの英短文を確実に暗記したことを確認するまでは他の短文に目を移さないようにする。一見牛歩に似ているが暗記文の量がふえるにつれて加速度がつき、ついには急上昇が可能になる。超能力開発も一歩一歩マスターしながら次のステップに移るのがよい。 性急にやると挫折するだろう。
美しい人生。天国のごとき平和な社会。それは愛と調和に満ちた社会の実現を意味するが、その根底には万物に対する理解力が要素をなしている。その理解力とはマインド (心) だけに頼るのではなく、自己の内部の"宇宙の意識"から来る印象の感知が主体となる。こうして他人の想念内容ばかりでなく、動植物の意志を知り、無機物にこめられた人間の残留想念波動の感知が可能になれば人間の迷いは消滅するだろう。迷いとは外界が読み取れぬ状態である。偉大な進化をとげた別な惑星群の人々はこれを達成しているという。地球人にもやれるはずだ。
(久)
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