超能力やUFO問題、その他の超常現象の存在をいまだに否定してかかる人達がいる。唯物論一辺倒で教育を受けた人達の思想は、測定器で検出できる物質以外の物の存在を認めてはならないということらしい。良い意味で言えば堅実な考え方だが、これでは百年河清を待つ体の牛歩の進歩しか望み得ないだろう。あるいは進歩的な理論を唱えてひどい目にあうのを恐れているのかもしれない。福来博士その他の偉大な先人の無残な結末を知っているからだ。叩かれると怖いのだ。
しかし誰が何を言おうと、戦後あれほどに世間の耳目を揺るがせたUFO問題は一向に衰微することはなく、またテレビ等で中国人気功師らが行なう物凄い実演等によって大衆は確実に超常現象に関心を持ち、これらの展開に期待を寄せていることは間違いない。
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▲金星のシンボルマーク。内部の目は人体を生かす宇宙の意識(魂、叡知、生命力)をあらわし、周囲の4層の放射状ゾーンは人間のマインド(心)の発達状態をあらわしている。これは昔GA氏の秘書だったアリス・ウェルズ女史より筆者に送られたもの。 |
昨年大騒動を起こした某教団によって結果的に流布した「超能力イコールまやかしもの」 という図式はすでに崩れて、教団の騒ぎが沈静化した現在、またも超常現象やUFO等に対する大衆の関心が高まってきたことは、この種の専門誌の発刊や、研究機関の設立等で首肯(しゅこう)できることである。
新聞によれば科学技術庁放射線医学総合研究所はすでに人体の出す微妙なサインをハイテク機器で測定する研究をすすめているという。これは他人の体に触れずに相手を跳ね飛ばしたりするいわゆる念力と呼ばれるものや、肉眼で見えない物を見透したりする遠隔透視力等、科学の世界では全く顧みられなかった不思議な現象に最新の科学の目をあてようとするものだという。
科学技術庁といえばれっきとした日本政府の一部門である。そのお役所がこんな研究を始めたからには、よほどの根拠があってのことだろう。世界的な大企業であるソニーはすでに専門の研究所を設立して超能力の研究調査を続行している。
「遠当て」という実験がある。これはマンションの二階に合気道の一派である「気の教室」を主催する男性がおり、五階にはその弟子の女性が待機している。互いに連絡はとれない。
ところが二階の先生が片手をかざすと、五階の弟子が後ろへ吹っ飛んで、背中から壁にぶつかった。壁は厚い布で覆われているからケガはしない。48回の実演で、6回は1秒足らずで反応したという。
この「遠当て」実験を千葉市にある科学技術庁放射線医学総合研究所が試みた。そして人体の発する赤外線、磁場、電場、音波、オゾン、放射線などを、脳波、心電図、脈拍、呼吸、皮膚の電気抵抗と同時に測り、それらの変化を調べる方法を開発したという。この研究は総額一億円の予算で5ヶ年計画で実施する。そして「気」やテレパシー現象を解明する予定である。
一方、ソニーではすでに1991年11月にエスパー(ESPER)研究所を設置している。そしていわゆる虫の知らせ、テレパシー等の超感覚的知覚作用の本質を解明する。現在スタッフは5名。さまざまな実験が試みられている。「なぜソニーがこんな事を?」 といぶかる人はもっと目を開く必要がある。将来、電波に代わる最有力な通信手段として人間の想念波動に着目しているのだ。さすがは世界のソニー、考えることが違う。
もちろん人間の思想信条は全くの自由であって憲法で保障されているから、誰が何を信じようと勝手だが、夢を持つ人と持たない人とではこうも違うものかと思わせるのが、こうした超常現象の世界に対する関心の度合いである。科学は重要だ。非科学的な概念だけで世の中は向上しない。しかし科学に固執するのあまり盲目になっては進歩がないだろう。
昨年12月にイギリスでとてつもない事件が発生した。中部のマンチェスタ一に住むピッキー・ウィルモアーという10歳の少女が、ある日突然頭痛がして「鏡文字」しか書けなくなった。鏡文字というのは、文字の左右が逆になった裏文字であって、鏡に写すと正常な文字に見えるのである。この少女は正しい文字さえ読めなくなってしまった。もちろん医学では全く治療法はなく医師は唖然とするだけだ。
ところが、ある日自宅でサッカーの試合を少女がテレビで観戦中、地元チームが負けたために残念がって体を後ろへのけぞらせたところ、テーブルに後頭部を強くぶつけた。驚いたことに翌日から正常な文字が書けるようになり読めるようにもなったという。
この不思議きわまりない現象はタイムズやデイリー・テレグラフなどの有力紙が大々的に取り上げて報じたので、イギリス全土の大評判になった。
世の中には謎の現象があるものだ。
こんな事件までも否定する人がおれば正常な人間ではない。それこそ鏡文字人間である。自分の姿を鏡に写して見たときの左右逆の像を正常な自分だと思うのだろう。だがある種の気功では「部屋の中の壁や天井などは自分を見つめているもう一人の自分なのだ」というフィーリングを起こす訓練をして凄い能力を開発するという。
そこで、「万物を見るときに、それはすべて自分自身なのだ」と説くアダムスキーの哲学こそ人間を真に覚醒させる最高のカギであると思われるのである。
(久) |