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新アダムスキー全集

 ├ 写 真
中央アート出版社
TEL : 03-3561-7017
E-mail :info@chuoart.co.jp
 <巻頭言> カルマ

UFO Contactee No.108 より

現在、人口に膾炙(かいしゃ)しているUFO問題について、宇宙人侵略説が流布しているらしい。地球人を誘拐して身体検査をしたり傷つけたり、大量の牛のハラワタを抉り出したりする"悪逆な宇宙人"というイメージを植えつけられ、恐怖心をいだいている人が少なからずいるという。

こうした猟奇趣味をそそるような記事が不気味な心霊の記事と同様によく売れるとは出版関係者の話だ。 この世界の人々の心には恐怖が根付いているから、怖いもの見たさの心理が働くのだろう。

「自分の恐怖心以外に恐怖すべきものは存在しない」とアダムスキーは言っているが、確かに恐怖心の強い人ほどマイナスのイメージを描きやすいので、そうした情報にひかれるのだろう。いわく「今世紀末に世界に大変動が発生して大方の人類が滅亡する」「今世紀最後の年に(あと10年しかない!) 大核戦争が発生して地球は廃嘘と化す」 etc。こうした本が巷間に氾濫とまでゆかなくても書店に山積している。

一体、悪魔宇宙人は、いるのか、というと、まず、いそうにはない。こうした話の殆どはイタズラ、情報工作、作り事から出たもので、牛のハラワタ抉りも地球人側の仕業である。最新の装置を持つ組織化された集団ならば朝飯前でやれるだろう。

しかしこんな事よりも、いまだにUFOは存在しないと言っている人達の言動が問題である。存在することは認めても全く関心のない人も多い。どだい宇宙的視野を持たず、地球以外の空間へ目を向けようとしない人がまだ圧倒的に多い。この理由は次のとおりだ。

(地球上の)人間は皮膚の色の差こそあれ、大なり小なり外観や体形に大差はなく、服装も特殊な民族衣装は別として大体に洋服が国際化しているから、外見上誰も皆同じ人間に見える。つまり霊長目ヒト科に属する哺乳類である。学名でホモ・サピエンスという。 だから平等主義的な人は「みな同じ人間ではないか」と言ったりする。

ところが同じように見える人間でも本質的に異なる要素を個々に持っている。それはカルマ(宿命)の相違である。一見同じ地球人であり、同じような背景と同じような経歴を持っているように見えても、ある人は偉大な進歩をとげた別な惑星から転生してきており、過去生の記憶を保っている場合がある。他の人達は地球で転生を繰り返してきたけれども過去生の記憶は失っている。こうした場合、前者は宇宙的な方向へ目を向けたがるが、後者は宇宙空間に全く関心を示さず、世俗的な事柄にしか注意を払わない。これが一般人の持つ決定的な、しかも誰も気付かない根本的な相違点であるとアダムスキーは言う。

別な惑星から転生してこなくても地球上の無数の転生の繰り返しを通じて宇宙的な視野を広げてきた人は、今生でもやはりそれなりのカルマを有し、宇宙を意識する。したがってUFOというがごとき地球外文明に関連があると思われる物体に関心を示すか否かは、すべて過去生からのカルマに負うものである。だからこそ、どんなに証拠物件を見せられても信じない人は頑として信じないし、証拠などなくても直感的に 「真実だ」 と信じる人もある。

この直感的な認識力をカントは「ア・プリオリの理性」と言っているが、アダムスキーは 「テレパシックな感知力」 と呼んでいる。このテレパシックな感知力が人間のカルミックな(カルマ的な)要素の内で最も宇宙的な性質を帯びたものと言えるだろう。地球人は知力に頼るだけで、潜在するもう一つの重要な原動機であるテレパシックな直感力を死蔵させている。この存在に気付いてもいない。なぜか。過去の無数の転生を通じてそのエンジンを開発する努力を怠ってきたからだ。 だいいち過去生の記憶もない。記憶がなければ人生は一回限りだと思い、物欲を高めるだけである。そこで来世も記憶を喪失した状態で物欲のみに走る、という悪循環を果てしもなく繰り返す。

アダムスキーによれば、地球の全人類の内、真に宇宙的な成長をとげつつある人は1%しかおらず、あとの99%はゾンビだという。ゾンビとは超自然力によって生き返らされた死体を意味する。つまり魂のないロボットというのと同じだ。言いかえれば99%の人は精神的な自己開発の意欲を全く持たないということになる。

だが地球世界の人間は科学に対する知力を高度に発達させているので、科学力によっていずれは太陽系の先進惑星群の超絶した文明と人類とを発見して瞠目(どうもく)するだろう。たぶん21世紀に発見の曙光が見えてくるかもしれない。 しかしそれでもなお別な惑星群の大文明を信じない人は、いるだろう。宇宙船で連れて行かれて天国のような世界を見せられても、「いや、ここは地球上のどこかだ。自分は騙されているのだ」と言うかもしれない。信じない人というのはそんなものなのだ。これは本人の知性のせいではなく、過去生からのカルマのせいである。

ただし重要な問題がある。カルマの差は個人間に厳然と存在するけれども、これによって他人を絶対に差別してはならない、ということだ。カルマの形成力は個人の自由意志によるけれども、人間を創造したのは宇宙の意識(コズミック・カンシャスネス)にほかならないからである。 

(久)

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