この理由は惑星探査機の調査によって我々の太陽系の惑星群は地球を除いて生命の存在しない死の天体であることが分かった″という科学的″な根拠が一般化したことにあると思われる。だからUFOは別な太陽系の惑星から来る物体だとか四次元世界の霊的な物で、地球の大気圏内に入ってから物質化するだの諸説紛々たる有様だ。
しかしアダムスキーによれば我々の太陽系には全部で12個の惑星があり、しかも地球を含む全惑星群に人類が存在し、高度な文明を築いており、しかもUFOなるものは太陽系内の地球以外の惑星群から来る超高度に発達した金属の宇宙船であって、彼らは地球の救援目的で来るのであるという。
こうなると惑星探査機による科学的″調査結果と真っ向から矛盾することになり、科学を絶対視したがる学者や大衆に反アダムスキー思想を植えつける結果となった。狂人、ペテン師等の汚名はいまだに消えていない。
ホワイトハウスへ無条件で出入り出来る許可証を与えられて、故ケネディ−大統領とひそかに親交を保ち、宇宙問題で進言し、後のアポロ計画や惑星探査機打ち上げ計画まで知っていたアダムスキーが、全くの事実無根な話をでっちあげて、世紀のペテン師″のごとき汚名を残すとは、彼の高度な知性、交友関係、深遠な哲学、学識教養賢からみて考えられないことである。彼が正規の学校教育を受けていないというので無学者呼ばわりした人が少なからずいたけれども、これまで無数の人位接した編者の知る限り、高度な教育を受けた人で、宇宙や世界の裏面、生命の神秘等について何も知らず考えようともしない人が多かったと言えなくもない。大学までの教育制度では既成事実として万人に確認されるようになった事柄しか教えないので、その知識を基準にして考えるならば、未知の分野の探究や発見が奇異に映るのもやむを得ないだろう。悪魔病凝視を信じていた人たちが、細菌説を打ち出したパストゥールを非難したのも、悪魔説を学校や修道院で教えていたからだ。
科学は重要である。科学の発達で地球人は図り知れぬ恩恵を蒙り、難病患者が救われる時代となった。むかしは死病と恐れられて人が患者のそばへ寄りつかなかった肺結核も、今はINHその他の抗結核薬で簡単に治る。
そしてNASA (米航空宇宙局) の高度な科学による宇宙開発も驚異的な事実を次々と発見した。地球以外の惑星、特に金星に人間が居住し、大文明を有している事実を知ったのだ。
だがこれは極秘にされてしまった。探査機が送信する画像のうち、文明の存在を示す形跡はディレイド・システムという特殊な装置により秘密裡にカットされて、あたりさわりのない部分だけをつないだまま一般に流される。 これはアポロ計画で月面の状況を伝えたときの常套手段だったが、ソ連のべネラ同様、アメリカのマリナ一計画でも応用されていたという。
米ソともなぜ隠蔽工作を行なうのか、隠さずに発表すればよいではないか、という声も無理からぬことだが、別な惑星群に人間が居住して偉大な文明が栄えているなどと政府が公表しようものなら価値観の大転換が起こり、教育体系の混乱、経済の大変動等の併発で収拾のつかない状態となり、大戦争の誘発にもつながるだろう。これを考えれば、米ソともしばらく大気圏外の真相を伏せておくほうがよいとも思われる。現段階の地球人の心は恐怖が主体をなしているため、別な惑星の真相などを受け入れる余裕はないからだ。むしろ地球人の自覚によってまず住家(地球) の浄化と向上を図るべきだろう。
それには我々個人が未来に対して良きビジョンやイメージを持ち、それを 隣人や次代に伝えて少しでも輪を広げることが基本的に重要であると思われる。自分一人の力ではどうにもならないというマイナスの想念は禁物だろう。 一人が明るい光を投げかければそれは必ず周囲を照らす。照らされた人は光の重要さと有難味を知り、さらに自分で光をかかげる。こうして光の輪が広がって巨大な光の海となる。
光とは何か。懐中電灯ではない。輝くばかりの微笑を浮かべて他人に無条件の親切さを示し、冷えきった人の心を暖める高貴な精神を意味する。万物と万人に対して常に明るいプラスのイメージを持ち、暗黒の世界に光をともす人がふえるほど、この世界は住みやすくなるだろう。そのためには心を内部の絶対的なもの−−宇宙の意識に回帰させる必要がある。
このように言うと、GAPは宗教的だと評する向きもあろうが、宗教とは一切無関係だ。形而上的な問題を扱えば宗教祝する人が多いけれども、アダムスキー哲学は想念波による良き因果関係の確立、テレパシツクな感覚の増大、自律訓練による自己改良等を目指す精神の科学である。しかも自分さえ良くなればよいという利己的改善ではなく、他人に光を投げかける愛他的行為と、視野を宇宙に広げて大宇宙との一体感を高めることを実践する哲学である。理論に終始して他と争う段階のものではない。
(久) |