原爆開発の地

▲アメリカのマスカレロ・インディアン保護地のインディアン局に勤務する看護婦エラ・ルイス・フォーチュンが、１９５７年１０月１６日にニューメキシコ州ホロマン空軍基地付近で撮影した円盤。

それは戦後アメリカが原子爆弾の実験開発を実にこの州で行なったからで、それを異星人が観察調査に来たからだと考えられるのである。例の有名なロズウェル事件の軍基地、ホワイトサンズ実験場、最初に原爆を作ったロスアラモス等の物騒な場所が目白押しに位置していたのだ。

ここでまずニューメキシコ州について概観することにしよう。この州はアメリカ合衆国の南部に位置する砂漠地帯の多い南国である。ロッキー山脈の南側に接する州の土地の85パーセントは標高1200メートル以上の高地で、昔からインディアンのプエプロ、ナバホや白人相手に勇敢な戦争をやったアパッチなどが住んでいた。もとはメキシコの土地であったのだが、アメリカとの戦争でメキシコが敗北して州北部の大半を取られてしまった。後に州南部もアメリカが買い取って1912年に正式にアメリカ領となった。

州都は州北部にあるサンタフェ。そのすぐ北西にロスアラモスが位置する。ここから広島の悲劇が生じた。というのは、このロスアラモス原子力研究所は最初の原爆を開発して、南方の砂漠地帯のホワイトサンズ実験場で1945年7月16日に爆発を成功させた。そして翌月の8月6日に広島へ投下したのである。

一方、ニューメキシコ州の若者たちは徴兵されて多くはフィリピン戦線に投入され、日本軍の捕虜となって有名なバターンの「死の行進」を強制されたあげく多数の死者を出したという。どっちもどっちだ。

ついでながら1800年代の後半、わずか21年の生涯で21人を射殺したという西部劇の無法者ビリー・ザ・キッドは実在した人物で、本名はウィリアム・ボニー。ニューヨークからニューメキシコ州へ乗り込んだ流れ者で、拳銃片手に暴れ回った。

大戦後、ソ連との冷戦時代は軍事やハイテク、宇宙開発関係の産業を促進した。だからこの州内には研究所や実験場が多かったのだ。

ホワイトサンズにおけるダニエル・フライの不思議な体験については別記事をお読み頂くとして、実はこの実験場付近で、あるとき飛行機の搭乗員が基地から打ち上げた観測気球を追跡していた。そのとき搭乗貞たちは2機の円盤型UFOが地平線のすぐ上から飛来して、3万メートル近くの高度から気球を中心に旋回して急速に飛び去るのを見たのである。これは48〜9年頃だったと思われる。

この気球を回収してみると裂けていた。この件については後にエドワード・ルッベルト大尉が調査して未確認飛行物体の線を出している。彼は1951年から53年にかけて米空軍のUFO調査機関であるプロジェクト・ブルーブックの隊長であった。また彼はジョージ・アダムスキーをも調査して、その体験が事実に基づくことを示唆しているが、表面的には異星人来訪説を否定するような態度を見せていた。これは空軍としての体面上やむを得ない処置だったと思われる。今でもそうだが、当時から米空軍はUFO否定論の卸問屋だったのだ。

▲クライド・トンボー博士

トンボー博士の目撃

さて、ニューメキシコ州における最大のUFO目撃事件は、冥王星を発見した大天文学者クライド・トンボー博士の体験である。

49年8月のある夜、博士はラスタルーセスの自宅裏庭で夜空を横切る不思議な光体群を夫人とともに目撃した。

それはまるで電車の窓のような横に長い四角な光体が7〜8個横一列に並んで無音で飛ぶ光景だった。この体験を博士は堂々と発表して天文学界の度肝を抜いたのである。天文学者でUFOを見た人はいないと言うUFO否定論者をよく見かけるけれども、この記事を読んだらどんな顔をするだろうか。実は天文学者がUFOなるものを否定するのは、「目撃した」または「信ずる」と公言しようものなら大学や所属機関から追い出されるので、それを警戒して黙秘しているのだ。

このトンボ−博士に質問の書簡を出した日本人がいた。それは昔、筆者と親しかった京大工学部出のUFO研究家M氏で、彼は博士からの英文の返書を筆者に見せてくれたが、それはまことに親切明快な内容で物体群の図まで書き添えてあった。筆者は目撃内容よりもむしろ極東の見知らぬ日本人の青年に丁寧な返事を出す博士の温かい人柄に打たれた記憶がある。写真を見ても温顔そのもだ。

ラ・パス博士もUFOを見た

▲リンカーン・ラ・パス博士

当時、ニューメキシコ州には緑色に輝く不気味な球体が頻繁に出現して話題になっていた。そこで流星の世界的権威者であるリンカーン・ラ・パス博士と空軍の情報将校チームはこの現象を徹底的に調査したのである。そして博士と将校たちの多くは実際にこの緑の火球を目撃し、これは流星ではないと結論づけたのだ。

博士の場合は夫人と一緒に見ており、絵のうまい夫人が描いたイラストを博士が手直ししたものがここに掲載されている。

ラ・パス博士によれば、火球群はあまりにも大きくて、低空で飛ぶそのコースも平らであり、色の緑も濃厚すぎるので、通常の流星ではないという。明らかにUFOと言えるだろう。

UFOで緑色の光を放つものを筆者も見たことがある。それは静岡県の富士山のふもと、朝霧高原であった。ここへ二人の仲間と共に観測に行ったのはかれこれ十数年以上前である。現在朝霧高原は付近から音楽やその他の騒音が響いてテレパシー応用の観測には全くダメな場所になっているが、当時はまだ静寂な草原だった。

▲ラ・パス博士と夫人がニューメキシコ州で夜間に目撃した緑の火球のイラスト。夫人が描いた絵をさらに博士が手直しして仕上げたもの。ラ・パス博士によれば、目撃した火球群はあまりにも大きくて、その飛行コースも平らすぎるし、色の緑も濃厚すぎるので、通常の流星ではないという。

防寒服のまま革っ原に仰向けになって暗い夜空を見ながらテレパシーで呼びかけていたら、突然、筆者の頭の後ろの方向から天頂付近を緑の光体がスーツと前方へ一直線にゆっくりと無音で飛行するのが見えた。一同で歓声をあげて見ているうちに、彼方へ消えた。

これは流星ではない。緑色の一種の蛍光を放つ物体で、流星のような急スピードではなく、網膜の残像としての航跡を残さない物体だった。

ともあれ、ニューメキシコ州のUFO出現騒動は今も続いているかどうかは知らぬが、初期の原爆実験と密接な関係があったことは間違いない。そういえば、ソ連のチェルノブイリ原子力発電所の爆発事故の際も、上空にUFO群が見えたという情報もある。異星人たちは地球人の危険な行動を見守っているのだろう。

いったいにアメリカ合衆国は無数の広漠たる砂漠や不毛地帯が展開する途方もない大国であるから、異星人が宇宙船で出現、着陸するのにきわめて好都合なのだろう。

最近の情報によれば中国にもかなりな数のUFO目撃、着陸、コンタクト事件が発生しているということで、筆者のもとに届いている北京のUFO研究会の会報にも多くの凄い事件が報じられているし、中国のUFO研究団体の数にも驚かされる。異星人とのコンタクトはアダムスキーの創作ビころか類似の事実が広大な国々で無数に展開しているのだ！