▲ドイツの2人のUFO調査員が円盤の死んだ乗員といわれる生物の死体を抱えている。このUFOは、1950年にメキシコ市の付近で墜落したもので、中から発見された死体は、徹底的な調査のためにドイツへ送られた。

1966年11月に2人の婦人がミネソタ州オワトナで夜空のせん光体を見つめていた。そのとき、光体の1つが2人のほうに急に移動し、2人の立っていた野原の向う端の地上数メートルの所に停止した。日撃者の1人は、失神状態でしゃがみこんだ。 他の１人のラルフ・バトラー夫人は、友だちの口から出る異常な金切り声を聞いて驚いた。

「あなたがたの・・・時間の周期は・・・どんなの・・・ですか？」と言っている。 バトラー夫人は1年が365日、1日が24時間に分けられている様子を説明しながら、回答を与えようとした。そしてさらに2、3の質問の後、友達は突然正常になり、物体は急速に飛び去った。2人はその体験で興奮したが、他人に他人にそのことを話そうとすると、2人とも目もくらむような頭痛に悩まされるのだった。

▼19世紀の心霊写真は、20世紀に脚光を浴びることになった。 イングランド西部の弁護士が幼い娘の写真を撮ったところ、現像してみると、背後に“宇宙人”の像が写っていた。

キールのUFO関係記事の1つをある雑誌で読んだ後、バトラー夫人は2人の体験について彼に手紙を書いた。 すると、彼は夫人に電話をかけてきた。1時間に及ぶ話し合いで、彼女は突然尋ねた。 「だれか、おかしな空軍将校から訪問を受けたと報告した人がいますか？」そうしたケースを少し聞いたことがある、とキールは答えたので彼女は次のような説明を続けた。

「そうですね、昨年（1967年）の5月に一人の男がここへ立ち寄りました。その人はリチャード・フレンチ少佐だと言い、CB（アマチュア無線）とUFOに関心があるということでした。

その人は身長約175センチメートルで、1種のオリーブ色の皮膚をし、細長い顔でした。 髪は黒くて非常に長いのですが、空軍将校にしては長すぎる、と私たちは思いました。完全な英語を話し、高い教育を受けているようでした。」

その将校はグレーの服、白シャツ、黒のネクタイを身に着け、あらゆるものが真新しかった、と彼女は言う。 彼は白いムスタングを運転しており、そのナンバーは彼女の夫が記録したので、後にそ車はミネアポリスのレンタカ−であることがわかった。 男は胃が悪いと言うので、ジュロ（溶かして食べるフルーツセリー）を食べたらいいと彼女は勧めた。 もし胃が痛み続けるならば、それを食べにまたここへ来ればよと言うと、男は翌日やって来た。 バトラー夫人は台所のテーブルに彼を座らせ、大きなどんぶりにジュロを作った。 驚いたことに相手はどんぶりを持ち上げて、それを飲もうとする。 「私はスプ−ンによる食べ方を、相手に教えてやる必要がありました」と彼女はキールに話した。 その後、同じ男がアイオワ州フォレスト市に出現して、バトラー家の親しい友人たちを訪ねている。

調査の結果、ミネソタ州の空軍基地にリチャード・フレンチという人がいたことはわかったが、バトラー夫人を訪問した謎の「少佐」のことを説明しても、全く答えようとしなかった。

着陸した円盤の近くにいたという多くの人間らしい人影が、黒衣の3人男に似ていて、同じような顔つきの特徴を備えていたというのも、UFO研究者の注意をひいた。 彼らの皮膚は、オリーブ色または茶色だと言われ、その目は大きいが、東洋人のようにつり上がっていて、顔はしばしば細長いと言われている。1897年のアメリカにおける飛行体目撃事件にさかのぼると、ローレンス・バイアンという判事が、地面につながれた奇妙な物体に出くわしたことがある。 「それには、外国語をしゃべる3人の男が乗っていた。 しかし、その顔つきから判断すると、日本人のようにも見えた。 彼らは私の驚きを察して、こっちへ来いと手招きしたので、承諾して船内を見せてもらった」と彼は『デイリー・テクサーカニアン』紙に語っている。

▲ニューメキシコ州のパトロールマン、ロニー・ザモラ。 彼は速度違反者を追跡中、炎を噴き出すUFOが降下するのに気を取られた。 それが谷間に着陸して、光る服を着た2人の宇宙人の姿が見えたので、彼が物陰に隠れると、物体はまた離陸した。 ろうばいしたザモラを助けようと別な警官がやって来て、UFOの着陸跡と、くすぶっている植物を確認した。

円盤の謎を解決できなかった研究家たちは、黒衣の男たちの追究にその研究その想像を集中させた。 そして彼らは、驚くべき結論に達したのである。 黒衣の男たちは、ある使命を帯びているらしく、必ずしも不気味な存在ではないというのである。 彼らの役割は、人類を導くことにあるのかもしれないし、あるいは、少なくとも歴史の流れに影響を与えようと努力しているのかもしれない。 彼らは、キリストの差し迫った誕生をへロデ王の宮廷に気づかせたときに、その任務が成功したのだと言う研究家もいる。

「東方からやって来た」東洋人の顔つきをして、皮膚の黒い3人の賢人は、黒衣の男たちであった ― すなわち聖書でも同じなのである。 彼らは、現代の黒衣の男たちかやっているのと同じ「事件の予知」を示したのみならず、ペツレヘムへの道の先頭に立った。 彼らは約束どおりにへロデ王の所へ帰らないで「別な道を通って帰郷した」のである。

聖書には、通常天使と見なされている3人の男の物語がしばしば出てくるが、UFO事件類でもそうである。 『創世記』には、アブラハムの前に現れて、一緒に飲食をした3人の男の記述がある。 円盤研究家アルバート・ベンダーが輝く目を持つ男たちと行った恐ろしいコンタクトを、もう一度思い出させるような記述が聖書の他の部分にある。

エノクは、2人の非常に背の高い男の夢を見た。 それは「私が地上でまだ見たことのないような人たちだった。 その顔は太陽のように輝き、目は燃えるランプのようだった……彼らは私のベッドの頭の所に立って、私の名を呼んだ。 私は眠りから目ざめて、眼前に立っているこの人たちをはっきりと見た。」これは、偶然の一致と見なされるかもしれないが、物語はなじみのあるテーマで続く。 その男たちはエノクを空中へ連れて行って「七つの天」の旅に案内するのである。 地球へ帰ってから、彼は『エノクの秘密の書』という体験談を書いた。

▲1961年、ウィスコンシン州のジョー・シモントンの鳥小屋前の庭に着陸したというUFOの想像図。 中には3人の黒い男がいて、その1人がシモントンに水をくれと言った。 彼が水差しに水を入れて渡すと、どうやら炊事をしているらしく食料品の見本をくれと頼むと、4個よこした。それは、穴がぼつぼつあいたクッキーのように見えた。やがてUFOは、ヒューという音とともに視界から消えた。

裏づけ証拠は『ダニエル書』にも見いだされる。 この名高い予言者は、「燃える火のような車輪」と、天空の「玉座」から降りて来る人物とを見た。 その人間の髪は羊毛のようで、黄金のベルトを締めて白い衣を着ており、輝く顔と2つの輝く目を持っていた。

ベンダーはこの聖書の物語を読んで、輝く目をした訪問者をエノクやダニエルの記述に似せたのだろう、と言う人があるかもしれない。 しかしそれでは、UFO目撃者たちが見た多くの似たような生物の謎を解くことにはならない。

たとえば、1954年10月9日にフランス・ビュンヌ付近でバイクに乗った1人の農夫が、潜水服を着た人間を見た。 それはかかとのない長靴をはき、「すごく輝く目」をしていた。2二つのヘッドライトをその毛むくじゃらの胸に重ねて当てると、森の中へ消えてしまった。9日後フランスのフォントネー・トルシーで1人の男とその妻が空中に赤色の葉巻型の物体を見た。 それは、二人のほうに急降下し、やぶの向うに着陸した。 突然、夫妻は90センチメートルを少し越える背丈のずんぐりした人間に直面した。 その目はオレンジ色に輝いている。2人のうち1人は気を失った。

▲UFOの乗員からもらった奇妙なクッキーを持つジョー・シモントン。 分析の結果これはトウモロコシと小麦粉で作られたことが判明したが、この種のコムギの起源はわからなかった。

アルジュリア、オラン付近のエネルチェルクの浜辺で、6日後に「輝く目を持つ」小さな男が見られた。 翌月の11月28日、ベネズエラの2人のトラック運転手は、カラカスとベターレ間の道路が、直径2.5〜3メートルの光る物体によってふさがれているのを発見した。 物体は地面から1．8メートルの空間に浮かんでいる。 1人がトラックから出ると、爪と「光る目」を持つ小さな、毛の逆立った小人のような生物が近寄って来た。 乱闘になって、運転手は5メートル近く投げ飛ばされた。 彼はナイフを引き抜いて防衛したが、相手を突き刺しても効果はなかった。 他の運転手は、警察へ走った。 すると、さらに2匹の同じような生物がやぶの中から出て来た。 どうやら石や土の標本を持っているらしい。 彼らは球体の中へ走りこみ、その1匹が立ち上がった運転手に光線を放射して目をくらませ、3番目の生物を逃がしてやって、球体は離陸した。

これらの事件は、すべて数か月の間に起こったもので、もちろんベンダーの話を立証するものではない。 しかし、輝く目がUFO事件類の特徴であることを説明している。 また、聖書の時代に、同じような生き物に出くわしたらしいこともわかっている。 ベンダーの話の実際に不気味な点は、あの宇宙生物は人間に姿を変えることができるし、地球に住むためには誘かいされた人間の体を所有することさえできる、と断言していることである。 実際ほとんどすべてのコンタクティーの主張によれば、大気圏外から来る訪問者は、その本当の外観がどのようであろうとも、浸透計画の一端として、地球上でふつうの生活を送っているというのである。

もし宇宙人の目的が、地球人を宇宙の優れた文明と接触させようとするだけのことなら、我々は何も恐れることはない。 しかし、UFO著述家の中には心配する人もいる。 黒衣の男たちは、こうした究極の目標とは関係のない事件に謎めいた出現をしていると、彼らは指摘するのである。 たとえばジョン・F・ケネデイの暗殺事件を調査している素人探偵たちは、こうした謎の人物に出くわしている。 アメリカの著述家ジョン・キールは、その著『つきまとわれる我らの惑星』の中で次のように言っている。

「ここでは黒いキャディラックと、黒服を着た、やせた黒人たちは、キューバ人やCIAのスパイと見なされている。 もう想が高まっている理由としては、 現在50人以上もの目撃者、リポーター、暗殺事件調査者などが突然の死に見舞われており、最も疑わしい状況下で死んだ人もあるからだ。 1963年、ダラスにおけるケネディ暗殺の全容は、信じがたい詳細な話に満ちている。 そしてその多くは、UFO事件の最も謎とされる出来事に見られる事柄と似ているのである。多くのUFO事件と同様に、写真や物的証拠が消えたり、ゆがめられたりしているのだ。」　

だが、関連はないだろう。たぶん黒衣の男たちは、大統領の暗殺に関係がないだろう。しかし奇妙な一致が、円盤研究の歴史につきまとっており、研究者たちを新たな奇怪な道に進ませていて、この謎の解決にますますファンタスナックな諸説を生じさせているのである。

また、テキサス州のダラスはケネディ暗殺の場所だが、UFO時代の初期以来、空飛ぶ円盤の好みの出現場所であったというのも、たぶん全くの偶然の一致なのかもしれない。

（終）