|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ├ 写 真 |
| 中央アート出版社 TEL : 03-3561-7017 E-mail :info@chuoart.co.jp |
| 第6章 異星人は我々のなかにいる! 第1話 宇宙よりの来訪者 | |
| 1950年代に空飛ぶ円盤に対する関心が高まるにつれて、あるUFOマニアたちは、途方もない考えをまじめに起こし始めた。 空中よりもむしろ地球の表面に、宇宙人が存在する証拠を捜そうというのだ。 |
大気圏外から来た人間が、すでに我々の社会の中に入りこんで生活しながら、情報を集めたり、別世界の生命の可能性を信ずる人々とコンタクトをしたりしている、ということだろうか。 この説は、UFOファンの特有の用語でコンタクティー(宇宙人と接触したと称する人)と呼ばれる人々の珍奇な物語で、すでに流布されていた。 アダムスキーや他の人々は、最初、宇宙服を着て宇宙船から離れない宇宙人に会ったが、後で、地球人と同じ服を着た彼らに会い、しばしばホテルやレストランに行ったと主張した。これを信ずれば、写真という裏づけ証拠は不必要になる。だれでも家の中や路上で宇宙人に会ったと称することはできるだろう。 この時期の最も有名なコンタクティーの1人は、ニュージャージー州の看板かき職人、ハワード・メンジールで、彼は早くから宇宙人と会っていたらしい。だが、彼が相手の正体に気づいたのは、第二次大戦中の軍隊時代のことで、そのころ、車に乗った長い金髪の男が、後にコンタクトしたのである。
しばらくして1948年6月に、1機のUFOが彼の両親の家の近くに着陸して、淡い色の「スキー服」のようなものを着た、2人の男と1人の女が出て来た。 みずから500歳だと言う宇宙人の女は、将来の重要な出来事に備えてテレパシーの力を応用することを学べ、とメンジールに語った。 そして1957年までは、このコンタクトの体験をしゃべるなと命じた。 数名の目撃者が、宇宙人と話すためにメンジ−ルが出かけて行くのを見たと称したのは、彼の住むニュージャージー州ハイブリッジで、その年(1957年)、UFO目撃事件が急激に増加していた最中である。 詳細な体験は、彼の著書『大気圏外からあなたへ』に述べてある。 それはアダムスキーの体験記よりももっと異様で、実業家や不動産屋になって通常の地球人のように見せかけている宇宙人とのコンタクトを多数語っている。 自分のコンタクトに関する初期のラジオ放送をやっていたとき、メンジールはスタジオの外に集まっていた群衆の一人で、マーラという名の美しい金髪の女性に会った。 彼は後に妻と別れて、マーラと結婚した。彼によれば、マーラは別な惑星から来たのだという。 この話には面白い続きがあって、それはマーラが書いた『私の土星の恋人』と題する書物に出ている。 問題の土星人とは、かれメンジールだというのである! 宇宙人が彼に語ったところによれば、彼は土星から地球へ生まれ変わったという。 これは、宇宙人との対談中にもらされた。 彼らは、しばしばメンジールの家に立ち寄って、コーヒーを飲んだりしたのだ。 この訪問中に、宇宙人たちはもっと地球人らしく見せかけるために、長い金髪を切ってくれと彼に頼んだりした。 彼は、月旅行に連れて行かれ、そこから奇妙な岩石を持ち帰った。 これは、月のジャガイモだと彼は言った。
多くのコンタクティーが、UFOに乗った人々とのコンタクトについて楽しいイメージを描いていた間に、もっと不気味な事件が発生した。 これは1953年に、大衆の注目をひいた。 その年、アメリカで急速に伸長したグループである「国際空飛ぶ円盤ビューロー」が解散したのである。 アルバート・ベンダーが、1952年1月にこの団体を発足させた。 これは、非営利グループで、間もなく、UFOの謎を解明したがっている人々をひきつけた。 しかしベンダーは、自分が一連の恐ろしい事件に巻きこまれていることを知ったのである。一同はついに2年以内にこのグループを解散しようという彼の決意に同意した。 この団体の機関誌『スペース・レビュー』の最終号に、次のような記事がある。 「空飛ぶ円盤の謎は、もはや謎ではない。 その正体は、すでに知られている。しかしこれに関する情報は、ある当局筋からの命令によって押さえられている。 我々は本誌にその詳細を掲載したいが、情報の性質にかんがみて、発表するなと勧められたのは残念である。」
この声明は、さらに次のように読者に訴えている。 「円盤研究にたずさわる人々に対して、極力注意されるようにと、お勧めしたい。」ベンダーのUFO仲間が知っていることは、彼が黒衣の3人の男の訪問を受けたと主張したことだけだった。 ベンターは売名を求めて途方もないほらを吹いたと信ずる人もあったし、彼はUFOの謎をみごとに解いたので、これを知った政府が彼を沈黙させたのだ、と信ずる人もいた。 彼は友人たちを失い、最も親しかった円盤研究仲間の何人かは公然と彼の敵になった。 ベンダーは、1960年まで「真相」をもらさなかった。 しかし、1962年『空飛ぶ円盤と3人の男』と題する自著でそれを公表したとき、彼はさらに大きなちょう笑を受けた。 それは、最も信じがたいSFのように思えたからだ。 ベンダーの主張はこうである。 団体を設立後、彼は不思議な現象を体験し始めた。 もう円盤の研究をやめろという、テレパシーによる電話のような警告を受けたりするのである。 この後彼の部屋に光る物体が出現した。 この光体は硫黄のひどいにおいを残したが、これは以後その現象特有のものとなった。 あるとき、ベンダーが映画館にいると、「黒い顔に、光る小さなせん光電球みたいな2つの奇妙な目をした」男が隣に座ったのに気づいた。 この人間は、いったん消えてから、すぐに彼の反対側に現れた。 腹の底から驚いたベンダーは、支配人を呼んだ。 だが、支配人が懐中電燈を持って来るまでに、その謎の人物は見えなくなっていた。
数ヵ月後ベンダーはある会合が終わってから、2階の自室へ上がって行った。 そして、だれかがドアーを開けていたのに気づいた。 内部から奇妙な青い光か出ている。 ほうきを持って中へ入ると、その光は一角から来ているのがわかった。 何かの物体が、光の中心部にあるようだ。 ベンダーは叫んだ。 「人をからかうのはやめろ。 出て来い!」すると光は消え始めて、二つの光る目の像だけが数分問残った。 続いて室内は正常にもどったが、硫黄の強いにおいが充満していた。
1953年3月15日は、「国際空飛ぶ円盤ビューロー」が空中の円盤乗員にテレパシー によるメッセージを送り、コンタクトを頼み、世界の諸問題の解決に援助を願うために選ばれた日であった。 時間が指定されて、このビューローの各メンバーは、同じ内容のメッセージをくり返しテレパシーで送信するよう要請された。 ベンダーは、その計画の自分の役割を果たすために、ベッドに横たわった。 彼がメッセージを3度くり返したとき、頭の中にものすごい激痛が起こるのを感じた。 そして、硫黄の燃えるようなにおいがして、頭の中に小さな光かただよい始めた。体が氷のように冷たくなった。目を関くと、自分がベッドの上のほうに浮かんでいるように思われた。 まるで自分の魂が、肉体を離れ下方を見下ろしているかのようだ。 突然、ある声が、前のほうから響いてくるような気がする。 それは、耳に聞こえるような音響を発しないで、全身にしみ渡るように思われる。
宇宙の謎を、これ以上せんさくするなという警告なのだ。 彼らは特殊な任務を帯びており、「地球人に邪魔をされたくない」と言う。 ベンダーが抗議しようとすると、その声は続いた。 「我々はお前の中にいて、 お前のあらゆる行動を知っている。 我々は地球上にいるのだ、ということを忘れるな。」 数日後、この謎の声の主がベンダーの所へ姿を現した。 他の場合もそうだが、彼らがやって来ると、ベンダーは苦痛と不快感をもよおした。 著書に、次のように書いている。 「青い光がどこからともなく現れて、室内にうず巻いた。目の上のあたりがトキドキするにつれて、目まいが起こって 息切れを感じた。 私はベッドのほうへよろめき、その上に倒れた。 そのとき、体か氷のように冷たくなるのを感じた。自分が急速に、何者かの完全な力の支配下に入ったことが感じられた。」
「室内は暗くなるように思われたがなおも見ることができた。 すると室内に3人の黒い人影が現れた。 床から約30センチメートル浮かび上がっている。 自分のこめかみがトキドキして、全身が軽くなった。 自分の存在感がなくなってしまった。 3人の姿が次第にはっきりしてくる。牧師のように見えるが、ホンブルク帽に似た帽子をかぶっている。 顔はよくわからない。 帽子のために一部分が隠れているからだ・・・3人の目が、突然光電球のように輝いた。 そのすべてが私を見つめていた。」 この3人の訪問者は、テレパシーによってベンターにメッセージを伝えた。 UFOは地球へ来る目的を持っており、彼らの目標が達成されるまでは邪魔をさせないという。 「お前が今見ているように、我々は自然の姿をしているのではない。 ここに来ている間は地球人の姿をする必要があることがわかった。」 さらにべンダーは、彼らが宇宙船でもって地球と多くの接触をしたことや、地球上の遠い場所に基地を設立していることなどを聞かされた。 彼は、きわめて平凡な人間であるために、コンタクトの相手に選ばれていた。 つまり、彼が相手の秘密をもらしても、信ずる人いないと思われたのである。 「我々はまた、自分たちの姿をいつわるために、地球人の体を奪って利用する必要があることもわかったのだ」と相手は言う。 彼らは、コインほどの大きさの小さな円板を彼に与えた。 彼らとコンタクトしたいときは、それを手に握ってラジオのスイッチを入れ「カジク」という言葉を三度くり返せばよいという。 ここまで来ると、ベンダーの記事を疑惑なしに読んだ大部分のUFO研究家たちも彼は気が狂ったのだと考えた。 |
||||||||||||||||||
|
|