調査の途中、彼らはキャサリン・ヒル夫人の家に立ち寄った。そこで夫人と2人の息子、それに17歳の警備員ジーン・レモンか調査に加わることになった。一同が丘を登ると1個の大きな球体が見えた。「家ほどの大きさ」と1人が言っている。1人の少年は鼓動するような音を聞いたし、別な少年はシューッという音を聞いた。 突然、一同は樹木の枝の中に隠れていた大きな人影に目をひかれた。それは3〜4.5メートルの高さがあり、血のように赤い顔をし、ギラギラ光る黄緑色の目をしている。この怪物が、彼らのほうへふわふわとやって来るのでみんなは狂気のように丘を駆けおりた。一同の中には、その夜、重態になった人もいた。 翌日、現場の草むらに平行してスリップした跡が発見され 奇妙なにおいか地面上にただよっていた。
これは、怪物の関係するコンタクト事件の少数例である。だがふつうは、人間のような乗員のほうが断然多い。ただしその外観は、ヨアニス教授の見た恐ろしい小人からネバダ州の砂漠で機械工のトルーマン・ベサラムがコンタク卜した美しい婦人パイロットに至るまで広い範囲にわたっている。
宇宙人の外観は、ヨアニス教授の見た恐ろしい小人からネバタ州の砂漠で機械工のトルーマン・ベサラムがコンタクトした美しい婦人パイロットに至るまで、広い範囲にわたっている。その女性の名はオーラ・レインズ機長で、彼女は韻をふんだ2行連句で英語をしゃべった。 それによると、彼女は月の向う側にあるクラリオンという惑星から来たという。
レインズ機長の身長は1.35メートルで、黒いスカートと赤いブラウスを身につけてベレー帽をかぶっていた。乗員は32名の男から成り、みな彼女同様に小柄である。11回のコンタクトの後、宇宙人たちはあるレストランの中でベサラムが示した憤れ慣れしさに恐れをなしたようだった。ベサラムはそのレストランの中で機長と8人の乗員に近づいてこう言ったのだ。
「もしもし、私たちは以前にお会いしましたね?この人たちは、クラリオンから来たのではありませんか?」彼らはみな立ち上がって入口のほうへ歩いて行き、消減して希薄な空気になってしまった!
1954年2月に、イギリスのスリラー作家セドリック・アリンガムは、スコットランドの寂しい地域で、火星から来た男と会ったと言っている。彼は野鳥観察をやっている間に1機の円盤を見て、写真を撮ったという。昼食後、彼は海岸沿いに歩き続けていた。円盤は海のほうからやって来て、45メートルほど向うで着陸したとき、それを撮影できた。 それはアダムスキーの円盤に似て、3個の球型着陸装置がついていた。 非常に広い額の、人間らしいものが出て来た。鼻には小さな管がついている。地球上で呼吸をするための補助装置らしい。相手は、アリンガムのノートブックに絵をかいて意思を伝えた。その話題は核爆弾、火星の運河、火星の水不足などである。
宇宙人とコンタクトしたと称する人たちが大衆を楽しませ、それにより結構な生活をしていた間に、コンタクトのないUFOの着陸や離陸を含むUFO活動は着実に増大していた。フランス生れの天文学者で、コンピューター技術の専門家でもあり、NASAの火星地図製作プロジェクトの顧問であるジャック・バレーは1954年だけに発生した200件の目撃例のレポートを『ザ・ヒュ−マノイド』と題する書物に寄稿している。たとえばその年の11月8日に、イタリアのモンツアのスタジアムで、1人の男が光体を見て、間もなく150人の群衆が集まった。 彼らはさくをこわして、光体を見ようとなだれこんで来た。そして目もくらむような白熱光を発している、3本脚の飛行体を見たのである。明るい色の服を着て、透明なヘルメットをかぶった人影か、近くに立っているのも見られた。
その1人は黒い顔をして、管またはホースのようなものがその顔についている。彼らはのどの奥から出るような音を発して話し合っているようだ。やがて不思議な円盤は、無音のまま飛び去った。
それから1年後、ケンタッキー州ホプキンズビルのサトン家の家族が円盤から出てきた小さな怪物たちに囲まれた。帰宅途中の訪問客である親類の人が、近くの野原こUFOが着陸するのを見たと知らせたのである。数分後に、家族は輝く小さな人影が家に接近するのを見た。それは身長約1メートルで、丸みのある頭、ゾウのような大きな耳、両耳まで裂けた薄い口、大きな横広がりの目をしている。
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▲ヒル夫妻が見たUFOの乗員の1人。この絵に関する詳細は、事件後2年以上も過ぎてから、催眠状態で話した。 それまで夫妻は、体験の意識的な記憶を持たなかったのである。 |
首の部分がないようで、長い腕の先に爪のついた手がある その怪物は、走ったときにばったり倒れて四つんばいになった。怪物たちの数匹は、あたりに家のないサトン家の外側をうろつき回り、木に登ったり、屋根によじ登ったりする。怪物の1匹をめがけて網戸のすき間から銃か発射された。相手はごう音で倒れたがまた走って逃げた。恐怖の一夜が明けてから、家族は車に乗り込み、町へ飛ばして事件を報告した。
1957年には、イングランドのバーミンガムの主婦が、自宅へ宇宙入の訪問を受けたと言っている。相手は円盤に乗って来たのではなく、隣近所の人も入口の所でその宇宙人を見かけなかった。宇宙人は27歳のシンシア・アブルトン夫人の居間で、ヒューという音をたてながら物質化したのである。相手は背が高く、美男子でぴったりと身についたプラスチックのような衣服を着ている。男はテレパシーで意思伝達をし、テレビのような画面を作り出して、彼の円盤と大型の母船を描き出した。そして、調和と平和に満ちた場所からやって来たことを示した。最後に彼はスッと消えてしまった。
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▲ベティーとバーニーのヒル夫妻。2人はUFOを目撃して、その結果、2時間記憶を失った。バーニー・ヒルは催眠テストを受け、無意識の状態で、失われた2時間のことを話した。それによれば、夫妻は宇宙船に連れこまれ、乗員から実験用動物みたいに検査された後、どうせ2人とも何も記憶しないだろうというので解放されたらしい。 |
ベティーとバーニーのヒル夫妻がUFO目撃後2時間空白の状態にあったことは、空飛ぶ円盤が他の世界から来る宇宙船だという決定的な証拠として、多くの人から認められた。この夫妻は、1961年9月19日にカナダでの短い休暇旅行をすませて、ニューハンプシャー州の自宅へ帰る途中だった。走行中2人は空中に光点を発見したが、それは次第に大きくなり、2人の車に並行してついて来るように思われた。 続いて1機のUFOが車の前方数百メートルの所にいるのを見た。車を止めて、バーニーは双眼鏡で巨大な物体を見た。2列の窓があって、そこから人影が彼を見ている。彼は車のほうへ走って帰り、ドライブを続行した。2人はピーという音を聞いて、眠くなってきた。2時問後2人はまたその音を聞いた。そして物体を見た地点から、56キロメートルほど南をトライブしていることに、次第に気づいたのである。記憶にない時間中、何をしたかは思い出せない。磁石を見ると、車が放射線を浴びたらしかった。
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▲バーニー・ヒルのスケッチ。だれもいない道路で車に平行してUFOがついてくるのを最初に目撃したときの様子である。 |
2人はすぐにピース空軍基地と、ワシントン市のUFO研究グループであるNICAP(空中現象調査委員会)へ、目撃したことを報告した。3年後にバーニ−・ヒルは極端に体の具合が悪くなり、精神病医の治療を受けていたとき、空白の2時間に起こったらしい出来事を催眠術で思い出した。ヒル夫妻は逆行催眠により、そのときの体験をもらしたのである。2人の口述内容は一致した。
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▲ベティーとバーニーが誘拐者だと話したUFO乗員の想像画。鼻孔のあるべき位置には2つの裂け目があり、口には筋肉がない。 目は細長く、我々よりも広い視野を得るらしい。 みんな一様に黒い服を着ている。 |
2人の話によれば、奇妙なピーという音を聞いた後、一団の見知らぬ男たちによって車から連れ出されて、巨大な宇宙船の中へ運びこまれたのである。2人は別々に手術台上に寝かされて、慎重に検査された。 バーニーは、またの所にだれかがカップを置くのを感じた。ベティーは、へそに大きな針を突き立てられた。毛髪と足指の爪が、サンプルとして取られた。宇宙船の乗員たちは、男の歯が突き出ているのに、女の歯がそうでないのをいぶかっていた。解放されたら、2人ともこの苦しい体験を思い出せないだろうと言われた。
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▲UFOの乗員と不思議なコンタクトをした後、医師の検査を受けるブラジルの若い農夫、アントニオ・ビリャス・ポアス。19957年に彼は、あごから血液を採取されてから小柄な宇宙人の美女と激しいセックスを体験したと主張した。医師は、彼が放射棉を浴びたこと、あごに不可解な針の跡が2か所あることなどを発見した。 |
もっと奇怪な誘かいは、1957年10月15日にブラジルで発生した。23歳の農夫アントニオ・ビリャス・ボアスは、2度ばかり輝くUFOを目撃した。ある日、畑を耕作していて2度日の目撃をしたとき、巨大な卵型の光る物体が出現して、彼のトラクターの前に着陸したという。恐れた彼は飛んで逃げたが人間の腕に捕まえられて、地面から持ち上げられ、ぴったり合ったグレーの作業衣とへルメットを身につけた3人の人間によって円盤の中に連れこまれた。円盤内には、他の乗員たちがいた。彼らはみな、ほえ声や叫び声に似た奇妙な声で話し合っている。ビリャス・ボアスは裸にされて、全身をスポンジでふかれた。あごから血液が採取された。それから彼は、室内の寝台上にただ一人残された。しばらくして、1人の裸の女が入って来た。身長は1.3メートルでかつて見たことのない美しい体をしている。
髪はほとんど白色で、その目は大きく青くて、つり上がっている。ほお骨が高く、鼻筋はまっすぐで、あごはとがっていた。彼女は彼のほうへやって来て抱きついた。2つの世界の住人は、こうして奇妙なコンタクトをし、その結果激しい性交となった。しかし、これは必ずしも天国の喜びではなかった。「ある瞬間に、その女の口から出て来る声はブ−ブーというような声で、あらゆるものを不快にさせる響きであり、私は動物とやっているかのようないやな印象を受けた」と彼は詳細に語っている。
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▲アントニオ・ビリャス・ボアスが描いたUFOの図。この中で彼は難儀な目にあった。 |
このビリャス・ボアス事件は、UFOコンタクト物語の中で究極的なものだろう。本人がコンタクトの報告直接に医師の検査を受けなかったならば、この事件は一青年のセックスもう想として片づけられたかもしれない。オラボ・フォンテス博士の報告によれば、この農夫は、長期間にわたって被害の徴候を示すほどに、たっぷり放射線を浴びていたという。血液が採取されたというあごの部分に2つの小さなはん点が発見された。皮膚はまるで新生したごとく、以前より滑らかに薄くなったように見えた。
コンタクト物語の中で少しでも真実なものがあるとすれば、地球の我々は大気圏外から来た生き物によって精査されているのかもしれないということになる。もしビリャス・ボアスの話も真実であるのなら、宇宙空間のどこかで、驚くべき繁殖実験が行われているのかもしれない。
ヤムスキーか アダムスキーか?
1965年4月24日の夕方、E.A.ブライアントは1人で散歩していた。 彼は南西イングランドのダートムア刑務所付近に住む、定年退職した刑務官である。午後5時30分ごろ、彼は特に風景の美しいある場所に着いた。すると突然、40メートルほど向うの空中から1機の空飛ぶ円盤が現れた。それは、時計の振り子のように左右に揺れてから、空間に停止した。
ブライアントは恐れたけれども恐怖心をしのぐ好奇心に駆られて立ち止まって見つめた。円盤の横側に穴が開いて、潜水服のようなものを着た3人の人間が現れた。1人がプライアントに手招きしたので、彼は不思議な飛行体のほうへ接近した。すると、乗員たちは帽子を脱いだ。2人は金髪、青い目、そして異常に広い額をしている。 3人目は少し小柄で色黒だったが、ふつうの地球人の顔つきである。
この色黒の男が、巧みな英語でブライアントに話しかけた。ブライアントは、相手の言うことを理解した。その男の名前は「ヤムスキー」とかいい、「デス」あるいは「レス」が会いに来てくれればすべてを理解するのだがと言っている。また、彼と仲間は金星から来たのだという。UFOが離陸した後、そのいた場所近くの地面上に金属の破片が少し残っていた。後で実際に、小さな金属片がそこから発見された。
ブライアントがこの体験を報告したとき、研究家たちは、ベストセラー『空飛ぶ円盤は着陸した』の著者ジョージ・アダムスキーが、その前日に死んだ事実を知ってハッとした。彼の共著者はデスモンド・レスリーである。「ヤムスキー」とアダムスキーには何かの関連があるのか?「デス」あるいは「レス」とデスモンド・レスリーにも、関係があるのだろうか? |
第5話 最初のコンタクト 終わり |