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 宇宙・引力・空飛ぶ円盤  by レナード・クランプ

著者はしがき     UFOと宇宙 No.6 1974

本書は宇宙飛行の推進法に関する一つの理論を示そうという試みで書かれたものである。

それは噴射推進法ではなく、いわゆる空飛ぶ円盤の運動からヒントを得たもので、私自身の多年にわたる観察によって裏付けられている。問題の取り上げ方は新しいかもしれないが、私の理論には奇妙な憶測などは含まれていない。むしろここで述べる話は討論に供し得るものであり、しかもきわめて古い、見なれた現象の別な一面を提示するものである。

▲筆者クランプ氏による想像の円盤断面図。

空飛ぶ円盤についてはいろいろいわれてきたので、このような飛行体の存在についてはまず証拠を見つけ出すことが当を得ていると思われるが、本書は不必要な目撃報告類までは載せなかった。それらは円盤関係の多数の書物に出ているからである。読者はそれを読めばよい。そこで本書には私の理論に直接関係のある目撃例だけを引用することにした。

この書に述べる推進理論はもともと第二次大戦以前に考えついたもので、"Flying saucer(空飛ぶ円盤)"という言葉が一般に用いられるようになった時よりもはるか以前のことである。そうすると、私は多くの目撃例の意義について並々ならぬ関心を持っていたのかとお考えになるだろう。たしかにそのとおりで、入手できる情報を精査すればするほど、このような飛行体が存在するという確信は深まりゆき、私の理論に対しては正当性以上のものがあると確信するようになった。世界中の一般人から出てくる報告類が、私が夢想していた一現象の証拠を提供したのである。

ロケットに熱中している人は当然のことながら宇宙飛行の全く異なる概念を認めるのに抵抗を感じるだろう。そして惑星間を円盤が飛んでいるという仮説に対して懐疑的な態度をとるだろう。しかし円盤に関する報告類は宇宙飛行の別な、もっと魅惑的な方法を暗示しているということを本書は示すものと思う。われわれは物理学の一層の進歩を待つ必要はない。先駆者というものは自分が新しいアイデアを思いついたとき他人のあとをついて走ったりしないものである。

この書は宇宙開発の専門家とアマチェア円盤ファンのために書かれた。そこで私は科学的精神を持つ読者に対しては忍耐力を要求したい。

私のアイデアの難解な部分をはっきりさせるために簡単な類推法を用いて説明した個所は特にそうである。読者のなかには円盤の存在を信じない人もあるだろう。だが円盤の存在が認められなくても、本書は地球人が宇宙飛行の夢を達成するのに新しいより良い方法の可能性があるということを、信じる人にも信じない人にも暗示するものと思う。

われわれの時代においてすら、人間は周囲に存在する一つの"力"を解明するカギを発見し、それをすべての産業に、輸送に、そしてついには宇宙飛行に応用するようになるといっても差支えないだろう。

ブリケット・ウッドにて      レナード・クランプ

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