UFOの磁場?
「25年にわたるUFO研究家として私は1980年代を迎えるにあたり、いわゆるユーフォロジーの最近の傾向や風潮を興味深く観察している」
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▲ウーゴ・ルヨ・ベガが撮影したアダムスキー型円盤。 |
これはテキサスに本拠をおくMUFON(ミューチュアルUFOネットワーク)の月刊機関誌2月号に、リチャード・ホールが書いた所信である。この機関誌の編集長たるホールは更に続ける。
「大きなUFO研究グループはほとんど消滅した。多数の小さな研究グループは残っている。用心深い、とらえどころのをいヒューマノイド (大気圏外人間)も消えてしまった。UFOは異次元世界から来る霊体だと言う人は残った」
UFOは異次元世界から来るという説を支持する人には、ケネス・アーノルドから天文学者のジャック・ヴァレー、著名をUFO研究家アレン・ハイネック博士のような人たちがいる。
ノースキャロライナ州ウェーズボロでセレクトロニクス社を経営する電子工学専門家のエンター・ヘンリー・モートン(31歳)は数種類の特許も取っている人である。
モートンが確信するところによると、UFOは霊体ではなく大気圏外から飛来する物体で、その推進に磁場エネルギーを応用するという。最近、ノースキャロライナ州ウインストンセーレムでターヒールUFO研究グループの会合が開催されたが、その席でモートンは自分の大胆な説を発表した。自説を裏付けるためにモートンは、UFOが車のエンジン、電燈、テレビ、C電池、ラジオ、家庭用電気器具、そして人間の行動にさえも影響を及ぼしてきた多くの実例をあげた。
以上はUFOがかなりの範囲にわたる磁場を発生していることを示すものだとモートンは言う。産業用機械のなかにはかなりの磁場(百万ないし二百万ガウス)を発生するものがあるが、モートンによると、UFOの磁場は自然に起こる磁場とは異なるものだというのである。
反磁場がポイント
モートンは確信する。UFOの乗員は機体を推進する磁場エネルギーを応用する方法を知っているのだと。そのポイントは、強烈を磁場を作り出すことではなく、反磁場を作ることにあるという。
磁場というものは負の電気量を持つ電子の運動によって生じる。ところが正の電気量を持つ陽子が運動するならば、理論的には対抗する反磁場が生じるのである。簡単にするために、これを"反磁気"と呼ぶことにしよう。この磁場は通常の磁場に反発する性質を持つ。
そこで、通常の磁場と相互に作用し合う反磁場は、強力を反発力を生じることになる。この仕組みは一個の原子から陽子を開放し、それを運動させることにある。モートンの考えによると、UFOの乗員はドーナッツ型の分子加速器を用いて陽子を回転させ、ヘリウムまたは水素原子から分離させながら、ついに反磁場を作り出すという。
反磁場が生み出されるという実験的な証明があるか? 経験による確証は困難だ。というのは正電荷の粒子は核反応中にしか見られないからだ。しかし巨大な核融合反応原子炉たる太陽は常に正電荷の粒子を放射している。正の電気量を持つ粒子をともなう反磁気は、地球の馬蹄形磁力線がいつも太陽に面している側で平たくなっている理由の説明になるかもしれない。たぶん直撃してくるこの粒子のまわりの反磁場が、地球の磁力線を押す(反発する) ので、そのために平たくなるのだろう。
UFOは異次元から来るという人たちのいわゆる"この世のものとも思えぬ不気味さ″を、反磁気がどのようにしてひき起こすかを説明するには、UFOとの遭遇事件をあげねばなるまい。ひとつここで空想的ではあるが典型的を"第二種接近"のシナリオを書くことにしよう。
星は動いていた
深夜、あなたは人里離れた田舎道をドライブしている。空は晴れて無数の星が輝いている。突然、一個の星が動く。つっ走ってから急速にターンする。そして無音のまま夜空を超音速で飛び続けたと思うと、次に方向転換をやる。続いてこの奇妙をオレンジ色に輝く物体はあをたの自動車の上を低くかすめ飛ぶ。ヘッドライト、ラジオ、エンジンなどは停止した。光体が近くの空中に停止すると輝きは消えて、頂上に赤い光のまたたく金属の円盤型物体が目につく。
あなたは恐ろしくなるが好奇心も起こってくる。車から出て、空中に停止している物体に近づく。接近するにつれてあをたの皮膚はひりひりし始め、頭髪は逆立ってくる。あなたは立ち止まったまま先へは行けない。耳を澄ますとかすかなブーンという音が聞こえてくる。急にその昔は大きくをりピッチも高くなる。突然その昔はやんだ。この世のものとも思えぬオレンジ色の輝きがUFOを包み、物体は眼前から消えてしまった。
反磁場は保護の役目もする
異次元論者はこの飛行体は全く異なる物理法則のもとで作動し、我々の時空連続体から出たり入ったりしているのだと言うかもしれをい。しかしモートンに言わせれば、こうした異常を現象は反磁気で説明できるという。
UFOの船体を包む激烈を反磁場があれば、これにより信じられをいほどのパワーが船体に与えられる。船体は、自然に発生するけれども対抗的な磁場の海の中にひたる。するとこの反磁場の活動により船体は緩速から光速に至るスピードで飛ぶことが可能になるのである。
UFOから放射されているこの反磁場は、保護的なフォースフィールドとしても役立つ。そして高速で飛んで来る隕石や宇宙塵との衝突を防ぐし、空気中の微粒子を押しのけたりする。このフォースフィールドは船体の前方数マイルまでも微粒子を排除するのである。空気は割れて流れ、後方で合体する。船体の前端のエッジではショック波が形成されるこはないので、衝撃波の音は聞こえない。
船体を包む反磁場が地球の大気圏内で作動すると、船体に接している空気中の粒子のイオン化が発生する。その輝きの色は赤、オレンジ、ブルー、深紅、黄、黄金色、白などで、これらは船体周囲の反磁場の強さと、大気の条件などで変わるのだ。
Gフォースをものがれる
UFOはしばしば急に出現したり消滅したりする。異次元論者は、UFOは我々の現実の世界に物質化して現れたり、非物質化して消えたりするのだと言うが、人間の肉眼というものは秒速190メートル以上で加速される物体を"見る"ことはできないのだ。しかしUFOの船体内にいる乗員はどうなるか? ものすごい高速で飛ぶUFO内にいて、体を引き裂くようなGフォースの影響を受けないのだろうか?
反磁場の中心部にいる乗員は、破壊的なGフォースによってむしろ保護されるのである。というのは、乗員の身体中の原子や座席の原子など、あらゆる原子は、反磁場と同じスピードで同じ方向に同時に動いているからである。一方の側から押し入って来る力は、正反対の側から来る力を帳消しにする (相殺する)ために、反磁場は乗員にたいして破壊的な影響を与えないのだ。
一方、船体から周囲に突き出ている激烈な反磁場は、付近にいる人間、動物、電磁気応用の器具などの電子に破壊的な影響を及ぼす。自動車のエンジンすらもこのUFOのフォースフィールドによって電気系統のイグニションシステムがやられるためにエンストする。どの程度の影響があるかは、UFOからの距離と反磁場の強度によるのである。
空中に停止しているか、または着陸しているUFOに接近した人は、船体内の機械から出ると思われる音響を耳にすることがある。しかし不可視の反磁場のパワーがある点以上に激烈になると、その昔は突然停止する。なぜか? これは反磁場が空気中の粒子を押し返して船体の周囲を真空にするからである。音響は真空中を伝わらないのだ。
ホルトの宇宙飛行論
モートンの説は革新的なものだが、この研究をやっているのは彼だけではない。NASA(米航空宇宙局)のエンジニアたるアラン・ホルトもUFOは磁気エネルギーを応用していると確信している。 彼によると、莫大な距離の宇宙空間を人工の宇宙船を推進するのに磁場のエネルギーを用いるのは可能かもしれをいという。
モートンと同様に、ホルトも異星人は反磁場を作り出して彼らの宇宙船を推進させるのだと考えている。しかしUFO乗員はこの反磁場を宇宙旅行ばかりでをく彼が"時空"と呼んでいる領域を進行するのにも利用しているのではをいかという。UFOの着陸や離陸を見た目撃者は、船体が突然現れたり消えたりするのを見るが、これは"時空"から出たり入ったりするというのだ。彼のこうした考えは磁気流体力学(電気量を持つ流体と磁気との相互影響に関する研究) に関する人間の限られた知識にもとづいた説にすぎないことを彼自身も認めている。
ホルトは記者に語った。「四次元の時空を持つ超空間が存在し、その中には高調波が含まれているとする。地球製の宇宙船には種々の人工的に作られた波動があり、その多端子で磁場(複数)が振動している。そして宇宙の遠い地点でも統一場理論が有効であるとする。こうした条件が存在すれば、我々ははるかな星々へ簡単に行けることになるんだ。
この宇宙船の宇宙飛行士たちはただパルス・レーザーを用いて、遠い時空の地点で高調波と共振する磁気流体力学的な波動を作り出すだけでよい。そうすれば我々は超空間を突き抜けて、あちこちの銀河系を越えることにをるだろう」
このような磁場エネルギーを持つ宇宙船が理論的に可能であるとしても、なぜ我々は宇宙船を作れないのか? 残念ながら我々は必要な技術をマスターするにはまだほど遠いのである。
モートンやホルトの説は"異様"に見えるかもしれない。しかし科学は推測を通じて進歩するのだ。どれかの説が可能であることがわかれば宇宙旅行は革命的となるだろう。人間はついに遠い世界を訪問できるようになるだろう。疑いなく別な世界から来た人々が現在我々を訪問しているように ー 。
(デンマークGAP機関誌『UFOコンタクト』1981年春季号より)
(訳注=原文にはこのあと『宇宙からの訪問者』 より次の個所が引用してある。
「ファーコンが説明した。『母船自体が自然のカ― "電磁気" とあなたがたは言うでしょうが―を利用しているのです。しかも船体はいつも過剰なパワーをもっていて、このパワーには外壁を貫いて空間のある距離まで放射されるのもありますが、なかには少ししか放射されをいのもあります。しかしときにはこの影響が外部の数キロメートルにまで及ぶ場合もあります。これが微小物、すなわちあなたがたのいう隕石をも排除する防壁として作用し、絶えず放射されるこのパワーによって隕石類を寄せつけないわけです」
【編者付記】
反磁場(Diamagnetic Field)という語は耳新しい。従来のいかなるUFO関係文献にも出てこなかった新語である。これが理論的には可能であるにしても、このような装置を持つ船体の開発はきわめて困難であり、まず実現の可能性はない。
アダムスキーの説明のなかに反磁場という語が用いられた例はない。
ア氏の解説によると、別な惑星の宇宙船は"重力に従った"原理を応用し、船体自体に人工的な重力場を発生させる。この重力場は惑星の磁場と調和して共振するように調節されるので、そこに共振重力揚が生じると、このために船体は無重量状態になる。そうなると、ごくわずかな推力で光速を超えるスピードが出せるという。したがってこの場合の重力場はモートンのいうヘリウムや水素の原子から陽子を分離させて得られる反磁場ではなく、もっと自然な磁場を意味すると思われる。これについては本誌75号の、 『さらば空飛ぶ円盤』 (3)のなかでア氏は次のように述べている。
「自家発生の"重力に従った"場の中にあると、円盤は光速を超えるほどの速度で進行できるのだ! 自然界の力を利用するので、その運動は自然の力の運動と同じになるのだ。
宇宙船(円盤や母船)内の発生器によって生み出される推進力は、地球の物理研究所などで用いられるファンドグラーフ静電気発生機で発生する力にたとえられる。(以下略。)」
すでにアダムスキー問題研究家のあいだではよく知れ渡っていることだが、パロマーガーデンズで金星の円盤から投下されたプレートに現れた象形文字と図形を、後に南ア共和国人のバシル・バンデンバーグが解読して研究した結果、この中に宇宙船の推進原理の秘密が隠されていることが判明した。そして彼は小さな模型のモーターを開発したのである。それは小さな磁石を沢山つなぎ合わせて円型とし、更にこれが二重になって、中心部には穴があいている。二重の磁石チェーンは互いに逆方向に回転する。こうして人工の重力場を作り出したモーターは空間に浮かび上がって停止するという。
これを発明するまでに彼は物理学やその他の科学知識をフルに応用したけれども、最後に発見した原理はあまりにも"非・科学的"なものであったので、彼自身大いに驚き、「こんな簡単なものをどうして小学生でも思いつかをかったのだろうと言って後世の科学者は驚くだろう」と語っている。写真によると、そのモータ−は掌に載せられており、輪切りにしたパイナップルを二枚重ねたような形をしている=上段の写真。
現代の科学理論はあまりに複雑化し、隠れている素晴らしい法則を発見できぬほどに歪められているのだろうか。 とにかく円盤の推進原理というのは意外に単純明快なもののようである。そしてカギはどうやら磁石にあるようだ。これを見直すことが肝要かもしれない。
(終わり)
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