人間が望んでいる安定した状態、心と世の中の平安などは、この転換期が終わるまでは来ないでしょう。最もよく知っ ている人々は、この地球が位置を変えつつあることに気づいていますが、同じ事 が太陽系にも発生しつつあることには気 づいていません。そうなると太陽系内の あらゆる惑星は影響を受けるでしょうし、 なかには他の惑星群よりも激烈な影響を 受ける惑星もあるでしょう。地球は最大 の影響をこうむる惑星群の一つです。これは逆立ちしている人にたとえられます。血液が頭の方に流れ、肉体のあらゆる器官はねじれてしまいます。そうする とあらゆる分子は新しい位置を求めますが、地球もこれと同じ状態になります。
地球はある一定点まで緩慢な変化を経 ています。この新しい位置にむかって動 くにつれて、その内郡のあらゆる要素は同じ目標にむかってその位置を変えてゆきます。人間もこれと同じ無機物や要素で出来ていますから、やはり影響を受けるでしょう。人間は気候や大気のわずかな変化にも反応を示しますが、それと同様に来たるべき変動にも反応を示すでしょう。自然界が進展してゆく限り人間の心の中に不安は広がるでしょう。 地球の変化が終終われば人間の不安な気持ちもあわるでしょう。
以上の理由により、未来に発生すると いわれている変動について多種類の予言が出てくるのです。25億の人間は 「発生するだろう」とみんなが考えてい る物事に関して、期待の想念を放っていますし大抵の予言はこうした想念の影響以外の何物でもありません。人間の心についてほとんど理解していない人々は、 こうした想念を受けて、それがスペース ・ピープルからのメッセージまたは神からの啓示だと思い込みます。 当然、こうした想念類の小部分は正しいので、人 はワナにはまって、自分が生きた実体、 またほ神とコンタクトしていると信じ込 むのです。
地球自体が落ち着くまでは、こうした期待の結果として未来に関する予言は続 くでしょう。地球が落ち着けば人間も落 ち着くでしょう。
一方、この不安に満ちた現状下では、 カタストロフィー(大破滅)が発生するかもしれません。何が人間に影響を与えているかに気付かないで、人問は自己の周囲の関係ある状況を是正しようとして破滅的な事をやらかすかもしれません。 ちょっとした忍耐力と、実際に起こっている物事の理解力があれは、人間は自然界を正しい道に行かせることができるのです。過去よりも未来において人間により大きな奉仕をなさしめるように自然界は変化すると言ってよいでしょう。だからある印象は大いなる未来を語るのですが、一方、大抵の印象は破滅を語るわけです。性急と知識の欠乏による破滅です。
今このことが世界中に発生しているのを見ることができます。それは個人や国家間で起こっています。大抵の場合に不快な状態が存在しますが、これは進歩が行なわれる唯一の道であるようにも思われます。自然界はそれ自体の方法を持っていますが、人間は別な方法に従います。
自然界はときとして人間に不快と思われる事を多くやりますが、これほ自然の法則の誤った理解のためです。肥料の匂いも不快ですが、ソロモン王は言っています。「肥料によって百合は生長する」
何が起こっているかを理解するためには、自分を感情の混乱にゆだねないことです。心を静めて、自己の周囲にあるもろもろの期待感に身をゆだねないようにしなさい。
美しい牧草地に達するには沼地を越える必要があるでしょう。 現在私たちはその沼地の中にいる言えいます。私たちはあらゆる種類のイデオロギーに取り巻かれていますが、そのなかにほ良いのもあれば、わるいのもあります。新しいものを人類に役立たせるには、それが生まれる前に古いものを去らせる必要があります。賢明な人は変化のあらゆる動きを観察しますが、愚かな人は荒れ狂って自分を滅すでしょう。
久保田八郎訳
ーこの記事は1960年代に書かれたので現状の分析ではないが、関連はあると思われる。ー |