これは現代の人間世界を現しているでしょうか。だれしも「そうだ」と答えるでしょう。テレビやラジオなどは人間の意見を伝えていますが、同胞愛の要素は見当たりません。その結果は混乱でしょうか。たぶんそうかもしれません。しかし、迷いのモヤをすかして、被創造物全体の生命表現による「一体化」を見ようという個人の欲求から出てくる一条の希望は残されています。特に人間界という一大家族をみようとすれば。
「自分を愛するように他人を愛せよ。」こんなことは不可能だと普通の人なら言うかもしれません。生命に対するこのような態度が何を意味するかを考えてみましょう。「平和」「健康」「幸福」「豊かさ」そんなものはユートピアだと言う人があるかもしれません。
しかし自身の考えでもってやってみる価値はあります。なぜなら人間は「活動する想念」であり、「人間は自分が考えるとおりの者になる」からです。そこで一つ、「楽しい想念」という回転木馬に乗ってみようではありませんか。たぶん何回もぐるぐる回って、どこで止まるか分かりませんが、とにかく気軽に飛び乗って楽しく遊んでみることにしましょう。そして恐怖や不安から解放されると、進んだ考え方に対して受容的になってきます。
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▲在りし日のウェルズ女史 |
こうした想念傾向を保ちながらジョージ・アダムスキーの生活態度や教訓をのぞいてみることにしましょう。ブラザーズはアダムスキーに「(現代のような)諸状況はいずれ起こってくる。人間の想念傾向と行為により、そうなることがわかる。」と語っています。この予言は耳を傾けた人たちに与えられ、無数の人々が永遠の「真我」を知ろうとして熱心に研究しました。そして万人のうちにひそむ神を認めようとしたのです。この研究により理解と英知が与えられました。
アダムスキーは非常に多くの生まれ変わりを経て学習・指導・奉仕を続けた人ですから、別な惑星から来たブラザーズは彼を通じて容易に活動ができたのです。そして昔イエスが愛の法則を教え、いろいろな救世主が大衆の必要とする宇宙の法則の一面を伝えたように、ジョージ・アダムスキーも法則研究の常識的なパターンを私たちに伝えました。これを真面目に応用すれば「真我」という未知の領域に入れるのです。また未開発の能力も出てきます。
「真我」を深く理解していた彼は、それによって、宇宙の法則について彼に尋ねた人々の必要とする事柄を教えることができました。人間の普通の心(マインド)をもってしては必ずしも彼の知識や知恵の深さを理解できませんでした。これは自己欺瞞という暗い土牢の中で個人的意見によって宇宙の法則をさばいている人々にとっては今でも理解できないことです。強い言い方かもしれませんが、本当なのです。
これはなにも英雄崇拝を意味するものではありませんし、アダムスキーを他の人々の上位に置こうとするものでもありません。私が30年以上も彼のために働いた間に観察した事実なのです。ある人々の主張は私の心を淋しくさせます。その人々は心理と財産とを交換したがっているらしい。しかし、いつかは彼らも自己流の価値判断の愚かさに気づいて、もっと価値のある奉仕の道を進むようになるでしょう。
私は度々次のような質問を受けてきました。
「アダムスキー氏の地上での仕事は成就しなかったのに、なぜブラザーズは彼の死を防がなかったか」と。
私の答えは次のとおりです。
「高度な知識の伝達のための一道具である彼の仕事は成就した。彼の著書『テレパシー』『生命の科学』などにこのレッスンを私たちは記録した。まじめな研究者が研究し、理解し、生きるには、これで充分である」と。 |