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 金星ロケットの或る事件

ニューズレター No.45 昭和46年発行 より 

地球の外側に知的生物が存在するというのはサイエンス・フィクションの話だけだろうか

多分そうかもしれない。だがメキシコの新聞オパオネス″1970年6月26日付によると、1969年2月4日から7日までの問に不思議な事件が発生した。ソ連のロケットが"隕石"と衝突しそうになったというのである。これはソ連、米国、英国の宇宙開発科学者たちの非常な関心事となり、彼らは別な惑星から来た人間が宇宙空間を探検し、メキシコの或る地域を調査しようとしているのではないかと考えている。

 1969年2月にソビエティック・コズミック・アバンイタス″(ソ連では彼らのロケットをこのように呼んでいる)が、写真撮影のために金星へ飛んでいた。その時ロケットが危険状態になったことが発見された。

 英国の科学者で宇宙スパイ″というあだ名のバーナード・ロベルがイングランドのジョドレルパンク電波天文台からこのロケットの航跡を観測していた。すると1個の"隕石"がロケットと同一軌道上を接近して来るのに気づいたのである。ただちに彼はソ連の科学者団に通報した。そこで科学者団は至急に計算して、この二個は衝突するかまたは摩擦によって互いに破壊されるという結論に達した。急遽司令センターはロケットの軌道を変更した。ところが驚いたことに"隕石"も同様に軌道を変えたのである!続いてロケットは元の軌道に返った。すると"隕石"もまた同様に行動したのだ!

 しかし驚くべきことに、"隕石"が地球の大気圏内に突入した時も分解しなかった。それどころか飛来を続けてついにメキシコ、ドゥランゴのセバヨスに落下したのである。当然この事件は新聞の特ダネにはならなかったが、それ以来その地域はソ、米、英の科学者の関心の的になり、ひそかに調査に来る有名学者が多かったが、その中にはロケットの父といわれるフォン・ブラウンもいた。

 しかし米航空宇宙局が地図上に大きなシルシをつけたこのセバヨス事件はこれで終了したわけではない。それどころか、その地域の動物たちがなぜか突然変異を起こしたのだ。メキシコ石油会社の技師ハリー・デ・ラ・バナの説明によると、彼は"隕石"の落下した地点の付近で微細なホコリを発見したので顕微鏡で調べたところ、穴のあるガラス層から成っていることがわかった。こは見たところ爆発前にガスで満たされていたようであった。奇妙なことに米国の最初の月着陸の際に宇宙飛行士がこれと同じホコリを月面で発見している。

(終わり)

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