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| ├ 写 真 |
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| クリスマスのメッセージ | |
日本GAPニューズレター 第13号 1963年1・2月号 より |
今年またこの時期に我々は1962回目のキリストの誕生を祝います。しかし私は今度のクリスマスも、あのキリストなる幼児を銀や黄金とひきかえに勘定台の上で売っていた過去となんら異なるものではないだろうと思います。
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あの"謙虚な誕生"を各人の心のなかに起こさしめるほどに人間のだれもが謙虚になるのはいつのことでしょう。しかし人間が謙虚になることこそキリストが生まれてきた目的を遂行することになると思います。どうぞ地上に平和がもたらされて、皮膚の色のいかんにかかれらず、万人に親切さがゆきわたりますように−。
キリストという意味を昔の人々の日常生活の土台にしようとして、当時の指導者がやったように、クリスマスの日にいったいどれだけの人が貧しいカイバおけの前に立ってみることでしょう。 多くの人は言葉でいうことはやさしいが、実行するのはむつかしいというかもしれません。しかし戦争をするための努力、不愉快な物事、自己満足などのためになされる決心が、カイバおけの前に立ってみようという努力のためにおきかえられるならば、やがて地上には天国が出現するでしょう。 新しい年の始めには多くの人が決心をしますけれども、それはめったに長続きしません。なぜでしょうか。それはこうした決心が人為的なわざとらしいものであって、しっかりと植えつけられていないからです。根づよく植えつけられている人は人為的な支えを必要としません。その人はいかなる逆境にも耐えるほどに強いからです。岩の上に建てられている家はいかなる嵐にも耐えますが、くずれやすい砂の上の家はこわれがちです。 そこで来たる63年こそは私たちを一体化されたヒューマニティという岩の上に築こうではありませんか。そうすれば弱い建築のつっかい棒にすぎない"へつらい"や"おせじ"を求めて生きる必要はありません。その場所には疑惑や恐怖のかわりに信念と信頼をおこうではありませんか。そうすれば私たちは自己の内外にたえず新しさを見ることになるでしょう。 (終わり) |
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