月着陸船の謎
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▲アポロ17号の月着陸船が任務を終え、指令船とドッキングする直前。 |
読者は本書の(原書の)写真相に見られるアポロ17号の月着陸船の離陸の模様を伝えたカラーテレビ写真を参照されたい。この写真にはロケットの排気ガスの跡が全然ないのだ!
月が強い引力を持ち、地球に似たかなりの大気を持つという莫大な証拠がこれまでに与えられてきた。この写真に見られる黒い空は、空の部分がおそらくフィルターで落とされたものである。一見すると、空を暗くするのに用いられた暗黒化処理法により、ついでに排気ガスも消してしまったと思われるかもしれない。しかし空は暗くされても大気は存在するのである。それゆえに強い引力も存在するから、ロケット類は初めは作動しないだろう。
前記の写真をくわしく調べてみると、月着陸船の上昇段が照らされているように見える。この輝きは着陸船の輪郭をあらわすもので、明らかに排気ガスのそれではない。しかしこれは着陸船の側面にあたった太陽光の反射なのかもしれない。もし排気ガスが少しでも現れるとすれば照らされた上昇段の下に見られるだろう。
写真19(原書掲載)に見られるアポロ宇宙船の離陸の光景と、前記のアポロ17号とを比較してみよう。赤、青、緑、黄色などの斑点は、上昇段の底で多くの活動が発生していることを示しているように思われる。一つの可能な説明としては、上昇段を降下段に連結していた爆発性ボルトが爆発したということだろう。このために金属の破片や他のクズが船底から吹き飛ばされたのかもしれない。
別な可能性としては、ロケットが単独の推進装置であることを大衆に確信させるために、最初の噴射用燃料を少し燃やしたとも考えられる。筆者は完全を離陸を示す8ミリフィルムを人手したが、最初の噴射はロケットのノズルから出てくる赤色の羽毛のように見えることに気づいた。しかし上昇段が降下段から切り離されるとすぐに停止した。
写真20は写真19が撮影された直後のアポロ16号の離陸の写真である。ロケットのノズルから出るはずの排気ガスが全然見えない。これらNASA(米航空宇宙局)の写真類を疑おうとする人たちは、排気ガスは真空中では目に見えないのだと主張するだろう。しかし化学的なロケットはカ氏数千度で大量の燃焼物を排出する。この燃焼物やガス類は排気ガス航跡の中に強烈な光を放射し、それがロケットのノズルから長く伸びる。ノズルからの距離が増大するにつれてガスや燃焼物は散り始めるのである。
この量の光ならば、しばしば周囲の地域を照らすのに充分なことがあり、最大に強い光は排気ガスの流れ自体の中にある。真空というものは排気ガスの流れから放射される光を除く効果をほとんどもたない。これは排気ガスや他の燃焼物がそれ自体の放射エネルギーまたは光を供給するからである。
とにかく(先に述べたように)分離の際の最初の噴射または燃焼は、上昇中にも燃焼物が見えたはずであるという証拠 を示している。その燃焼物が最初に鮮明に見えたからである。
おそらく読者はアポロ11号に先立って新聞や他の文献に掲載された月着陸船の離陸の図解を思い出すだろう。それにはきわめて鮮明な排気ガスの流れがいつもロケットのノズルから出ている光景が描かれていた。要約すると、月着陸船の写真類やフィルムなどは、ロケットが月面から脱出するために用いられたのではないという証拠を示しているのである。
アポロ宇宙船は反重力装置を用いた?
月着陸船の航空力学的を問題はまだ論じられていないが、これは明らかに航空力学にとって不幸なことであった。このことは月面上の真空状態に関係はないとNASAは強調している。月には濃密な大気があるという証拠は出てきたので、月着陸船が高速に達すると航空力学的に不安定になるだろう。このことは速度が危険なスピードにならないように保たれたにちがいないことを意味している。
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▲月ヘアポロ宇宙船を運んだサターンXロケットの打ち上げの瞬間。 |
低速はロケットでは有効に行えない。スピードを満とすと、必要な燃料は天文学的な量になるからである。また降下中と上昇中に宇宙飛行士たちが立っていたというのも意味深長だ。おそらく彼らは天井に取り付けた安全ベルトで適当な位置に保持されていたと思われる。しかしそれでさえも、この種の装置をつけた飛行士はかなりの減速や加速に耐えられないだろう。このことは加速や速度は低く抑えられたことや、ロケット燃料を有効に使用するために最悪な状態が生じたことを意味するのである。
宇宙飛行士を月面に着陸させたり離陸させたりするのに、NASAは実際にどんな方法を用いたのだろう?
巨大なサターン打ち上げロケット(訳注=アポロ司令船、機械船、月着陸船などを運んだ大口ケット。三段から成る。全装備の高さは111メートル、打ち上げ重量は2,913トン、F−1第一段エンジンの推力は3,470トン)の製作計画図は、月の強い引力の発見に先立って間違いなく製図板上にあった。
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▲米軍に逮捕されたときのフォン・ブラウン |
ヴェルナー・フォン・ブラウン(訳注=もとドイツのロケット開発科学者。第二次大戦中、披が設計した長距離ロケットV2号はオランダからイギリス本土攻撃に使用され、イギリス人を恐怖させた。このロケットが発展して今日の弾道ロケット誘導弾や人工衛星打ち上げ用ロケットが作られるようになった。ドイツの敗戦後米軍に捕らえられてアメリカへ送られ、米陸軍の長距離ロケットの研究を行い、60年以後はNASAに属してアポロ計 画に偉大を貢献をした。77年に65歳で没)は、NASAが設立されるよりずっと前にこのようなロケットを心に描いていた。実際このロケットは大きいので、月へ化学ロケットを用いた着陸船を送り込むには少なくとも7倍も大きなものが必要となったことだろう。反重力装置が開発されたあとは、サターンロケットも必要なくなるだろう。
しかし大企業や軍部の勢力が宇宙開発計画に深くかかわっている。このプロジェクトが続いても軍部は新しい発見事を秘密にし続けるだろうし、大企業によって数兆ドルの金がつくられて軍部の秘密研究プロジェクトに使われるだろう。かつて宇宙飛行士たちは大気圏外に飛び出たが、そのときは進歩した反重力装置が秘密裡に用いられたのかもしれないし、大衆はメクラにされている可能性がある。
軍部はアポロ計画以前に月へ人間を送っていた?
軍部は金のかかる防衛予算の誘因や要求を出し、大企業はその支出から利益にあずかろうとする。米政府はこうした企業のあやつり人形と化しているのかもしれない。本章で述べたようをエネルギー発生装置が一夜にしてエネルギー危機を消滅させ得ることを考えてみれば、読者にとってこのことは明白となるはずだ。実際、エネルギー危機は世界のエネルギー企業の利益のためにつくり出されているのだ。
NASAがロケットだけでは人間を月面に着陸させるのに充分でないことを発見したとき、資金は間違いなく重力研究や関連プロジェクトに向けられた。軍部はたぶんすでにサール効果やビーフェルト=ブラウン効果を1950年代初期に研究していたのだろう。そして1950年代なかばまでには、この装置を完成させていたかもしれない。加うるに重力を誘起する放射線を発生させる装置が1960年までに開発されていたとも思われる。確実に可能性があるのは、米軍部はアポロ11号が月に着陸するよりもはるか以前に月へ人間を送っていたということである!
アポロ宇宙船に用いられたこの新開発の浮揚装置は、必ずしも宇宙船が百パーセントこの装置によって作動しコントロールされたというほどに使用されたのではない。おそらくそれはブレーキ、軟着陸、上昇時に主推進源として用いられたにすぎないだろう。姿勢制御は依然として小型のスラスターでやったのかもしれない。この新しい反重力装置も最少限度に使用すれば、秘密を維持するのははるかに容易である。
この浮揚装置にパワーを送るにはやはり電気エネルギーが必要である。サール効果は浮揚装置を始動させるのにわずかな電気エネルギーを必要としたにすぎない。あとは周囲の空間からのエネルギーがそれを支えるのである。しかし重力誘起放射線発生器は絶えず電源を必要とするだろう。とにかくアポロ宇宙船にはサール効果発生機、ビーフェルト=ブラウン効果装置、重力誘起放射線発生器、その他の秘密な装置の種々な組み合わせが応用されたにちがいない。
ソ連も反重力装置を開発したか
NASAや米空軍がUFOに関して沈黙を守ってきたのは、彼らの反重力装置の開発と利用のためなのかもしれない。 空軍が実に1950年代の初期からUFO研究に多大の時間と労力をついやしたことはよく知られている。彼らがその経過においてUFOに関して多くの事を学ばなかったと考えるのは素朴であろう。
彼らのUFOに関する完全を黙秘策は、大衆から隠さねばならぬ物を持っていることを示している。1947年にニューメキシコ州ロズウエルで墜活したUFOに関する政府の隠蔽の詳細を記事を読むには、チャールズ・バーリッツとウィリアム・L・ムーアの『ロズウエル事件』と題する本を強くすすめたい。1950年代と60年代に目撃されたUFOの多くは米空軍が所有していたものであるという可能性は充分にある!
宇宙開発競争におけるソ連の役割は控え目に言ってもきわめて謎だらけであった。ソ連は月にむかってアメリカを出し抜こうとしたときに、この競争から手を引いてしまった。それともソ連はやったのか?
ソ連はアメリカよりも前に月探査機を月に軟着陸させている。これは反重力が応用されたか、それとも探査機を ゆっくり降下させるのに月の大気が利用されたかのいずれかを意味する。月の大気が利用されたとすれば、地球の大気圏突入時にカプセルの表面に用いられる物に似た熱遮蔽物が用いられたであろう。
1970年9月20日、ソ連はルナ16号を軟着陸させた。これは月の豊穣の海から採取した土のサンプルを持って地球 へ帰還した遠隔操作の月探査機である。
この業績はアポロの月着陸に比較して無意味と思われたが、この装置は月の強い引力の中で反重力推進システムを必要としたかもしれない。アメリカのサーベヤー探査機は月の強い引力中で軟着陸するほどの燃料を持たなかったので、1960年代なかばには米ソ両国によって反重力装置が月探査機に用いられたと思われる。
ソ連は完全な秘密裡に月へ人間を着陸させてつれ戻すのに反重力装置を用いたかもしれない。月には強い表面引力があることをソ連が1959年に知ったあと、ロケットだけで成功するのは不可能なことがわかったのだ。そこで彼らはアメリカに世界向けのショーを演じさせておいて、反重力に注意をそそいだのだろう。
限られたロケットによる宇宙探険計画を維持し続けることによって、彼らの反重力による探険の試みの秘密も維持できたのだろう。
『ソ連はふたたび宇宙支配を断行する』と題する記事が、1979年9月30日付のオレゴン紙に掲載されたことがある。この記事の筆者はかつてアポロ10号の宇宙飛行士トーマス・P・スタフォード陸軍中将が議会へ送ったメッセージを引目している。中将は当時研究開発チームの副主任であった。
スタフォードは、ソ連は月到着競争の逆行から元へもどろうとし、国力のシルシとして意欲的に努力を進めていると信じていた。ソ連は宇宙ステーション、コロニー、軌道を回る工場群、さらに別な惑星へ人間を送る方向にまで研究開発をやっていると思われていた。
1980年10月11日に、2人の宇宙飛行士がサリュート6号宇宙ステーションに乗って、185日すなわち6ヶ月以上の飛行記録を樹立してから地球へ帰還した。前記の引用記事によると、スタフォードはソ連が有人軍用宇宙船の可能 性を開発しつつあると信じていた。
チャールズ・S・シェルドン博士もこの記事で出てくる。彼はソ連が全く新しい輸送宇宙船を用い始めたかもしれないと言っている。加うるに彼はソ連が巨大な宇宙ステーションと、別な惑星を探険するために有人惑星間探険船を建造するだろうと予想していた。しかしシェルドンはソ連が用いると思われる推進装置を説明していない。従来のロケットを用いて引力の強い惑星へ宇宙飛行士を着陸させるのは、どこの国にとっても経済的に大変である。したがってシェルドンの主張が本当とすれば、ソ連も反重力装置を持っているかもしれない。
読者は、軍部にとって利用できる最新の技術は、一般化されるよりも常に数年先を行っていることを思い出すだろう。ソ連はアメリカよりも浮揚装置の開発や他の惑星の探査でおそらく先行してはいないだろう。十中八九はアメリカの有人宇宙探険はアポロ飛行後もけっして中止されてはいない。ソ連が一つの口実としてサリュート6号宇宙ステーションを用いをがら6ヶ月間にわたり、月や他の惑星に宇宙飛行士を送るかもしれないと考えるのは興味ある可能性である。そうだとすればアメリカは何をやろうとするだろう? スペースシャトル計画は軍部の宇宙開発作戦のためのもう一つのオトリなのだろうか?
驚異的発見事の隠蔽また隠蔽
NASAの隠蔽の結果、NASAやオーソドックスな科学者連によって一般へ公開された別な惑星に関するあらゆる発 見事を、疑惑の目で見る必要がある。月の強い引力により、惑星の引力と大気に関する概念やその他の宇宙論的概念にたいして徹底的を修正が要求されている。
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▲アポロ宇宙船が撮影した月の裏側。中央左寄りに人工建造物らしき物と白いスジが数条見える。 |
以上の考え方や莫大な証拠は、太陽系内の多くの惑星や衛星にはわれわれを陵駕した技術を持つ知的な人々が住んでいるかもしれないことを示唆している。そうだとすれば、宇宙空間におけるアメリカやソ連の作戦はこの人々によって制限され、一定の範囲に限定されるかもしれない。われわれはこの人々が超大国の進出を阻止してくれることを望みたい。なぜなら軍事目的で宇宙空間を利用するのは結果的にわれわれの破滅に至るからである。
本書に出された証拠類は、エネルギーに関連した重大な発見事のすさまじい隠蔽が行われてきたことを示している。NASAのこの隠蔽はその小部分にすぎない。この隠蔽の理由は簡単に述べたけれども、多数の新しい発見事は驚異的である。もしアメリカ政府がこの発見事の公式声明を出したら何が起こるかを考えられたい。引力の性質に関するありふれた知識とそれをコントロールする金のかからぬ方法こそ輸送に大変革をもたらすだろう。そして実際的に無限のエネルギーを持つ新しい世界が混沌の中から出現するだろう。
(完)
訳者(久保田八郎)付記:
二年間八回にわたって連載した『ムーンゲート』も本号でやっと完結した。ご愛読頂いた読者に謝探する次第。原著者の驚くべき証拠類と卓越した推理により月に関して驚異的な真相を暴露した本書はUFO問題にも言及し、地球以外の惑星群に偉大を人類が存在することを示唆している。原著者ブライアン氏が宇宙問題のパイオニアーとして輝かしい名を残すことを期待したい。本誌に無償で翻訳連載権を与えられた同氏に心から感謝する次第である。 |