観測された月面の怪現象
そしてそれを裏付けるような月面の怪現象が昔から観測されていたのである。
1950年3月3日、H・P ウィルキンズは、月面のアリスタルコス=ヘロドトス地域に、気味悪く輝くタマゴ型物体を5インチ反射望遠鏡でみずから認めた。
「クレーターの地盤付近の上空に浮かぶ光る機械のような物」だったと彼は述べている。それより6年前の1944年8月2日の早朝にも、彼はプラトン・クレーターの中心部付近に、強烈に輝く丸い物体を見ていたのだ。1953年9月6日には、英国天文学協会の月面部のメンバーであったルドルフ・M・リッパートが、オレンジ色の光体を発見したし、1963年月3日には、米アリゾナ州のローウエル天文台で、天文学者のジョン・グリーネーカーが、大きなルビーに似た赤い光体を観測している。こうした例をあげればきりがないほどあり、過去200年間に800例以上もの異常現象が有能な観測家によって報告されているのだが、どういうわけか天文学関係の書物に記載されていない。
たとえば前述の「オニール橋」を発見した大天文学者パトリック・ムーアは、1966年4月3日から5月1日の夜にかけて、ガッセンディー・クレーターのなかに輝く赤い光点を1個観測したけれども、当時、月は全くの死の世界と考えられていたために、学者連は火山活動かガスの噴出ではないかと憶測した程度で、ほとんどかえりみられなかったのである。
宇宙飛行士、UFOを目撃!
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▲ 1962年2月20日、米海兵隊のジョン・クレン中佐が搭乗したマーキュリー6号(フレンドシップ7)が、改造型アトラス大陸閏弾道ミサイルで、キューバに近いフロリタ半島のケーフカナペラル基地から打ち上げられた。そして約5時間の航行で地球軌道を3周した後に無事帰還したが、その間彼は宇宙空間で不思議な現象を目撃してアダムスキーの主張を裏づけた。©NASA |
やがて宇宙開発時代が始まった。まずソ連が最初の人工衛星を打ち上げる。負けじとばかりに、アメリカも次々と打ち上げる。そして一連のアポロ計画により、人類最初の月面到着という輝かしい業績が達成される。
人々は興奮した。何か異様な物が月面に ― 特に月の裏側で発見されるのではないか。だが期待は外れた。地球へ帰還する宇宙飛行士たちは全くありきたりのことしか言わず、表面も裏側も完全な死の世界であるかのごとき印象を世界に与えてしまった。果たして月は水も空気もない岩石のかたまりにすぎないのだろうか?
「隠されている物事で、明るみに出ないものはない」という法則がある。なぜなら地球人の心は秘密というものを保ち得ないほど脆弱であるからだ。これは宇宙飛行士といえども例外ではない。
ジョン・グレン中佐が初めて有人衛星船に乗り、地球を回る軌道を飛んだとき、それまで何もない暗黒だと思われていた宇宙空間に、多数のホタル火のような発光体が浮かぶのを目撃したと帰還後に発表して、世界を驚かせた。狼狽した米政府の権威筋は、以後宇宙飛行士に対して厳重な緘口令をしいた。宇宙空間でいかなる驚異的事物を目撃しても、一切他言するなという命令である。だがこれは無意味だった。宇宙飛行士たちも人間なら、それを取り巻く関係者も人間であり、しかも陰謀や策略が渦巻いている。極秘事項が絶対完全に保たれるわけがない。こうして次々と驚異的な事実が明るみに出たのである。
ところでグレンが目撃したホタル火現象はなんだったのだろう?
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▲マーキュリー9号に搭乗するLeroy Gordon Cooper(リーロイ・ゴードン・クーパー)©NASA |
おそらく地球人として最初に宇宙空間へ飛び出した彼の衛星船を見守るUFOの群れから放射された"何か"ではなかったか!
このような世紀の大実験を別な惑星の人間が ― 存在するとすれば ― 無視するはずはない。そのUFO群が友好的なものであってもなくても、地球人類の科学的進歩は彼らの注目の的となるだろ。
宇宙空間で異常な現象を目撃したのは彼だけではない。明確にUFOとわかる物体を見た最初の宇宙飛行士はゴードン・クーパー少佐である。
1963年5月5日、フェース7号で地球を回る軌道に乗っていたクーパーは、ハワイ上空で第4回目の飛行を続けていたとき、気味の悪い声が受信機から流れるのを聞いた。これは全く不可解な外国語で、この録音テープを後に調査した結果、地球上のいかなる言語でもないことが判明した。この宇宙船の地上との送受信は特殊なVHFで行われており、他からの干渉を受けるはずはないにもかかわらず、突然不思議な声が割り込んできたのである。
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▲1963年5月、マーキュリー7号にで地球をまわる軌道にのったクーパー少佐が、宇宙空間で奇妙な物体を目撃、撮影した。 |
奇妙な体験はまだ続いた。最後の21回目の軌道を飛行中、クーパーがオーストラリア、パース上空にさしかかったとき、不気味な光体が彼の方へ接近するのを見たのだ。
「光る物がこちらへ接近中!」
「ボギーか!(『妖怪(ボギー)』とは」NASA<米航空宇宙局>の職員がUFOにつけているニックネーム)」
「そうらしい。本船よりも高度を飛んでいる!」
地上の管制センターと交信した彼はその物体がかなり大きな物で、星ではなかったと言っている。
「この宇宙空間で我々が興味ある生物を発見してそれと親しくすることは可能かもしれない。お伽話は信じないが、私に言わせれば、地球の周辺には無数の未確認飛行物体が存在するので、地球以外の宇宙空間にある種の生命が存在する可能性は否定できない」とクーパーは述べている。
第3話へ続く |