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 神秘の錆びたナイフ 第2話

 7つの謎と奇跡 1981年主婦の友社発行 より転載

いったいにブラジルは人種差別の偏見のない国で、国民はおおらかな包容的精神に富み、アメリカよりも広大な国土の大半は千古のジャングルに覆われている。

奇跡の証人 プハリック博士

こうしたお国柄か、ここでは神秘的な現象が信じられやすく、UFOなどはとっくのむかしに政府が実在宣言を出したし、1958年1月にトリニダード島でブラジル海軍の練習船アルミランチ・サルナダ号の甲板からカメラマンのアルミロ・バラウナが撮影した有名なUFO写真は、当時、大統領の執務室に掲げられていたといぅ。また霊界の存在を信じようとする心霊主義も盛んで、事の是非はともかくとして、新奇な事象に対するオープンマインドと進取の気性に満ちた国であった。

▲1963年にアリゴー家を訪問したプハリック博士。
▲1963年にアリゴー家を訪問したプハリック博士。

アリゴーの神秘的な体験はしだいに広まった。ドイツ人名医の亡霊がついているという噂も流れた。だがアリゴー自身は心霊主義を極端に否定し、自分はドイツ人医師の姿を夢に見るだけだと主張して、自宅のドアーに『この家族はすべてカトリック信徒である。心霊主義は悪魔の教えである』という表示板をかかげた。

ピッテンクールの話を聞いた人々はアリゴーの家へ殺到した。不治の病に悩む人々が最後の望みをこの超能力手術者に託して来る。いかなる方法に頼ろうが、とにかく治りさえすればよいのだ。権力者や大金持や有名人といえども業病には勝てずに、あえなく世を去ってゆく。権力も富も最終的には無意味だということだ。だから医師に見離されながらもなお生に執着する人間は、なりふりかまわずにアリゴーのもとを訪れた。そして止血も縫合もせずに、わずか一ちょうの古めかしいナイフで腫瘍などを取り出して瞬間的に全治させる奇跡的な手術を受けて満足して帰っていった。

噂は噂を呼び、アリゴーの名声は高まり、政府高官や有名実業家、芸能人たちがコンゴニャスの田舎町へやって来た。医師や科学者たちも調査に来るようになった。そのなかに例のプハリック博士もいたのである。

博士は米ノースウェスタン大学医学部の出身で、秀才として知られていたが、超自然現象にも深い関心を持つ進歩的な人物だった。まだ40歳代なかばの前途有望な学者で、かねてからフィリピンの心霊手術の報告に興味をよせていたものの、仔細に調査をすると、その大半はインチキであることが判明して、この種の超能力現象にある程度失望していたのだが、アリゴーは本物らしいと聞いてから、矢も楯もたまらずにこの辺びな土地を訪れたのである。

最初の手術を行なう直前にアリゴーが神への祈りを患者たちにすすめるのを見て、いかがわしい宗教的雰囲気を感じたプハリック博士は、続いてやつぎばやに眼前で展開する驚異の離れ業に仰天してしまった。

なんということだ。ニューヨークのベルビユー病院の科学の粋をつくした最新の設備や優秀な医師団の治療よりも、はるかに高度な治療をこの無学な田舎者は平然とやっているのだ!奇跡とはこのことではないか!

プハリックは決意した。よし、自分も手術を受けてみよう。そしてこの目でたしかめよう。成功すれば自分は奇跡の証人となる ― 。

博士には多年、持病があった。右腕のひじに脂肪腫があって、このハレモノで大きなコブができていた。当面痛みはないが、いつ悪化するかわからない。これを取り除いてもらおう。

アリゴーにその旨を申し出ると、彼はよろこんで応じた。そして患者たちが所持していたナイフを5、6本出させてからそのうちの一本を選び、手に取った。

博士は不安になった。原始的な生活をするブラジル人の持つナイフには恐ろしいバイ菌がついているかもしれない。それを消毒もしないで切開に使用すれは敗血症になるだろう。

▲アリゴーがプハリック博士の手術に用いたナイフ。上は取り出された肉腫。

だがアリゴーは平然として博士の腕をまくらせ左手でそれを支えた。切開の状況を目撃しようとした博士に彼は目をそむけろと命じ、ナイフを腕にあてた。瞬間的に博士の右手に血まみれの肉のかたまりがどろっと落ちた。

「あっ、出た」

博士は恐怖と安堵の交錯した顔で、それを見つめた。ナイフの動きや肉腫が出る様子は見なかったが、小さな切り口にかすかな血のにじみがあるのに気づいた。痛みは全くなく、コブもきれいに消えていた。この手術の光景は折よく現場に居合せたサンバウロのジャーナリストのジョルジュ・リジーニがムービーカメラで撮影して、詐術でないことを立証した。

彼は手術後の回復の状態を写真に撮っておくため1日1回、包帯を交換した。

3日目に傷はふさがった。敗血症を起こしたり膿んだりする気配はなかった。4日目、彼は包帯を外した。

こうしてプハリック博士はアリゴーの特異な能力を確信するにいたったのである。

博士は後年、この体験を臆することなく人々に語り続けた。アリゴーの超能力手術が本物であることを世間に知らしめた勇気ある科学者としてプハリック博士の名も永久に残るだろう。

無意識で子宮ガンを摘出

アリゴーの不可解な神秘的な手術の背後にはむかしのドイツ人医師の霊がついて換作しているという噂は、彼の手術時における言動からみて、あながち否定しがたい面もあった。最初のピッテンクールのときもそうだが、彼が手術を行なうときはある程度のトランス状態におちいり、人格が一変するのである。きわめて尊大な態度をとり、言葉使いも横柄となって、別人のようになる。そして一日の手術が終了してからはもとの田舎者の無学なお人好しのアリゴーに返るのだ。この変化は彼独特のもので、自分でも自覚しないことがある。次のような例もあった。

コンゴニャスの町に住んでいた婦人の知人が子宮ガンになり、死を待つばかりとなっていた。これは恐ろしい病気で、早期に発見して子宮を摘出しない限り助からない。アリゴーが妻のアルレーテといっしょに見舞いに行ってみると、病人は気息奄奄(きそくえんえん)として、ものを言う力もない。信仰あついアリゴーが頭をたれて祈り続けていると、突然頭痛がして、ぼーっとなってきた。

▲ゴンゴニャスのアリゴーの診療所。
▲ゴンゴニャスのアリゴーの診療所。

彼はなかば無意識にその家の台所にとび込み大きなナイフを持って引き返すと、いきなり患者の毛布をめくり、婦人の両足をひろげて、性器の中へナイフを突っ込み、ぐりぐりとえぐりまわしたのである!

臨終をみとるために室内に集まっていた人々は悲鳴をあげた。アリゴーは容赦なくつつきまわしてからナイフを引き抜いたあと、右手を突っ込んで血だらけの大きなかたまりをつかみ出した。それは世にも恐ろしいい子宮ガンそのものである!アリゴーはそのかたまりを台所の流し場にほうり出して、また室内へ返って来た。

ところが一大奇跡が発生した。患者は股からナイフを下腹部へ突き立てられたときに痛みを全く感じなかったし、出血もなく、それ以後急に元気づいて起き上がったのである!医師が来て診察し、取り出された患部を調べて首をひねった。

死者は復活した。現実に全快した婦人の姿を見て、町中は騒然となった。魔術師アリゴーの名はいやが上にも高まり、数百名の病人が彼の家に押し寄せるようになった。

これ以外の手術時にもアリゴーは自分が何をしたのかを記憶していない例が多い。やはり不可視の実体にあやつられているのか、それとも、もっと不可解な原因があるのか、とにかく謎だらけである。たとえば彼は病人をひと目見て、手術をしないで処方箋を書くこともあった。しかも電光石火のいきおいで薬品の調合法を書くのだ。そしてそれを服用すると全治するのである。

ある婦人が腸ガンにかかり、余命2ヶ月との宜告を受けた。それまでに大病院で開腹手術を受けたが、すでにガンがあちこちに転移して手がつけられない状態になっていた。それでもこの婦人の夫は愛する妻を救いたい一心で最後の望みをアリゴーにかけて、骨と皮になった妻の体を抱いたまま飛行機でコンゴニャス目指してサンバウロから長途の旅に出たのである。

だがアリゴーは手術をしなかった。

「わたしが処方する薬をのみなさい。そうすれば治ります」

手早く書いた処方箋を見て、夫妻に同行した放射線科の専門医メデイロス・ソブリーニョ博士は首をかしげた。記入されている薬品類はありふれたものばかりだが、服用量が常軌を逸した大量なものになっている。しかしアリゴーの偉大な能力を信じる博士は、ともかくやってみようと思い、夫妻とともにサンバウロへ帰って、その薬をのませてみた。

不思議な効果が現われた。数日後に患者は室内を歩きまわり、ーヶ月あまりで体重がもとにもどったのである!その後、婦人は2度ばかりアリゴーを訪れてその都度処方箋をもらい、最後にサンバウロで外科医の開腹手術を受けたが、もうガンの形跡は消滅していた。全治したのである。このような例をあげればきりがない。無数の奇跡が発生しているのだ。

第3話へ続く

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