エゼキエルの四つの生き物
|
▲ジョーゼフ・ブラムリッチ。 NASA(米航空宇宙局)の科学者とし て航空機とロケットの設計で多大の業績をあげた。 |
特に 『エゼキエル書』 はどうみてもスペース・シップとのコンタクト体験記であって、このことはアダムスキーも認めているが、NASA (米航空宇酋局) の科学者であったジョーゼフ・ブラムリッチも、エゼキエルが見た物はまぎれもない別な惑星から釆た宇宙船であったという説を 『エゼキエルの宇宙船』と題する彼の著書の中で述べている。以下それについて説明しよう。
エゼキエルという人は旧約聖書に出てくる4大預言者の1人として名高い。預言者というのは神の信託を受けて神の言葉を述べる代弁者という意味である。
彼は紀元前597年の有名なバビロンの捕囚の際、エホヤキン王とともにバビロンに捕虜として連行され、ケバル河畔に住んだ。30歳のとき預言者として召命を受けてエルサレムの陥落を予言し、神殿における司祭としてユダヤ教の父とも言うべき存在となって、多数のユダヤ人に悔い改めと救済のために尽力した。
旧約の 『エゼキエル書』 の冒頭には次の一節がある。
「私が見ていると、北の方から激しい風が大いなる雲を巻き起こし、火を発し、周囲に光を放ちながら吹いてくるではないか。その火の中には競拍金の輝きのようなものがあった。
またその中には四つの生き物の姿があった。その有様はこうであった。彼らは人間のようなものであった。それぞれが4つの顔を持ち、4つの翼を持つていた。
脚はまっすぐで、脚の裏は子牛の脚の裏に似ており、磨いた青銅が輝くように光を放っていた。また翼の下には4つの方向に人間の手があった。4つとも、それぞれの顔と翼を持っていた(以下略)」
|
◆旧約聖書の『工ゼキ工ル書』で描写された物体を、ブラムリッチが推理して描いた宇宙船。飛行中は4本の脚が上方へはね上がって、たたまれる。 |
改宗したプラムリッチ
前述のプラムリッチは1959年にオーストリアからアメリカヘ渡り、NASAの機構設計部長としてサターン五型ロケットの共同製作者の一人として活躍し、多くの特許も取った人。
もともとエゼキエルが古代のコンタクティーであったという説を広めたのはスイスの研究家エーリッヒ・フォン・デニケンである。デニケンは世界中の謎の遺跡や遺物などを片っ端から異星人や大気圏外から来る宇宙船に結びつけた人で、『神々の戦車』その他の著書で名高い。かなり独断的と見られた面もあって、必ずしも世界のUFO研究家の全面的な賛同を得たわけではないが、メキシコ・ユカタン半島バレンケの『碑銘の神殿ビラミッド』 の地下墳墓に横たわるパカル王の石棺の蓋の浮き彫りのように、彼の”偏見的声明”によって世界に浮上して有名になった遺跡が多数ある。
|
◆上の絵は旧約聖書の記述にもとづいて忠実に再現した物。翼を持つ4つの生き物は人間、ライオン、雄牛、ワシなどの顔をあらわす。戦車には人間が乗っている。 |
このデニケンの「エゼキエル・コンタクティー説」を真っ向から否定したのがブラムリッチである。航空機やロケットの設計に多年たずさわった彼は、デニケンの説に対して反証をあげようと大研究をやった結果、ついにミイラ取りがミイラになったのである。結局、エゼキエルは正真正銘の宇宙船に遭遇したのだという結論に達したのだ!
4本脚を持つ宇宙船
彼によれば、エゼキエルが見た4つの生き物というのは、実際には生き物ではなくて、巨大な宇宙船の4本の着陸用脚部だったという。各脚には前後に動いたり横に回転する車輪が1個ずつついていた。翼というのは回転翼のことで、一種のヘリコプター式機構を持つ宇宙船であった。船体はロケットエンジンで推進し、巨大なコマ型の船体の内部に燃料が貯蔵されていた。ヘリコプター式回転翼は着陸態勢のときだけ使用されたらしいという。ブラムリッチは次のように述べている。
|
◆上の絵はイギリスの航空画家でパイロットのキース・モスリーが描いたもので、エゼキエルの「4つの生き物」を独自に解釈して、実際にはこのようなヘリコプター式の人間運搬機ではなかったかと推測しいる。 |
「疑うべくもないこの宇宙船は、技術的に可能であるだけでなく、その機能と目的を果たすために、きわめて巧みに設計されている。決して空想的ではなく、その優れた外観からもわかるとおり、ほぼ我々の現代の能力に匹敵するものがある。この宇宙船は地球を回る母船とともに動いていたらしい」
そしてブラムリッチは、大気圏外から来た異星人がエゼキエルと4回会ったうえ、宇宙船に乗せて運んだことを「エゼキエルは、自分は精霊によって引っ張り上げられたと述べているのだ」と結論づけている。
アダムスキーによれば、エゼキエルが遭遇した物体は、現代に見られる円盤型のスカウトシップと同じ物だということを示唆しているが、いずれにせよ、旧約聖書や新約聖書の記述には、「火の柱」とか「人の子が雲に乗って」だのと、聖書学者を悩ます表現が多々あるけれども、これらを古代に出現した別な惑星から釆た宇宙船や異星人とみれば見事に解決がつくのである。
たしかに、UFOなるものが古代から出現していたらしい記録は多数あるから、この解釈に無理はないと思う。
前述のモーセにしても、『出エジプト記』 は実際はモーセと異星人とのコンタクト体験記なのだと米ニューヨーク州エンドウェルの長老教会牧師バリー・ダウニングが主張していた。
たとえば、イスラエル人の大部隊が荒野で数年を過ごしていたあいだに出現した「主」「神のみ使」「雲」などの表現はUFOだったのだと彼は言っており、またシナイ山でモーセに十戒を授けた場所は、着陸した大母船の内部であったのだという説をとなえている。
新約聖書にしても不可解な箇所が多数あるが、それらもUFOや異星人と関連づけると正確な意味が浮かぴ上がってくる。そもそもイエスはコンタクティーであったと推論するに足る充分な記述が随所に見られるのである。
ー終わりー |