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新アダムスキー全集

 ├ 写 真
中央アート出版社
TEL : 03-3561-7017
E-mail :info@chuoart.co.jp
  <巻頭言> 共 鳴

  GAPニューズレター No.61 より

二挺のギターを準備し、両方の各弦を完全に調弦してから、一方のギターのどれかの弦を鳴らすと、他方の同じピッチの弦が共鳴して自動的に鳴り始める。

特に第五絃(A音)の共鳴音が美しい。色にたとえればブルーであり、澄みきった青空を思わせるような爽快な感じがする。

これは物理現象であって、他の絃楽器でも試せるが、テスト用にはギターが最良である。共鳴の場合に唸り音を起こさせるには、片方の楽器のピッチを微調整して、わずかに狂わせておく。つまり振動の周波数をわずかに増減するのである。 この狂いが大きくなるほど唸りの波長も短くなり、ついには全く共鳴しなくなる。

Aという人がBという人に魅力を感じて引き寄せられる場合も、本人の想念汲動かまたは何かの特有な波動の周波数が一致して共鳴現象を起こすと考えられるが、これは昔から「類は友を呼ぶ」とい諺で表現されている。付和雷同とは少々意味合いが異なり、もっと物理的な法則を意味するようだ。この法則は絶対なのであって、人間社会を観察すれば見事にこれに従っていることがわかる。

JRC(少年赤十字)に入って、町の清掃や奉仕作業などを行う少年達は、万引団を組織して悪事を働く少年達と決して交わらないし、GAPの会員諸兄姉が暴力団と親密であるとも考えられない。周波数がまるで違うために、両者は絶対に共鳴しないのである。しかし性格その他でかなり相違する人が互いに親近感をもつ場合もあるが、これは過去世からのカルミックな原因があると思われる。夫婦、兄弟姉妹、恋人同志が特にそうで、逆行催眠でテストすると過去世で必ず何かの関連があったという"記憶"がよみがえる実例を米国の科学者が多数あげた英文の書物を昨秋マドリードの書店で偶然に見つけた (いずれ翻訳出版の予定)。

宇宙的見地からすれば万物一体であるから、周波数の相違などを意に介することなく、万人を愛し包容するのが宇宙の法則に適った生き方だ、と言えるが、百鬼夜行の現実の社会ではなかなか困難である。こちらが崇高な慈悲の心をもって相手の欠点に一切目をつぶることにしても、それを理解しない相手は「こいつはお人好しだ」ときめつけて、逆に利用してかかろうとし、悪事を働くかもしれない。そのような体験は編者にも多数ある。事業をやっていると寸刻の油断もできない。社長追い出しによる会社乗っ取り陰謀、公金横領等の事件が実にわが身辺にも発生し、次々と解雇処分にして現状を維持してきたと申せば、読者は驚かれるだろうが、社員のすべてがGAP会員でない事実を知れは、驚くに当たらない。

要するに、宇宙の法則に従った生き方というのは、身辺に悪党がいてわがもの顔に蹂躙する状態や無能力者による生産性低下等をなす術もなく黙視していることではない。毅然たる態度で社内を統制し、収益を上げて赤字を返上し、社員の生活を確保することが、資本主義社会の経営者の責務である。そのためにはときに叱咤督励する必要もあるし、厳重な訓戒を与える要もある。またときには社員を引き連れて料亭へ繰り込み、盛大な宴を張って英気を養わしむる必要もある。

宇宙の法則という"きれい事"を唱えて、漠然と理想主義世界を夢想するロマンチストとなっているだけでは、真のコズミック・マンとは言えないだろう。

というわけで、何といっても現実を直視して、あらゆるトラブルに対して如何に対処するかをまず考えてかかる必要があることを痛感するのである。

ところで、悪質な人間や無能者が身辺に寄って来るのは、それを引き寄せる何かがあるからだろう。こちらの精神の状態が低次であったために、その類の者が共鳴したのか、あるいは善良であった者が出来心を起こしたのかもしれない。とすると、究極的にはやはり高次な精神波動を放射して、優れた人々を引き寄せねはならず、そのためには宇宙の法則に従った高度な生き方が要求されるから、結局、宇宙の法則はきれい事どころか、重要きわまりないものだということになる。むつかしい事だが、何といっても宇宙的哲学を基盤として、他人の乱れたマインドには同調せず、全身に遍満する宇宙の意識を認めて、それと共鳴するように努力しなくてはなるまい。

それについては「生命の科学」第四課に、「見られる個体があたかも自分であるかの如く、その物について意識的になる」とある。鏡の中に自分の姿が映った場合、実は鏡の中の人物も自分を見つめているのである、という哲学上の言葉があるが、これと同様に、外界の万物を見る場合、何を見ても、「見られている物はすなわち自分であり、その自分がこちらにいるもう一人の自分を向こうから見ている」というフィーリングを起こすことが、宇宙の法則の生かし方の根源なるものであり、これこそテレパシーその他の超能力開発の基礎的段階ではないかと思う。つまり、このフィーリングこそ自己向上と超能力への道を歩むキイなのだ。

無生物を見る場合もそうだが、特に生きた人間を見つめるときは、そのようなフィーリングを起こして相手を見ることが最重要であると思われる。先日も朝の電車内で塙君が二メートル離れた位置に横向きに立っているのを発見して「見られている彼はすなわち鏡に映った私である」という強烈なフィーリングを起こしながらテレパシーで呼びかけたところ、まもなく彼は感応してこちらを振り向いた。このときのフィーリングは具体的に言うと、彼の体内にすっぽりと私の全身が入り込んでダブったような感覚である。これは訓練次第でかなり高度に行えるようになる。海や樹木を見つめて一体化を図ってもよいし、動物、親しい人でもよい。とにかく練習を続けることだ。

これを編者は宇宙冥想と呼んでいる。冥想といっても宗教的な行法ではない。他に呼称がないからそう呼ぷだけだ。

(久)

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