この墓場から脱出するにはどうすれはよいか。答はただ一つ。マインド(心)を"宇宙の意識"と一体化させること。これしかない。他に全く方法はない。古くからの因襲・伝統・習慣等で汚染された肉体の細胞群が一大軍団をなしてマインドを侵略し、蹂躙(じゅうりん)し、食い尽くしている。今や人間のマインドは哀れな飼食となり、悪魔細胞軍団の伽に縛られて身動きできない状態にある。
しかし内部にひそむ宇宙のパワーは活動しており、その枷をはずせと囁きかけてくる。因襲と習慣という深海の水圧に喘ぐ小魚にすぎない我々人間にもまだ救いの道は開けている。意志カによって枷を打破できるのだ。
習慣!悪習慣! 習慣的想念! これらを除去することこそ光明への第一歩であり、真の自由を見い出すための活路である。
どうすればよいか?
ここに素晴らしい方法がある。自己の想念を観察し続けて、想念内容を次第に宇宙化させるのである。これを他人はやってくれない。あくまでも自分自身にかかっている。
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▲仕事部屋にて |
習慣的想念(Thought Habit)に汚染されきっている人間が宇宙的な方向に進むための基礎段階として、まず自己の想念を直視してその内容や傾向を知らねばならない。すぐに他人を憎悪したりひねくれたりするクセがあるか、人間は弱い存在で、金がなければどうしようもないと思い込んでいるか、肉体は単なる物質で、故障が起これば何はおいても医学のカを借りるべきだと考えているか、人生は儚い夢の如きもので、死んでしまえば生命はそれきりだと信じているか、何をジタバタしても始まらず、生活費だけ稼いで食って寝ていればよいと諦めきっているかー。
長い因襲によって培われたこのような習慣想念を断固排除して、人間は万物のなかで最も創造主に近い存在で、永遠を生きるものであり、心身ともに完璧に形成されている!という宇宙的想念を持続させるには、非宇宙的想念がわき起こるたびにそれを打ち消して、積極的に宇宙的想念に切り替える必要がある。これが宇宙的フィーリングを持つための不可欠の要素であって、そのためには毎日、終日、自己の想念を手帳に記し、一日の終わりにチェックした上で自省しなければならない。こういう事を全くやらないで人間の想念レベルが向上することはまずないだろらう。
具体的に言えば小型手帳を用意して、見開きの左頁を宇宙的想念の欄、右頁を非宇宙的(利己的)想念の欄とし、終日わき起こる想念をこの二種類に大別してかたっぱしから記入してゆく。文章にして書くと時間を要するので、簡単な記号で記してもよい。とにかく記録をしないことには比較検討はできないから、記録は重要である。
「そんな事をして何になる!」と一笑に付する人は、すでに地球を取り巻く低次元の一大習慣想念帝を"至上唯一の"世界と思い込み、それ以上の高度な次元を見る眼を持たないのであるから仕方がない。また、想念観察をやれば狂人になると言う人もある。無理もない。すでに異常な世界に慣れていて、それを当然だと思い込んでいる人には、このような方法で異常な想念を正常にもどすことは苦痛至極だろう。
しかし、実行してみればわかるが、これこそはあらゆる行法にまさる素晴らしい方法であり、しかも日常生活の場で実践できる最良の自己訓練法である。第一日常生活で実行不可能な特殊な行法は我々現代人には不要である。働きながら行える方法でなければならない。
かつて日本GAPは「想念観察手帳」を製作して会員に頒布したが、資金不足で中止し、以来絶版となった。しかしこれは自分で簡単に作れるのである。
これこそ宇宙的人間になるための不可欠の方法であり、手垢で汚れた小型の手帳には聖者への道を歩む足跡が燦然と輝いているのである。この想念観察法はアダムスキーが「テレパシー」の40頁と、「宇宙哲学」121頁で解説しているので参照されたい。
この地球という惑星は、だれかが何かをやると一方では必ず批判や悪口が起こってくる度し難い世界だが、自己の想念を観察し、感覚器官をコントロールして宇宙的フィーリングを起こそうとする試みは、どのように見ても"善事"でこそあれ、"悪事"ではない。したがって他人の批判を気にする必要はさらにないし、第一、気になるような想念が起こればただちにそれを記録して、宇宙的想念に切り替えねばならない。このようにして次第に創造パワーの王座に近づく人は人生において如何なる障害や困難事に出くわすこともないだろう。「偉そうぶっているが内心では何を考えているかわかったものではない」という地球人の通念に惑わされないためにも想念観察こそは最良の方法である。
思いきって実行しようではないか。 |